31日(日)ウプサラ郊外・バンドリンゲンの夏の市へ。初めてウプサラを訪ねたとき、案内してくださった懐かしい思い出のガムラ(古い)ウプサラという教会の前も通ります。毎年8月最終の土・日に開かれる市は今年30周年。たくさんの人で大賑わい。まず入ったアンチックなお店で、展示品の下に引かれている長~いレースに目がとまります。まさかと思いながら尋ねると、うなずいて3mほどのものを売っていただけました!!この旅で求めていたものについに出会えたのです。それからはゆっくりとスエーデン中から集まった有名・無名の作家たちや屋台などのテントを巡り、どれも欲しくなる困った市でした。ここは森を控え川も流れ元水車小屋があります。その水車小屋は1・2階は広々とした空間にぎっしりのアンチックショップ。3階はガラス工房とミュージアム。1階の川べりにはカフェもあり、2時間前に送り届けてくれたエイナさんのお迎えを待つ間に、もちろん一服したのです。
その後、もうすこし郊外のリンネハンマビーへ。植物のラテン名を考案した、医学を学び植物学者となったリンネ博士のサマーハウスへ向かいます。ウプサラ大学が管理する市内の植物園は良く行きますが、ここは初めて。広大な敷地に樹や花がのびのびと育っています。丁度キューレーターの解説が始まるところでラッキー!今だったらノーベル賞もののリンネ博士の人生を垣間見られるツアーでした。リンゴ園でランチ。スエーデンのリンゴは日本のように大きくはなく、小ぶりで柔らかめです。落ちているものは拾って良いとのことで幾つかおみやげにしました。最後に垣根にBAGを下げて撮影。これで家に帰ると思っていたら日差しの中で「水玉のカーディガン」を撮るために、エイナさんは遠回りをしてくれて、これも最初の冬に連れて行ってくださった西の湖畔へ。その時はカフェも開いていた古い館でパチリ。大満足の一日はまだ終わらず、夜は待ちかねていたアンデシュ一家とディナーです。奥さんのアネリさんとも初対面。11歳のケビン、9歳のロビンの可愛いこと。アンデシュ君もすっかりたくましいパパになっていて感激。メインのザリガニ料理と、デザートは昨夜焼いていた美代子さんが森で摘んだブルーベリーのパイ、美味しく嬉しい夏の終わりの宵でした。

9月1日(月)13時過ぎ、お二人に送られて17℃のアーランダ空港を飛び立ち、16℃のヘルシンキ・ヴァンター空港を経由して、2日朝まだ真夏の関空へ帰りました。
今回のスエーデンへの旅は「極上のバカンス」と名付けたタイトルのように、快適で超のつく楽しいものでした。もちろん迎えてくれる友人が居てくれて、その上、夏だからこそオープンしているお店やミュージアムがあり、また週末に開催の限定マーケットにも幾つか行くことが出来ました。しかし、街のあちこちで見かけたルーマニアやブルガリアからの移民の一部のひとたちが、ホームレスとなって物乞いをしていたり、高福祉と言われるけれど、ここ数年は減税により福祉がおろそかにされていることが9月初旬に行われた選挙の争点だそうです。どの国も問題山積ですね。
古希も手の届くこの年で、気の合う同世代の友人と過ごせた幸せを噛みしめながら、元気に暮らしてウプサラへの旅をまたいつか実現させたいと心から思っているところです。   2014・10・14 asako

アンデス・ソーンの
野外ミュージアムで

ウプサラコンサートホール

極上のバカンス Ⅳ

8月29日(金)、この日はウプサラへ帰ります。お二人は手慣れた様子で帰り支度。ガーデンの片隅にある畑から赤かぶを抜いたり、温室ではトマトを採取。私はすこし問題のある自動芝刈り機を充電器に戻したり(この芝刈り機はウプサラからパソコンで指示をしている)、落ちているリンゴを拾ったり。またいつかとサマーハウスに別れを告げて、いつも美代子さんがお孫さんたちを連れていくという湖畔へ。ブルーの水玉カーディガンの撮影が残っています。水際に着くと空は曇り、絶好の撮影日和とはいきません。それでも打ち上げられた古いカヌーで「編み針ケース」をパチリ。桟橋の板に一枚ずつ名前が彫られていて、建設に協力のカンパをされた方々のものとのことです。お二人もあと数年早く建設前にダーラナへ来ていれば、彫ってもらえたのにと残念そう。自然に対する愛着が感じられるメモリアルなものでした。エイナさんはもう一度丘を登ってくださり、アンカルクローナの住居跡と奇跡のお花畑を再訪です。再びほれぼれとワイルドフラワーを眺めていると、四駆が止まりダーラナのメディアが取材を開始。やっぱり必見の場所だったのですね。帰り道はあちこちショップやミュージアムを回るというのでワクワクしてしまいます。

滞在中に編み上げたBAG

中袋の布はエイナさんの古いお洒落な
シャツ地をいただき、リボンはモーラで
見つけたもの・・

ウプサラへの帰り道に出会った虹

9月1日の朝、楽しかった日々に「ありがとう」と
快晴の空に向かってお礼を言ってるところです

リンネのサマーハウスにて

奥の建物は学校

リンネ植物園

美代子さんが麦藁帽子を買ったのはイケメン2人のお店

橋のたもとのマーケット

バンドリンゲンにて

ウプサラ川のハンギング

レクサンドの街で 図書館の向いの三階建て

湖畔の桟橋はメモリアルブリッジ

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美代子さん丹精の貴船菊がもう咲いていました

おしゃれな母子

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大型台風に直撃されました。みなさまお住まいの辺りはいかがでしたか?
京都は風が少し強かったくらいで済みました。これから11月の東京展へ
向けて制作に専念いたします。次回は先になりますがご了承ください。
東京周辺の方はぜひ南青山のギャラリーへお出かけください。
期間中在廊しています。いつもご視聴ありがたく、お礼申し上げます。A


3mの素敵なレース

温室のトマトたち

カフェレストランでランチバイキング

レクサンドのヘムスロイドミュージアムにて

自動芝刈り機

水玉のカーディガン三風景

まずはレクサンドのヘムスロイド。美代子さんのウォルドルフ人形がおいてある手工芸のお店です。2階には奥まった所に小さなミュージアム。ダーラナ地方の手仕事が美しく展示されていて、花柄木綿の鮮やかな色彩やモノクロや赤と白で織られたリボンテープの数々に魅せられます。隣の図書館ではやはりダーラナの伝統工芸が夏の展示会として開催されていました。壁面には大量の水彩画。退色していながらも絵画で人生を「誕生から終焉」までユーモラスに描いたり、教会のステンドグラスと同様に、文字が普及していない時代に知識を得る手段であったことがわかります。
ランチはパンが美味しいという広場近くのカフエレストランへ。観光客より地元の人々が多いレクサンドの愛すべきたまり場のようです。本日のスープと自分でカットするパンで満腹! 今回の旅でぜひ探したいレースのカーテン地(アンティーク)を求めてちいさなレクサンドの町はずれにある骨董屋さんへ行きます。とっても風情があり興味深いものの、目当てのものは見当たらず、では次!と美代子さんには心づもりがありそう。幹線道路際の大きなアンティーク屋を幾つか覗き、まるで倉庫のような巨大なアンチックショップで、幅広の趣きのある柄の可愛いレースのカーテン地を求めました。その後画家アンデス・ソーンが生涯に60軒集めた古民家の野外ミュージアムと併設されている、ソーン夫人が収集したスエーデンの伝統ある手芸品ミュージアムを訪れます。ここは圧巻、野外もミュージアムも感激の空間です。特に手仕事の優しさに心が揺さぶられました。いつも2人で長時間過ごしても、エイナさんは車の中で分厚い本を読みながら静かに待っていてくださいます。ありがたいことです。さあ、また3時間かけてウプサラへ。途中で虹を見かけ、今度は車を止めて撮影成功です。
無事ウプサラ郊外へたどり着き、美代子さんはスーパーで買い物、わたしは頼まれて併設の郵便局で局留め(宅配はなく小包郵便物は出向かなければならない)を受け取るお手伝い。帰宅して夕食の準備をする美代子さんのそばでBAGを編みます。リビングのソファからは西窓には夕暮れの丘が見えますし、すこし開けた南のドア越しには花が咲き乱れ、小鳥のさえずりも・・。至福の時間ですね。

30日(土)は美代子さんと二人でウプサラ散歩。駅の東側はコンサートホールも出現していて様変わりしています。アンデシュ君の通っていたスコーラン(学校)はそのままで、学校前の広場にはにぎやかなマーケット。10年以上前、ひとりでウプサラを訪れた際、この広場にポツンと店を出していたお兄さんから一枚のアンティークなレースを買いました。どこにもないお洒落な細長のレースは自分のアトリエのドアに掛け、とっても気に入っていたのですが、ネットに入れ気をつけて洗濯しても穴が開くようになり、代わりを探しているのです。しかしその時に比べれば多すぎるほど店が出ているのに目当てのものはありません。駅を横切り旧市内に入って、リンネ植物園やウプサラ川沿いの店をひやかし、大聖堂下の花屋さんで「ナナカマドのリース」をゲット。クリスマスの頃にアンジュのドアに飾りましょう。川に掛かる橋のたもとでは自家菜園からの産物を持ち寄ったマーケット。私はブルーベリーのジャムを、美代子さんは新鮮なハーブなどを買いました。ランチはリンネ植物園に戻って、角のレストランで美味なるシーフードスープ。バスで家へ戻り、この夕べはBAGを仕上げます。明日はもうウプサラ滞在最終日ですから、完成させてどこかで写真を撮りたいものです。

元水車小屋

ウプサラ旧市内

リンネのお芝居の宣伝隊?

夏の市の入口付近

水車小屋のカフェでFICA(お茶)

美代子さん(元教師)とエイナさん(ITエンジニア)のリンダール夫妻
      リンネのサマーハウス内にあるリンゴ園にてランチ

サマーハウスの窓辺