セビリアの「ジャパンデー」にタペストリーを展示参加することを目的としたツアーに出かけました。昨年末から呼びかけていたけれど、なんだかスペインは行った人も多く、また行きたくても日程などが合わないようで申し込みが無く、これは成立しないでしょうと思っていました。ところが金曜二回クラスのI さんが「先生、一緒に行ってもいいですか?娘も・・」。お誘いしたのですからおひとりでも行かなければ。それが三人旅となりました。日通さんがフィンエアーを企画の段階で選んでくれていたので行く気になった旅です。そうとなれば二泊できるヘルシンキをとことん楽しまなくては。3月13日、ヘルシンキは想像していたとおりの雪景色。でも空は晴れ、雪は降っていません。四回目ですが冬は初めて。吹雪かもしれないと防寒を危惧していたのに拍子抜け。ホテルにチェックインして夕刻の街を歩きます。まずは前回泊まったトルニホテル(由緒ある老舗)の展望室へ。ガラス張りのカフェで温かいティーを手にヘルシンキがぐるっと見渡せる屋上でサンセットを待ちます。丁度旅立ち前にBSで放映されていた「大人の街歩き・ヘルシンキ扁」にも登場していたほどの人気スポット。遠くの煙突からの煙が真横にたなびいているのを見ても、外の風は強そうです。いよいよサンダウン。雪をのせた瓦屋根、シックな色調のたたずまいが好ましいヘルシンキに、一日を締めくくる光が巡りました。極上の夕陽を見たあとホテルの向かいに見つけた、テーブルにキャンドルスタンドが置かれているお洒落なレストランに飛び込みでディナー。地元のちょっとセレブな大人たちばかりが常連さんみたいです。トルニホテルを眺めながらの美味しいひとときを過ごし、もう日本は真夜中をまわって明けがた近く、さすが夜になって風の冷たい街を早足で戻って就寝しました。

南方面
ずっと先にはスエーデン


ヘルシンキのサンセット

シベリュウス公園のモニュメント

フィスカルスのカフェ 窓辺はアンチックショップ 

ヘルシンキの南西100kmにあるフィスカルスは、世界中から工芸アーテイストたちが集まって美しい自然の中で創作の時を刻んでいます。5年前ライラックの咲くころに東京クラスの方たちと訪れたあと、新宿のコンランショップで「フィスカルス展」が催され、そのタイミングに驚きながら、あらためて多種多様なアートに感嘆したものです。今回は冬期で一部クローズもあったけれど、オープンしていたギャラリーでは思いがけない発想に出会うなど良い刺激を受け、元工場や学校跡を甦らせた古い建物の窓から見る雪景色はいつまでも心に残る風景でした。前回は列車で出かけ、タクシーで辿り着いたのですが、今回は旅行社が手配してくれたガイドさんと、12人乗りのワゴンを運転してくれるおじいさんドライバーで5人のドライブ。大きなバッグにニットを詰めて、お正月にパリでしたように撮影です。木の枝や標識に掛けたり、苔むした幹に置いたり、深い雪に足を取られながら無人の窓辺を拝借するなど、楽しいロケも試みました。村の入り口近くには丁度落差があるため滝のような水音のする川があり、その橋を渡ったところにある懐かしい二階建のレストランでランチ。午後1時過ぎ雪のフィスカルスをあとにしてヘルシンキへ戻ります。

冬の終わり旅 T
フィンランド ヘルシンキ

ホテルに大荷物を置いて、すこし郊外にあるマリメッコの本社に行きます。アウトレットがあり、広々とした店内はプロパー(正価)のコーナーもあって、小鳥の鳴き声がBGMでながれています。世界のマリメッコとなったフアブリックメーカーは、長い冬から生み出したそこのけに明るい大柄の花柄が特徴ですが、日本では販売されていないものもあり、子ども用のスエット素材の柄がかわいくて、思わず最近おばあさんになった友人にプレゼントしたくなり求めました。わたしにはモダンな柄のマウスパッド、とても使い心地の良いものです。ここまでもおじいさんドライバーが送ってくれて「ではありがとう」とお礼を言うと、「待ってるよ」。おかげで帰り道には岩盤をくりぬいて作った「テンペリアウキオ教会」にも寄ってもらい、大幅な時間の短縮と、エネルギーの保存に助かりました。夕暮れの街に出て、中央の緑地帯が公園になっている港までの並木道「エスプラナーデ」を歩きます。フインランドを代表するアラビア・アーリッカ・ペンティックに加え、世界のブランドが軒をつらねるセレブな通りです。思わず天井の高い、古くてお洒落なカフェに入って、朝から一連ドライブの疲れをとります。その後、「ホシト」という和食レストランにもトラムに乗っていくことができ、メトロで帰るなど、たっぷり楽しんだ一日でした。


つづきますが。、5・3憲法集会の準備やウオークコンテストの委員を務めているので
 そのまとめなどをいたします。次回は5月半ばとの心づもり、ご了承ください。asako

☆4月17日付け朝日新聞「川柳欄」に載りました。
 「ヘリコプター 長き旋回 祇園空」 昨年の震災句以来三句目です。


橋の欄干にチロルのカーデ

屋根がアジロ編みのクッション

西側の旧市街

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