緑の風

4月21日(水)雨降りウイークなのに不思議なくらい雨雲の消えた一日、箱根へ向かいます。この秋、展示会を予定している浜美枝さんのご子息がオーナーの「やまぼうし」を訪ね、会場を拝見し打ち合わせをするための小旅行。「ひかり」を熱海で下車。路線バスで箱根をめざします。まだ桜が咲いている山道を登りきると十国峠。はるか眼下に三島あたりの湾曲した美しい海岸線が望めます。富士山も雲をまといながらも頂上付近はかがやくほど真っ白。寒気の造形美です。熱海から一時間ほどで芦の湖畔。目的の「箱根ホテル」前に停留所。埼玉から御殿場まわりでドライブしてきたMさん(展示会開催中に行うレッスンのアシストをお願いしている)との待ち合わせ場所です。レイクビューのランチビュッフェ。秋のために、みなさんに色々お伝えできるよう情報あつめも兼ねています。その箱根ホテルから車で5分ほどの距離に「やまぼうし」。12軒の古民家の古材を移築再利用した浜さんのお宅は、今ギャラリーとしてオープン。山道の途中にある静かなたたずまい。和風のお屋敷にお邪魔するようなアプローチです。折から高橋永順さんと夫のたかはししょうぞうさんの二人展を開催中。たくさんのお客さまでにぎわっています。昨年アンジュへいらしてくださった浜美枝さんは、そのときお求めいただいた「犬の散歩」のベストを着て登場。「とっても気に入って、いつも着てるの」との嬉しいご挨拶でした。永順さんの、雑誌のグラビアで拝見するのと同じお花のアレンジメントが会場のあちこちに・・・。年季のはいった床柱や家具が醸し出す不思議な空間で、しょうぞうさんの優しい陶器と永順さんの伸びやかな絵が楽しそうに遊んでいるのです。なんとなく、わたしのニットたちも寛ぐことと思えました。奥の間のカフェも必見ですし、かわいい豆桜などお庭の木々も紅葉してみごとなロケーションであることを確証できます。秋が楽しみとなりました。また再会を約束して「やまぼうし」を辞し、湖畔をドライブして仙石原へ。10年ほど前、オープンしたてに行ったことのある「ウェルテル俵石」へ日帰り温泉。ウイークデーででほとんど人気のない湯船で極楽気分。シンプルで山と空だけに囲まれた非日常の風景です。その後、強羅の富士屋ホテルで名物というカレーのデイナー。ふたたび御殿場経由で戻るMさんに箱根鉄道・宮ノ下駅まで送ってもらって、スイッチバックを繰り返す電車に揺られ、小田原から「こだま」、「ひかり」を乗り継いで京都に帰りました。
まるでジェットコースターのように寒暖の差のはげしいこの頃です。GWをはさんでゆっくり2週間の間「アカデミー」は休暇中。お休み明けに「アンジュだより」の更新、と思っていたところ10日にアクシデントが発生してパソコンに不具合。5月号が遅くなりましたが、この一カ月もドラマチックに過ごしましたので緑の風を感じる写真と共にお届けいたします。

大阪狭山市にある
狭山池と池博物館

デザイン安藤忠雄

連休直前の28日(水)、大阪の友人とドライブ。ナビゲーターのわたしだけがスケジュールを把握しているミステリーツアーなのに毎回、感激してくれる良き友との気ままな日帰り旅です。京都クラスに大阪狭山市から通ってくださるSさんから教えていただいたミュージアムに、いつか行ってみたいと好奇心をもっていました。爽やかな初夏に実行。1400年前の推古天皇の時代から農業用のため池として貯水がはじまった・・・と、安藤スタイルのミュージアムで学習。のびやかに広がる狭山池の堤はジョギングする人、散歩をする人たちが往来していて羨ましいほどの環境です。午後は泉佐野の山手にある犬鳴き山の不動口温泉で谷川を眺めながら貸切状態に感激。夕暮れどきにりんくうタウンで対岸の関空がシルエットとなるサンセットに見とれます。嵐の前の静けさ、といったゆっくりドライブが終わり、連休の間は送られてくるパーツをつなぎ、タペストリーを仕上げて過ごしました。今、アンジュはモッコウバラと野いばらのアーチが見頃です。甘い香りのオガタマが匂いはじめました。若葉が風に揺れると陽ざしにきらめいて、いつのまにか見とれています。気候不順の折、お元気でお過ごしください。また。asako

アンジュの門扉横にあるライラック

箱根・やまぼうしの豆桜

永順さん浜美枝さん、右端は二男の森さん

左手にミュージアム、右手に狭山池の遊歩道

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