BONNE ANEE!おめでとうございます。2012年の幕が開きました。今年は胸潰れるような出来事に遭遇せぬよう、ただそれだけを祈ります。さて、お正月はパリに居て二年つづけて箱根駅伝を見る事ができなく残念でしたが、旅の目的は来年京都市と友好50周年を迎えるというドイツのケルンへ行くこと。JALのマイレージも消化の期限が迫り、思い切ってまた年末出発となりました。どこからケルンへ行こうかと思案の末、直通列車のあるパリを基点とすれば里美さんにも逢えると思い決定。「どこにも行かないでいるからいらっしゃい」と言われ、ケルンまでのチケットもお願いしておき安心の旅立ちです。前回、丁度ストの真っただ中に着いて往生したので今回は空港からタクシーでモンマルトルの丘まで直行。サクレクール寺院のうしろ姿を眺めながらシャンパンで乾杯!12時間の空の上も苦にならぬ極上の、いつも疲れたときに心の中でくつろでいる空間に居られるのは至福この上なし。翌2日、ようやく空があかるくなった9時ごろ石畳を歩いてサクレクール寺院へ初詣。この一年の安泰と原発事故の早い収束を祈り献灯します。パリの街を見下ろすテラスのまわりには、以前は無かったクリスマス市の名残り。どこも商魂たくましくなったのですね。11時過ぎ、バレエのレッスンに向かう里美さんにピガールにある「北駅」行きのバス『30番』のりばまで案内してもらい、二泊三日の旅にでかけます。その前回、二人でブリュッセル経由アントワープまで行ったときは駅まで徒歩で行ったので、そう遠くではない方向もなんとなくわかります。北駅はすごい人!ケルン行きの特急タリスはロンドンに向かうガラス張りのユーロスター・ホームのとなりで7番線。「わァ、TIN TIN(タンタン)!」。ベルギー生まれの少年探偵タンタンは日本でも映画の公開中。車体に登場人物の絵が描かれ、なんとも楽しいではありませんか。ファーストクラスを予約していたのでホームの先端まで、描かれたイラストを見ながら歩きます。車掌さんもホームにいて検札。ひとランク上の旅気分を味わえそう。席はひとり掛けでルンルン。12:01出発。パリの街を出たあたりで飛行機のカートのようなものが出てきて「ポーク?フィッシュ?ベジタリアン?」と尋ねられ、思わず「インクルーズ?(乗車券に含まれている?)」と尋ねると「ウイ」。ならばフィッシュ。だって里美さんから雑穀パンに生ハムや野菜をはさんだサンドウィッチ、小さなバナナ、オレンジ、手作りのアップルタルト、チョコなど重いほどのランチ袋を渡されているのですけれど、美味しく思いがけないランチタイムとなりました。その後もブルッセル・リエージュ・アーヘンと大きな街に停車したあとには、コーヒーやティーにお菓子を添えてまわってくれてとっても優雅。そういえばブリュッセルまで乗ったのは2ndクラス、未経験の1stクラスでした。わが国の効率一点張りの列車事情にくらべると、夢がありおしゃれで、ユーロ安とはいえ3時間とすこしで片道128ユーロ、極上な列車の旅となりました。

パリからケルン

何故ケルンと京都が姉妹都市なのか、その理由を探索しに出かけたのですが、ガラス張り(どこも新装されると素材はガラス)の駅舎の真ん前に堂々としたゴチック建築の大聖堂。旅本のどこにでも書かれていた重厚感あふれる姿を見上げます。思わずインフォーメーションを探さずに大聖堂へ突進したことが、あとで大変なことに・・。でも、巨大な聖堂内を歩きはじめて数分で、タペストリーのイメージを掴むステンドグラスに逢えたのです。ステンドグラスといえば聖書を題材とした絵物語がほとんど。しかし右手の一枚は他と異なり、色ガラスのブロックのみ。わたしのブロック柄と同じです。あとから2007年作と知り納得。何かの分けがあってリニューアルされたのでしょう。予想もしていなかったデザインに旅の目的がひとつ終了。ケルンの大聖堂はヨーロッパでNOTといわれるのだから、その聖堂のステンドグラスをメインにしようと考えていたのですからもうタペストリーは出来たも同然。さあ、ホテルまで夕暮れの街を歩きながら行くとしましょう。おおよその方角を地図で見ながら、思わずお店の並ぶ通りに魅せられ寄り道。おっとこの辺でと、グーグルマップから取り出した地図を頼りに道を聞くと、「この通りを真っすぐ行って左に曲がるのよ」。以外と近いのだ。それが仇となり、適当なところで曲がったものだから大変。夕闇迫る見知らぬ街で珍しく迷います。でも、おかげでハンザ同盟時代の建物と出会ったり、アンチック屋さんが数軒並んだ通りに出たり、これだから旅は楽しいのだと納得しながら、数人の優しいケルン市民の協力でホテルへ辿り着くことが出来ました。
インターネットで見つけたホテルは結局駅から5分ほどの至近距離。快適でおしゃれな☆☆☆HOTEL.。歩きつかれたので夕食は里美さん手作りのサンドウイッチがあり助かりました。翌朝「なんだちゃんとあるじゃない」、大聖堂の横向かいにあるインフォーメーションへ行き、日本語のMAPを買う(くれないのです)。目の前に遊園地に良くある遊覧バスが停車中。とにかく乗って街を掴もう。石畳の街をあちこち案内してくれてライン河に出ると、ケルン名物というチョコレートミュージアム。特段興味もなく下車せず次へ。昨日最初に道を尋ねた市役所近くもスルーしながら大聖堂に戻ります。やっぱり遊覧ルートでは出会うことの出来なかった、ケルンの知られざる道をさ迷ったのですネ。風も強く見上げる大聖堂は威圧感があるけれど、ここまで来て登らないなんて、と意を決して塔へ。ぐるぐるまわるだけ、途中に休むところもない狭い石段を一気に上がります。明日は筋肉痛を覚悟して、それでもどうやらあと少し。やったあ!500段と書いてあるけれど、外に出るとケルンが360度見渡せます。地平線が遠く山の姿の見えない広がり。達成感のある眺望です。さて、ホーエ通りというショピングstを抜けて(人ごみは早足で)、スチドラー通りへ。そのはずれに美味しそうなパンが並んでいるカフェをみつけて、本日のランチはここ。奥はサロンになっていて、お洒落なひとたちの集うカフェのようです。食べる所をはずしたことのない満足感。おォ、U番(地下鉄)の駅がある、筋肉痛を控えるためにもひと駅、ケルンHbf(ハウプト・バーン・ホフ=中央駅)まで乗車。ホテルへ帰って午後は持参したベストの前立てを編みます。中庭の向こうの屋根の上から大聖堂の尖塔のみえる部屋。居心地の良い部屋でカリヨンの音色を聴きながらゆっくりしたひとときとなりました。   

つづく・・・・・・・

里美さんのメゾネットになった二階の窓から朝のサクレクール

クリスマスの名残りとサクレクール寺院

北駅の大電光掲示板

タンタンのイラストが
楽しいTHALYS号

ランチセット

7番線ホーム

ケルン大聖堂

ハンザ同盟時代の建物

ホテルの窓から尖塔が見える

夜明けのパリ

今まで見たことのないブロック柄の
ステンドグラス

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