前夜、ドナウにかかる橋の上から、ホテルの背面に見上げるように聳えていた、お城みたいな建造物の確認をするために登ってみます。石畳みの坂道はクリスマス寒波で降った雪が路肩に残り、油断をするとツルっとすべりそう。登りきると視界が広がり「リンツ」の街が一望に俯瞰でき、展望台には100年前のリンツのジオラマが銅で創られ、現在の街並みとの比較も楽しめます。シュロス(城)・ミュージアムはお休み。静かな中庭で澄み切った冬の空が長方形。念願だった橋を渡りきり(プライベート・シップは見えず、どこかへクルージングに就航?)、山の上に見えていた教会へ50番の市電で向かいます。細い山道には別荘のような邸宅が林の間に見え隠れ。雪が降ってきて、標高400m(麓で200m)の頂上は吹雪。終点に教会。静かな礼拝堂で旅の無事を祈ります。線路を挟んだ向かいに幼稚園。その光景をカメラに収めたけれど、右手のモミの木を見てください。絵のような三角錐!!!

ホーム脇の巣箱に餌がいっぱい入っているのでしょう。数種類の野鳥が仲良く出入りし、O先生は望遠鏡をザックから取り出しウオッチング。日本では見たことのない鳥を見ることが出来ました。のんびり上がってきた50番は折り返して麓の街へ。チケットを買うと金額によって時間内乗り放題という方式が気楽なのか、細身の車体は自動車に嫌われもせず、市民の足として共存できる暮らしを羨ましく思います。市役所前で乗り換えて、橋を渡り旧市街に戻り、ようやく新年の休暇の終わった賑やかな通りを歩きます。洒落たスポーツ用品専門の小さいデパートで一同解散、30分後に集合。私は通りに出てsaleをしている用品店で目当てのものをゲット。ランチは再会したデパートの最上階にあるカフェテリア。英語のメニューもなく、観光客なんて来ないところらしく、隣のテーブルのフアミリーのメニューをサンプルにしてそれぞれオーダー。「正解、正解、大正解」と四国遍路の旅に出たことのあるO先生の口癖がここでも発揮されました。ジオラマには無かった新教会Marienー domもお参りし、「東方の三賢人役」のカンパボランティアの子どもたちにも出逢えました。              
さあ、リンツ 15:35発 のプラハ行きに乗るために、そろそろホテルへ戻ります。私とホソカワは前の晩に見た手芸店をのぞきに・・。野呂さんの糸も置いてあり、生地も豊富。ひと昔前の日本でも見られた正しい手芸屋さんといった雰囲気です。駅まで延々とつづく商店街の裏に、ふと足を止めるお店があるって嬉しいですね。バゲージを受け取り、午後のフロントは創業者にゆかりの老夫婦?バゲージは各自持って下りました。市電に乗ってリンツ駅へ。ここもがらっと新しくなり、ウィーンの駅を小ぶりにしたようなもの。全世界画一化が進んでいるようです。出発前に「トーマスクックのヨーロッパ時刻表」を求め見つけた、一日一本のリンツ発プラハ行き。いったいどんな列車かとホームに上がると、機関車の後ろに二両だけ。おそろしく古いOBB(オーストリア連邦鉄道)。マイナーな、需要の少ない路線なのでしょう。車掌さんに列車番号の「365」はどれですか?と尋ねると、目の前の車両だと示されます。どうしてわかるのか不思議だったけれど、乗ってみたらホームからは見えない窓に「365」の張り紙。6人掛けのクシェットはリザーブの札もなく、3人でひと部屋ゲット!ドナウ河(この広さを20年前に見ていたので、ウイーンで細い流れを「ドナウだ」と言われても半信半疑でした)を渡り、いつのまにか国境を越えてチェコ。デイナーはリンツでバゲットと飲み物を持ちこんでいたので、暮れなずむ車窓を眺めながら三人で乾杯。シートを伸ばし、足を伸ばしてこのたびは全員でくつろぎます。時折停まる駅では数人の乗客が降りたり乗ったり、駅名の表示がなんだかやはりチェコっぽい。夜8:40 プラハ着。駅に着いたらまずチケット。5日のウイーン行きを求めます。ここでも指定券はいらないと言われました。地下鉄に乗って一つ目「MUSEUM」下車。改札を出てミュゼウムの矢じるしに従って表に出ると、私の脳にインプットされていた地図の大通りではありません。博物館のそばには居るのだけれど・・。「エクスキューズ ミイ?」仕事帰りの若いおじさんに尋ねると、うなずきIPADを取り出し、住所を打ち込みます。三人で目を丸くして見つめていると、「OK]と言って一緒に角まで歩き、ホテルのある通りを教えてくれました。あァ見えます、駅から2分と書いてありました。出口を間違えたのですね。みるからにセレブな若おじさんは韓国の方。三人で深くおじぎをして、お礼をのべました。
「pention museum」は今回メールで何回もやりとりしてドアを開ける前から親近感を持っていたのですが、フロントのお兄さんが案内してくれたのが、いったん中庭に出て低層の建物に入るという構造。その辺のホテルとはひと味ちがうアットホームさ。二階の部屋の窓からお隣りの中庭も見え広々と空の見える解放感。右手は夜中も電気が点いていて窓からパソコンに向かうジャンパーの背にPOLISのロゴ。どうやら警察の裏手のよう。安心、安心、大安心です。
ようやく夢のプラハに着きました。明日から街の探検がはじまります。           つづく

冬の旅 V

リンツ  2011・1・3   

シュロスの中庭

シュロス(お城)への坂道で

50番の終着駅
postlingberg

キンダーガーデン

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