あとすこしで師走です。この秋はあまりに多事多催となり、ブログの更新もままならず長いことご無沙汰しました。10月27日(土)に母が99歳で老衰のため永眠いたしました。前日に見舞った折りにはスースーと安らかに眠っていたのに、電話を受けて駆けつけた時にはもう・・。4年半前、大腿骨骨折のあと幾度も覚悟をしていたはずなのに、いざとなると思考が定まらず頼りないものでした。29日に京都展の搬入、30日に初日を迎える日程でしたから、葬儀は初日を開けてから通夜、そして31日の告別式当日は一日アシスタントたちに任せて会場を欠席させていただきました。展示会を外すなんて前代未聞のこと。母のことですから仕方なく、お目に掛れなかった方々へは申し訳ないことでした。式はほんの身内だけで執り行い、静かながらも心をこめて見送れたと思っています。

京都展・東京展

神宮道のギャラリーは三回目で久しぶり。三つの部屋いっぱいに京都クラスの作品と、タペストリーの最新作三点を展示して圧巻でした。各クラスの交流も毎日のお当番で叶い、展示している作品と着ているニットから多くを学べたことでしょう。展示は3日(土・祝)まででしたが、今回は4日に同ギャラリーでフアションショーを行い、前年までのスタイルとは異なった趣で楽しいひとときとなりました。今年も数人のご主人が参加してくださり、ランチの「いもぼう・平野屋」さんまでご一緒いただき、より和やかなものとなり晴天に恵まれたことも幸いでした。ギャルリー シュマンは来春より染織家・志村ふくみさんの工房兼教室となり、過去を含めて三回の展示会は京都らしい立地に恵まれていたことを実感しました。さっそく女子美の同窓会・京都支部から学長通達で染織教室へのご案内がメールで届いています。何ごとも永遠ではない・・と思っていますが、ひとつのギャラリーの変遷に立ち会う機会ともなりました。
そして9日には東京の通常レッスン。「小さな家」の仕上げや展示する作品の最終チェックに目がまわってしまいそう。このころから少し風邪気味です。いったん京都へ帰り、東京展の荷物をつくり発送。あらためて12日(月)に上京して午後から搬入と飾り付け。フラフラでしたが夕刻、横浜の佐田さんがお花のアレンジメントを抱えて来て下さり、久しぶりの親友との再会にほっとします。青山のギャラリー5610は知る人ぞ知る著名なところ。さすがにスタッフの対応も心地よく、控室があるのも気に入りました。おまけに10月末に向かいの「郵船東京宿舎」がリニューアルして、美味しいパン屋さんとカフェ、その上奥まったところには「CICADA」というイタリアンのレストランも評判のようです。さっそく12月恒例のランチ会はそこに決定!楽しみではありませんか。東京展は5年ぶりなので、友人たちに出会えるのも嬉しいことです。また、「いきいき」を見てアカデミーに参加された方たちには、初めてのアンジュ文化祭となり、ご家族や友人の方々に日々取り組む「アンジュが目指す手仕事」をご理解いただく場になれたと思っています。いろいろな出会いがあり、「いきいき」11月発売号にも読者ページに素敵に紹介されて、新潟からのお二人を含め沢山の読者が訪ねてくださいました。「以前からファンです」と言ってくださると、長いこと続けているのだと心の底から思えますね。
ふたつの展示会は母の逝去という現実を抱えながらもアカデミーの会員やスタッフたちの心遣いに支えられて何とか過ごすことができました。京都展・東京展それぞれ意義深い催しとなりました。母の不在をまだ認めたくない気持ちが、いそがしさにまぎれて良かったのか否かわかりません。これからじわじわと忍び寄ってきそうな気がします。まだ風邪も抜けきらず体調がもうひとつですが、レッスンをしていると元気でいられるのも不思議です。紅く色づいた木々の葉を掃き集めながら、季節の移ろいも感じています。それでは喪中につき年始のご挨拶を失礼いたします。寒くなります。どうぞご自愛ください.。asako                 
2012・11・27

東京クラスの
ちいさな村

  吊り下げられた
ベストの前後を見る

今年はロングジャケットで。
母へのお花をいただきました。

フアッションショーを終えて・・

つきあたりに20作目「ケルン」のタペストリー

75軒のちいさな家たち

レンガの階段を下りたところでオマーン戦を
終えたばかりのザッケローニ監督が居て、
握手をしていただきました。
通りの南向かいにおしゃれなカフェエリア。

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18作目「プラハ」のタペストリー

右は19作目
「宙の天使たち」

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