早いもので、もう師走。光陰矢のごとし、と言いますが、矢なんて生ぬるく、ジェット便のスピード。 
11月は、二つの展示会を終えて心の約束ごとに休日は出かけました。おもいがけない病と闘っている大阪の友人を訪ね、彼女の持って生まれた頑張り屋さんがスマートになった表情の中にも垣間見られてほっとしました。いつもは必ず展示会には来てくれて「麻子さんは、誰もができないことをしている。それは、私にとっても誇りよ」。と励ましてくれていたのです。京都で催した様子をデジカメからプリントし持参して見てもらうことが出来ました。来年5月からスタートするアンジュ・アカデミーの理事になってもらうつもりの一人です。16日は安曇野へ。朝9時名古屋発の、しなの5号は絶景の紅葉ルートを辿ります。1人静かに車窓を眺めながら忙しかった夏からの日々を振り返り、すこしづつ心とからだを元に戻すクールダウンにも時間がかかるようになったと感じます。お花をお供えに行った安曇野。あづみのの食卓のオーナー・久松育子さんとのお別れも唐突でした。70歳をすぎてらしたと思うけれど、生前に書かれたお別れの手紙にはおどろきました。夏のすこし前にいただいたクリスマス・ローズはお別れのごあいさつだったのですね。せいいっぱいご自分の暮らしを満喫されたこととおもいます。ターシャ・チューダーともイメージの重なる大地と仲良し、素敵な先輩でした。
11月も末の日曜日、友人と三重県菰野にあるパラミタミュージアムへいきました。昨年、フランス・アミアンで急逝された人間国宝・江里佐代子さんの展示会が開かれています。佐代子さんとは同い年。いつもご案内をくださって、上京の折に銀座・和光で何度かお目にかかったこともあります。いつ見ても気の遠くなるような繊細さ。キリガネの底知れぬ技法。でも、どこかかわいらしく微笑みすら浮かんでくるのは、佐代子さんのお人柄でしょうか。この夏、新緑の新名阪で湯の山温泉へ出かけたとき、こんなところにミュージアム、と思っていたのです。まさかこんどは、紅葉のシーズンなんて、思いがけないことってあるのですね。

さて、12月,アンジュ30回目のクリスマス。その前に、冬のニュースが遅れました。色々あってなかなか思うようにスケジユールどうりに事が運ばず、がんばってみるけれど無理をしない、と心がけているのでお許しください。ようやくNO115号ができあがり、発送しています。あと1号でラストと思うと複雑なものです。
ショップは飾り付けも終わり、賑やかになりました。ジャクリーヌ・ゴバンさんの「四季の天使」、アッツプリケの額絵も「冬の天使」に替わり、季節が冬になったと実感します。年に4回、これを繰り返してきたのです。
夕暮れどきから、アプローチにある野いばらのアーチには、小さな電飾。2階の窓辺には山型のキャンドルライト。スエーデンから送られてきたもの。この季節、ストックホルムやウプサラの街はどのアパルトマンの窓辺にも、山型のキャンドルが灯って、静かでおしゃれ。あたたかな暮らしのシーンも通りすがりに見ることができ心なごみます。ここは京都ですが、エキゾチックな雰囲気を味わいにどうぞお出かけください。

晩秋の安曇野

アンジュnews115

アンジュ  石井麻子

クリスマスのデコレーション

アンジュのクリスマス

ヒュッテ・シャロム

カラマツ林

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