夏の思い出  T

夏休みが終わります。ひと月の間、グーンと手足を伸ばしておもいっきり
楽しく過ごせたこと、そのような環境に恵まれたことに感謝しています。
8月9日は若狭へ出かけ、若州一滴文庫のくるま椅子劇場で「原爆の図
から現在を見れば」という、美術評論家・針生一郎氏の講演を聴きました。
丸木位里、俊夫妻の原爆の図も本館で長期展示されていて、40年ぶりくらい
に対面することができました。埼玉の東松山にできたばかりの丸木美術館を
訪ねた日のことも思い出され、ご夫妻亡きあと美術館の存続とともに、「原爆
の図」さえも風化されるのではという危惧について、80歳を越えた針生氏は、
ガラス越しの竹林を背に、静かにこれからの展望を語ったのです。

水上勉さんの蔵書は「たった一人の少年のために」という図書館に並んでいて
本を満足に読めなかった幼年時代が投影されています。文楽劇場もあり、二度
目の一滴文庫でしたが、水上さんの故郷は緑に囲まれ、文化度が高いと再確認。

8月4日にはこの秋京都での展示会を予定している「烏丸御池駅ギャラリー」へ。
同時開催をする鉄道写真家の佐竹夫妻と係の方との打ち合わせ。イメージが膨らみます。午後は水族館問題などを語る会に出席しましたが、法然院の梶田貫主によるほのぼの談義は、いつも眠気を誘います。でも、梅小路公園のイメージがここでも膨らみ、ポスター・チラシ制作への足がかりとなりました。

8月5日 山科・岩屋神社で展示会用DM写真の撮影中、
一礼して石段を下りてくる紳士。誰かと思ったら民主党の
前原さん。「何してはるんですか?」と尋ねられたけれど、
カメラマンもわたしも握手を求めず・・・。ひょっとしたら次期大臣?
佐竹氏の大フアンですから、ギャラリー展に来られて「あのときの
クッション?」ときっと驚かれるでしょう。

8月16日 大文字送り火
詩仙堂近くでコッテージ{870}を営むMさんからお誘いを受けて
鑑賞会に参加。京都の町を見下ろしながら茜色とまではいかない
けれど、サンセットを眺めながらビールで乾杯! 8時10分右手の
「妙法」点火。つづいて「舟形」、そして「左大文字」。夕立ちもなく、
炎は元気に燃え盛り、下の道を行きかうひとの声と虫たちの声がして
御霊を送る炎は夏を送るかのように燃えつづけました。
この秋「藍染」の取材で来日するカトリーヌ夫妻の宿を探していて
出会った素敵なプチホテル。左京友の会を勝手に立ち上げたことで
視野が広がっています。

真っ暗だけど舟形と妙法が燃えている

8月18日 母の誕生日に二人で
「95歳になったね」と話していたら、
姉から「96歳よ」と訂正が入りました。
「ひとつぐらいいいわよ」と本人が言
うのですが、あと4年で100歳!
納涼祭も楽しみました。

梅雨はれま 白き雲いく 飛び飛びに   彩香(さいか)

京大探検
そろそろ念願のエッセイに取り掛かろうと真夏の京都大学へ。元野球部、いえ理学部卒のY氏にガイドを依頼。同い年のよしみで快諾。
法学部・工学部そして北部キャンパスの農・理学部を歩き、農場や温室・菜園も巡りました。オリンピックグランドから疎水沿いに今出川に
出て、「まつお」で皿うどんのランチ。20年ぶりの美味しさも変わらずに懐かしい。再び本部キャンパスに戻り、デザートは学食のパフェ。涙
の出そうな¥336.。ラーメンをはじめ総長カレーもお薦めとか、これは通いつめなければ。ご縁のなかった京大も昨年の時計台見学に加え
て親しみが湧き、歴代の識者のオーラも随所で感じ、京都のキャンパス周辺を歩くのが興味深いものとなりました。

アンジュでずっとパッチワーク教室の講師をつとめて
くださる安江先生とランチ。奈良の石村由紀子さんが
プロデユースされる予約の取れないレストラン。久し
ぶりの「西大寺」で待ち合わせ。バスで秋篠寺の先へ。
竹林に囲まれた贅沢な空間です。普段は望めぬ至福の
時間が、奈良産の野菜と共に五感に浸みわたりました。

19日 「秋篠の森」へ

ここはミニギャラリー

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