地下鉄ひとつ目で降りてコンサートホール近くのホテルにチェックイン。お正月で「ニューイヤーコンサート」騒ぎもあろうかと、このホテルだけはHISに取ってもらったけれど、あとは全てasako travel.com(ジョークですよ)が、インターネットで手配済。3時すぎです。暗くなる前に散歩。19世紀末の装飾に縁取られた駅舎(カールスプラッツ駅)を目指したのに、90度左へ歩いてしまい「ベルベデーレ宮殿」。目的地ではなかったけれど、ついでに外から鑑賞。木々にいっぱいヤドリギ。夕暮れの空も美しく広大な庭園を従えた宮殿にハプスブルグ家の偉容を感じます。ここから地図女のつもりの私に見切りをつけたのか、以後ふたりはコンパスと地図を付き合わせてくれて、あっちだこっちだと案内をしてくれました。オペラ座の前には時代衣装を着たガイドたちが冷え込む街頭でチケット売り。なんだ特等席でなければ当日でも買えるんだ。でもコンサートにはご縁がないカジュアルないでたちに断念。まだクリスマスの飾り付けがきらめくシュテファン寺院までの歩行者天国、ケルトナー通りを歩きます。品の良いチロルの香りのただよう洋装店を見つけたけれど、元旦でお休み。また帰る日に戻ってきてのお楽しみ。シュテファン寺院は大勢の人波。初詣でしょうか。中へ入ると丁度5時のミサ。白い僧衣の男性コーラス。見上げるほどの天井に反響して聴き惚れてしまいます。

新年も10日を過ぎました。良きはつ春をお迎えのことと思いますが、それにしても寒い日々ですね。朝から雪がしんしんと降る大晦日、あわただしく家のお正月準備を整えながら、旅立ち仕度も同時進行。真夜中の出発もはじめて、ドバイ経由のエミレーツ航空もはじめて。雪が15センチほど積もった京都を出ると、大阪は雪の気配もなく「予定通り飛びます」との応答に?だったけれどやっと納得。静かな関空でチェックイン。大塚先生(息子の小5担任)とアシスタントの細川との三人旅はいかなるものになるかと・・・。機内は確かにゴージャス。ボルドー色の帽子の片方から白いスカーフをエレガントに垂らしたキャビン・アテンダントの優雅さ。ひとりで2または3席を確保して離陸。寝たり映画を見たり寛ぐうちにドバイ上空。「うあー、きれい!」窓から見える夜明け前のライトが街の輪郭を示します。あの世界一高いというビルはどこでしょう。暗闇に輝く光のグラフイックに見とれているうち着陸。17度、コートが邪魔です。4時間のトランジットはさまざまな国からやってきた旅行者であきません。安い航空券を探しているうちにたどり着いたエアライン、多少時間がかかるのは仕方のないこと。初日の出が昇る頃(ドバイとは時差6時間)ようやく大きく外から中の見えない不思議な外観のテロ対策バスに乗って、広い広い空港の端まで移動。ウィーン行きは元旦のせいか閑散としています。空港の対岸にあの超高層ビル郡発見。砂漠に創られた未来都市といった、実験建築のようなマンションの見本市のような都市計画。アラビア半島の東岸を縦断しトルコ・ブルガリアの山脈は白く雪化粧。雲に遮られて見えないハンガリーのブタペストを経てウイーンにランディング。とびきり早い列車で15分、ウイーン・ミッテ(中央)駅へ。

関空→ドバイ→ウイーン

翌朝、ウイーンの空気を読み始めた三人は「歩けるやん」と、フンベルト・ヴアッサーのアートを観にウオーキング。ミッテ駅の東にある住宅街に突然あの独特な造形物が出現します。1980年代、当時のウイーンっ子達から賛否両論を巻き起こした異才を放つ市営住宅。直線を嫌うアーチストはアプローチも波打ち窓枠も桟の真っすぐを消し去るかのように優しく彩られています。テラスに植えられた植栽も年月を経て伸び盛り、葉を落とした今は初夏からの芽吹きと夏の繁るさまを想像するしかないけれど、住んでみたいと思わせる風情です。すぐ近くにはヴアッサーの美術館(クンストハウス)もあり、幼いころのデッサンや絵画・建築のジオラマなどが展示され、中庭のカフェレストランの屋根は草に覆われ樹も育っています。東はドナウの支流に面していて、船着き場のモニュメントもヴアッサー。大阪・舞洲にあるごみ焼却場も彼の作。形容しがたいエネルギーの持ち主であり、自然を取り込む優しさにいつのまにか虜になってしまいます。数年前、軽井沢のメルシャン美術館で展示会をした折、メインの展示がヴアッサーであり、そのときから訪れて観たかった所で夢が叶ったのです。                                                         つづく


2010・12・31

ドバイ空港で初日の出

ヤドリギ

2011・1・1

ブェルベデーレ宮殿

st シュテファン寺院

ウイーンのクリスマス・デコレーション

フンベルト・ヴアッサー
クンストハウス

市営住宅 

冬の旅  T

ジオラマ

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