月に一度の東京レッスン。新幹線の車内温度を東京電力と東北電力管内のみ節電対策をとる、という実施開始日に乗車。放送のあった熱海を過ぎたあたりから確かに温度が上がりましたが、それまで冷えていたのでそれほどには体感せず、逆に帰りの車内で西へ向かうほど冷える実感がありました。東京駅から地下深い総武線で二つ目「馬喰町」下車。用事を済ませ都バスに乗って「日本橋三越前」へ。ここから表参道までは地下鉄・銀座線。2時前、青山学院大学のアイビーホール着。6月のレッスンは前倒しして箱根で催しましたから久しぶり。みなさん「小さな家のクッション」が半ば出来たところです。「8月は夏休みですが夏期補習をします」と言うと、4月からアカデミーに加わった方たちがレッスンの終わるころ思いがけず「参加します」。早速仲良く日にちも決められたのには驚き,そして嬉しく思いました。暑い京都なのに東京からなんて気の毒なことですから・・。「次は9月ね」と再会を約束して4時半終了。東京のアシスタントを務めてくれるMさんの車で丸の内へ。以前から気になっていたコーナーをめざします。それは有楽町に近い三菱一号館前の緑の広場。再開発にあたり、ベストな空間を構成するのに成功したようです。まるで都会のオアシス。旧赤レンガのまま保存された一号館のギャラリーでは「もてなす悦び展 8月21日まで」を開催中。時間もなく、いつかまたゆっくり訪ねたいものです。丸の内仲通りはクリスマスにはそのイルミネーションの見事さに日本離れした光景となりますが、今は緑が深まり夕暮れどきの風が通り抜け、「花金」のOLたちがこの日スタートしたばかりのおしゃれなブティック群のSALEを巡っています。歩きまわり手にしたのは小さなオブジェ。インテリアのHerman Millerは色遣いとフオルムの美しさ遊び心が魅力。店の一隅で見つけた「赤い鳥」は薄い切り抜き板をパズルのように組み合わせて創ります。ちょっと頭を使いましたが、小さいのに完成の達成感を得られ、今アンジュの棚の上に・・。

・戻る

7月1日(金) TOKYO

7月2日(土) OSAKA

2日の土曜日は午後から大阪へ。朝日新聞大阪本社・カルチャーセンター主催の「東日本大震災・連続講座」最終日を聴講します。16時からは大阪大学名誉教授・住田健二さん。10年前の東海村で発生した事故の処理を陣頭指揮して核分裂の連鎖反応を止めた方です。随所でこのたびの事故に対する謝罪も口にされましたが、フクシマの事故処理指揮系統に疑問を抱き、官僚主義と統治者能力のないK首相に苦言を呈されました。阪大・京大と東大の学閥のちがいなど、命に係わる大事に向かう姿勢の違いが明暗を分けるなど論外ではありませんか。原子力保安院が推進力である経済産業省に置かれていることへの問題も指摘され、ながらく原子力に携わってこられたご高齢の住田先生に「これからもフクシマの収束にぜひ頑張って!」と檄が飛び交いました。推進派だった方のおはなしを聴くのは初めてでしたが、現在もなお弟子や孫弟子さんたちと解決方を探られていることを知ることが出来たのです。18時jからは前石巻支局長であり、元アメリカ総局長であった高成田享さん。ニュースステーションのコメンテーター時代のダンディさは変わらず、石巻を離れてひと月後に起こった大災害を、生かされた者としての務めと、精力的に行動されています。最前線のジャーナリストが見た写真をまじえた被災地報告は、新聞やTVからでは知り得ないものが多く、また災害復興会議の委員であったことも初めて知りましたが、ここでも官僚とのせめぎ合いや現実を逃避する腹立たしいカラクリを披露してくれました。多くの友人、知人を失ったなかから「東日本大震災こども未来基金」を立ち上げ、他の義援金事業とは異なって事務経費などを計上しないダイレクトスタイル、というのに心から賛同したいと思いました。アンジュでもまたカンパ箱を置きますのでよろしくお願いいたします。大阪箕面の友人を誘ったので「知るって大事ね」と感謝され、日暮れた中之島から堂島へ渡り、リニューアルして輝く大阪駅近くで乾杯をして別れました。

7月3日(日) KYOTO

3日日曜日は終日夏の大掃除。心身ともにさっぱりとして夕刻から西陣の「捨得( じっとく)」へ。39回目の「七夕コンサート」に出かけます。元酒蔵だった老舗ライブハウスの中に初めて入り、京都のフオークシンガーたちのたまり場へ。来年は40回なんて継続力に感嘆します。登場した4人は三浦久、豊田勇造、ひがしのひとし、古川豪。団塊世代の前後ですから、みんなそれぞれドラマチックな人生を抱えてギターを弾き唄います。くもじい(?)のような風貌の三浦さんは安曇野を語り、穂高にミュージアムのある彫刻家・荻原碌山の波乱に満ちた一生を描いてくれました。7月1日に還暦を迎えた勇造さんは一番若くてやんちゃ風ですが、ギターのテクニックと人生感に圧倒されます。「関電のアンケートにチェックを入れてみたら、TVもエアコンもない我が家は節電の必要がありません」。「昔は良く停電してたやん」、すかさず「そうだ!」と会場から相の手。「タイもパキスタンもどこも暗い、日本は明るすぎると思う」。「奪い合えば足りず、分かち合えば余る」という瀬戸内のちいさな島で出会ったひとの言葉が印象に残りました。ダンディーなひがしのさんのおはなしはチベットの鳥葬のところでドキッとしたけれど、ピアノも弾いて聴かせます。トリをつとめた豪さん、実は亡き夫の幼馴染。お向かい同志の遊び友達。1976年から愛媛・伊方原発反対の歌をつくり、以後各地の反原発運動を見てきています。若狭・美浜の海に潜り、美しい黄色い花をさかせる海藻の歌など豪さんにしか作れないものでしょう。酒蔵で醸されて・・と言うけれど、素材に恵まれていなければ醸成などされません。ずっとご案内をいただきながら、やっと実現した「拾得」訪問は温かく力強い拍手につつまれてお開きとなり、、また40回目の七夕コンサートが楽しみとなりました。

暑い週末の三日間三つの街で過ごした夏の宵、三種三様の時間ではありましたが、どの宵もわたしにとって充電となる素敵な時間だったと思います。さあ、これから「ザグレブのタペストリー」に取り掛からねば。実はこの間、あるデザイン仕事をしていて、「ザグレブ」にたどり着けなかったのです。そのことはまたいずれご報告いたします。そろそろ「いきいき」の8月号も発売!箱根展が4ページで紹介されていますので見てください。アンジュは今、門扉横のくちなしが花盛り、となりのシマトネリコも高く伸びててっぺんに白い涼やかな花を咲かせています。祇園祭りも近づき暑くなります。無理をせずお元気で。

早起きしてこのページを仕上げたあと、朝日の朝刊を読んでいてビックリ。川柳欄に採用二作目を見つけたのです。高成田さんのおはなしのあと詠んだもの.

夢描く 復興プラン 夢と消え      7月5日・麻エモン                


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

グミの収穫

組み立てた赤い鳥

アメリカのうぜんかづら

お隣の庭で

キュウリ

真っ白のくちなし

夏のテラス