夏の印象

南座あたりで八坂神社に向かう綾傘鉾のお迎え行列とすれ違い。お稚児さんが提灯をもって先導し、幼稚園生くらいの童女たちが可愛い浴衣をお揃いで着た、そのはんなりした、えもいわれぬ光景に目が釘づけ。四条大橋まで後発のお神輿のお清めをしてきた松明は、橋上の所作を終えてまた来た道を戻ります。南と北の欄干に集まったお祭りフリークたちは、このあと30分ほど、お神輿の到着を待つのですが、鴨川を吹き渡る風を受けながら、橋の西南畔にある料亭「ちもと」の3階で、練習囃子をする(菊水鉾)の音色と浴衣姿のシルエットを眺められる至福。ようやく到着した神輿はエイッサ、エイッサと威勢良く練りまわし、神主さんの手で鴨川の水を掛けられ清められ、八坂さんへと戻ります。祇園祭りは17日の巡行だけではなく、7月1日より毎日どこかで行事があり、京都のひとびとは運が良ければ行きずりに、延々と受け継がれている祭りの所作に出逢えるのです。まだ、いくつか今年も「わたしの祇園祭」をお伝えできることでしょう。暑くなりました、お元気で。  7月11日  石井麻子

湿気をたっぷり含んだ重たい風が緑を増した木々を揺らしています。ゲリラのような急激な雨に慌て、シトシト降る雨に、久し振りの梅雨かと喜ぶと、あっという間に晴れ上がり、気まぐれな空もように心まで振りまわされてしまいます。お変わりありませんか。アンジュ・アカデミーも3か月目に入り、あと数週間で夏休みです。みんなで制作の《かわいいミニクッション》仕上がった方もちらほら。100個以上になりそうで、展示会が楽しみとなりました。サマーニットも今年らしい色合いで揃い、みなさんの制作意欲を刺激しているようです。アカデミーになって年相応の時間を与えられ、休日には友人たちとリフレッシュ。目的の有る無しにかかわらず、素敵なロケーション・素晴らしいひとびと・オアシスのようなカフェなどに出会うたびに心から感激しています。
6月27日、朝日新聞の朝刊、be on saturday のカラー写真をご覧になられましたか? (右の写真)  beより。 「アマチュアの音楽革命」というタイトルで、フオーク・クルセイダーズの記事でしたしたが、写真は6月6日(土)に円山公園で行われた「豊田勇造還暦コンサート」無料です。(勇造いのち)といった1000人を超えるフアンの、臨場感あふれたノリの良い雰囲気が伝わるものでした。なぜなら私もそこに居て、ビールやワインを片手に、6時間60曲を歌いきると張り切る勇造さんを励ましつつ、自らも幸せに浸るコテコテファンに囲まれ、友人と半ばあ然としながら一緒に手拍子を・・・。あたたかい人柄と、変わらず応援してきた団塊世代の夢がかなったコンサートでありました。壬生寺近くで生まれ育った勇造さんと、お寺の池で亀釣りをして住職さんに叱られた、という思い出話をもつ幼なじみも身近にいて、京都は狭いと思います。
法然院にも行きました。環境問題に取り組む催しがあり、講堂でイングリッシュガーデンについてのレクチャーはガーデン・コデイネーターの豊嶋美由紀さん。イギリス各地のオープンガーデンのおはなしも参考になりましたが、大阪の住之江公園でホームレスのおじさんたちにバラの栽培を指導して、見事に育てているというのにびっくり。行政では行き届かぬケアを花と共に、なんて良いおはなしでした。まだ梅雨まえの昼下がり、書院で梶田貫主の法話に耳傾け、静かな庭園から吹き渡る風の心地よさ。京都は学ぼうとすれば、すぐそばに学ぶ場があるのです。
畑にも行きました。友人のK氏が営む菜園は曼殊院と目と鼻の先、後ろは比叡山への道だけ。眼下に広がる京の町も緑の向こう。ビニールハウスも2棟の本格派。トマトやキュウリ、ナスなどもぎたてをいただいて、昔子どものころ感じた青くさく、懐かしい匂いにほれぼれ。このところ、菜園ともだちのお陰で左京区探検隊が結成されて、見知らぬオアシス求めてワクワクしています。いずれまた、ご案内を。
7月10日、夕刻、八坂神社へ。祇園祭り・神輿洗いの儀が執り行われています。ひと気の無い北側わきの階段を登りはじめると、早くも掛声。すると、上から下りてきた女性が「もう、松明,出はりましたよ」とわたしの目的承知といったごあいさつ。東大路通りにはまだ気配を感じなかったので、「えっ、どちらから?」と尋ねると、「南楼門から出て・・・」とのこと。境内はまだ、出陣式のなごりあり。石段下へ下りると、お祭りフリークたちが勢ぞろい。ホイット、ホイットと掛声を掛け合いながら薄暮の四条通りを行く行列に、いつのまにか紛れて祇園祭りが身近となります。

薄暮の八坂神社

キュウリの花

法然院・講堂

円山公園・野外音楽堂

2009・サマーニット

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