熊本から戻り5日には東京で4月のレッスンも終えました。今学期は午前クラスも新設したので、6時台の「のぞみ」に乗って上京です。我ながら「元気」を実感しながらの月日ですが、いつまでも心身がともに行動できることをねがっています。
さて、メキシコの旅をつづけます。トナラの街の喧騒から逃れるようにタクシーをつかまえてグアダラハラへ戻り、それぞれの部屋でシエスタ(昼の休息)、前日の長旅の疲れをとります。午後は通りの向かいにあるサンフランシスコ教会の前に並んでいる馬車に乗って市内を巡り、1時間300ペソながらかなり街はずれまで回ってくれたので市内の概要をつかむことが出来ました。夕暮れの近づく街を歩き、アルマス広場のベンチに座ってそぞろ歩く人々と、風景の一部となります。馬車で巡ったおかげで方向感覚も迷わず、行きたい所見たい所に間違いなく行けるのですが、とにかく延々と種々雑多な店が途切れません。気を惹くものはないけれど、そのエネルギッシュさには脱帽です。ホテルの近くには露天も幾つかあり、何度か通りがかる度に親子の状況が変化して、腕の中であやされていた乳飲み子が、次には露台の下でお昼寝。日陰を上手く利用していて感心してしまいます。赤道の近くですが、グアダラハラは標高1540mの高原ですから、2月ということもあったでしょうが、日中は陽ざしが強くても過ごしやすい気候でした。さあ、デイナーに出かけます。娘がチェックしていたレストランは、馬車で通りかかった時には行列していて少し並ぶのを覚悟していたものの意外とすんなり入れました。大好きなアボガド入りのチキンとレンズ豆などのたっぷり野菜にチーズがのせられたスープ。もちろんタコスと熱々のトルティーヤ添え。コロナビールで乾杯をして美味しくいただきました。

メキシコ U

翌日は世界で二番目という巨大なマーケットのリベルタ市場へ。歩きながら持参した「小さな家」をブルーに塗った壁に置いてパチリ!と撮りながらホテルから15分ほどで到着。二階建のマーケットはぎっしりと小さな店がひしめきあって、細い通路に人も右往左往。ハーブなどの店も無数にあり、雑貨や衣類、工芸品、土産物、スイーツ、果物とありとあらゆるものが、ここでも延々とつづきます。ようやく中庭のようなところへ出た!と思ったらその向こうに別棟あり!こちらはサンダルなどの皮製品が天井から滝のごとくぶら下がり、圧倒されるのですが、手に取ってみると柔らかく上質です。カラフルな日本では見かけないものを試足してみてゲット!夏に活躍してくれそうです。手描きの彩色が派手だけど美しい動物のオブジエも気になり、酉年なので小さな「にわとり」を求めました。雑然とした市場の中のオアシスのようなお店でした。市場巡りを終え、裏手にある世界遺産のオスピシオ・カバーニャスへ。なにか政治的なレセプションがあるのでしょうか、広場への道は厳戒態勢。ザックからバッグ、ブレザーのポケットまで調べられ、治安への不安が現実的なものであると実感。広場の回廊の中に大きなビーズ屋さんを見つけました。ガラスの安価なものから、サンゴやラピスラズリなど各種の石まで目移りしそうなほど・・。ジュエリー・アーティストの田部さんに創っていただこうと二種類をゲット。ぐるっと街をまわり、中心部へ向かう坂道にはウエディングや祭礼用の洋服店が並びます。競合なんて眼中になく、みんなで楽しく同業です。ランチはメキシコのスターバックス的なチェーン店で。小さな丸いテーブルがお洒落。そして美味しいカフェでした。ホテルでシエスタのあと、ふたたびアルマス広場の周辺で古色蒼然とした市役所などを巡り、前日馬車でまわった時に気になっていた街はずれの教会へ足を伸ばします。観光客もいない教会でしたが、黄色に黒で歴史上の人物を描いた二枚のステンドグラスは異色です。また見上げる円錐形の塔はフレスコ画でなく色とりどりのステンドグラスであったのも初見でした。夕暮れとなり、二日目でラストのディナーは、それこそ馬車から見た郊外のカフェレストランへ。教会からさらに西へ歩きます。アメリカ大使館があるという高級住宅地の一角にお屋敷風のレストランがあり、願ったとおりのディナータイムとなりました。食後タクシーでホテルへ戻ろうかと思っていると、娘は歩いて帰ろうと言います。異論もなく違う道を通ってホテルまで。繁華街ではマリアッチの一団がいて聴くことも出来ました。わずか3nights、丸二日滞在の旅でしたが、はるばる訪ねた甲斐のあるものとなり、これもまた「姉妹都市のタペストリー」を創りつづけているおかげです。
早朝7時にグアダラハラを飛び立ちサンフランシスコを経て成田まわりで戻りました。UNITTED航空はまたしてもサンフランシスコで2時間のdelay。いささか呆れたけれど無事でなにより、帰って3日でタペストリーの下絵が出来たのですから良いことにいたしましょう。
花冷えのつづく日々、みなさまどうぞお元気で。  asako

馬車に乗って

アルマス広場からのカテドラル

持参した小ものを通りがかりにパチリ

アボガドとチキンのスープ チーズがのっている

小さな家も青い壁にマッチ

子犬のいる窓辺

市場の靴屋さん

装飾をした家と青い空

図柄と黄色がが珍しいステンドグラス

街はずれの美しい邸宅

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アジロのバッグも
民家の窓枠でパチリ

 ☆追記
 幹線道路では赤信号になると、路側帯の植え込みに
 まるでオブジェのように突き刺してあるペットボトルを
 手にしたおじさんたちが、信号待ちをしている車のウインドウ
 清掃をしてチップをもらっていました。ソンブレロを被り、数人で
 和気あいあいの光景でしたが、仕事の無い暮らしぶりが歴然です。
 また、グアダラハラ郊外には「テキーラ」の工場もあり、その原料となる
 「リュウゼツラン(アロエのような)」が広場や街路樹の下に群生しているのも
 見かけました。

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