暑い毎日です。ただ今9都市目のタペストリー「メキシコ・グアダラハラ」を制作中です。なかなか予定どおりに捗らず、撮影のことを考えると猶予もありません。ホームページの更新も進まず大変遅くなりました。まだフィレンツェから出られずにいます。次回も先になりますが、向暑の折、お元気でお過ごしください。      asako 2015・7・24


☆なお今回より写真の協力にSATAKEさんが加わってくださいます。≪S≫のサインをどうぞよろしく。

≪S≫

≪H≫

≪アレッソ バルドビネッティー の受胎告知≫

大天使ガブリエルがマリアへ馳せ参じる様子が、色彩と共に、
数ある「受胎告知」の中でも特に気に入り「タペストリー」にも
編み込んでいます。

初夏の旅 Ⅱ

5時ジャスト約束の時間にホテルのロビーに帰りました。日通のUさんがオペラハウスでの展示OK!と嬉しい報告。現地の旅行社と連絡をし続けてくださったおかげです。では準備に向かいましょう。オペラハウスはサンタ・マリア・ノヴェッラ駅から市電でひと駅目のプラート門にあり、市電はホテルの前を通るのですが、駅まで行く間に行けてしまいそうな微妙な距離感です。4人で歩いて行くことにして、日本から持参した「貼れパネ」はO先生が運んでくださいます。15分足らずで到着。まだひと影はありません。会場の責任者マルコさんが太ったお腹を揺らしながら、適切な小道具を調達してくれて、あっというまに終了。いったんアシスタントとホテルに戻り着替えをします。その途中のプラート門前にあるカフェに立ち寄り、つなぎの軽食用に焼きたてのクロワッサンをゲット!7時ロビーに集合したみなさんは、半日それぞれの観光で満足された様子。ちょっとお洒落をしてオペラハウスまで歩きます。

橋を渡りアルノ川の下流に向かって左岸のサン・ジャコボ通りを歩きはじめてすぐ、一行は右手の雑貨店へ吸い込まれました。ベッキオ橋でご縁のない貴金属に圧倒されたので、静かな店内に日本の方がひとりで応対してくれるのも安心です。紙をバスケットのように編み上げた小もの入れに全員がお土産候補と選びました。〔I] さんが2軒となりの眼鏡屋へ入って数分で、大き目のまあるい紺縁の老眼鏡を買いました。良く似合います。
少しつかれたので、前回も気に入っていた蔦のからむビルのある小さな広場には、ジェラート屋もあってひと休み。
次は旅本にある クエッレ トレ「あの三人」という三姉妹の経営する洋装店。近道をとジェラート屋脇の細道を上がると、目の前にピッティー宮!!地図を見るとまだお店とは距離があります。私とアシスタントは時間切れ。みなさんにはぜひピッティー宮見学もおすすめして解散。その後三人は「三人娘のお店」に無事行けたようです。

フィレンツェ

オペラハウス

式典の行われたベッキオ宮の1Fにあるツーリストデスクで全員「フィレンツェ・カード」を求めます。3日間有効のものしかありませんが、その便利さは前回立証済み、たとえ2日とはいえ持っていて損はありません。旅に出る前「とっておきのフィレンツェ・・」という旅本を見つけてくれた〔I〕さんのおかげで、今回のランチは図書館へ? 大聖堂の裏手を歩くと観光客の姿も少なくなり、街の表情が見えてきます。地図を片手に小さなカフェで道を尋ねると、ちょうどそちらの方へ行くからと、アルバイトをしていた若いレディーが案内をしてくれました。13世紀には修道院だったという「フィレンツェ市立オブラーテ図書館」。前庭に回廊、アーチを描く天井に見とれながらエレベーターで3階に上がれば・・、そこは屋根のあるオープンテラスとなっていて、何よりドゥオーモの丸い屋根(クーポラ)が間近に見えるのです。大聖堂の裏手なのですね。ここでは学生たちが思い思いに椅子に座って本を広げていますが、カフェも併設されているので食事もできます。3階まで届く中庭の白い大きな花をつけた「泰山木」を眺めながら総勢9名は、美味しいけれど量も半端でないグリーンパスタで、風に吹かれながらランチタイムを至福に過ごしました。
ここで再解散。夜のスケジュールまで思い思いに歩くことにします。

オペラハウス ロビーにて

さあフィレンツェで欠かせない、いつも観光客でごったがえしているベッキオ橋へと行きましょう。アルノ川に掛かった一番目の橋ですが、、一番川幅の狭いところだったから、12世紀にはとにかく簡単なものだったでしょう。徐々に形を整えて現在のようなものになったのは15世紀のこと。当時は橋の両側に食肉屋が並んでいたのですが、16世紀の終わりにヘルディナンド1世が臭いのきつさを嫌って立ち退かせ、宝石商に替えさせたとのこと。以後きらびやかな一帯となりました。上流側に並ぶ店舗の上にはベッキオ宮から雨に濡れずに対岸にあるピッティ宮へ行ける王室専用の回廊となり、その両壁は絵画が飾られるギャラリーのようです。

私たち5人は同じ本に載っていた「グレゴリオ聖歌の流れる文具店」を目指してGO!6月のフイレンツエは暑いし日差しも強いけれど歩きました。結局ドゥオーモの横手に探していた住所を見つけたのに、最早クローズの様子でがっくり。2012年発行で14年に「再発行」なのに・・。気を取り直していざ「ウッフィツィ美術館」へまいります。行列に圧倒されても「フィレンツェカード」の威力で優先入場。ウッフィツィとは役所の意味で、コジモ1世がシエナ征服のあと、ヴァザーリに命じて作らせた総合的行政機関であったとのこと。その後フランチェスコ1世はコジモの跡を継いだのですが、上階をメデイチ家所有の美術作品を収めるギャラリーとしました。おかげでボッティチェッリの「春 プリマベーラ」や「ヴィーナスの誕生」、ダビンチの「受胎告知」、ラファエッロの「ひわの聖母」などが間近に観ることの出来る、世界屈指の美の殿堂です。回廊の天井に描かれたフレスコ画も見とれるほどのものですし、いつも緑色のアルノ川の向こう岸に広がる、トスカーナ地方らしい糸杉のある光景も歩きつかれた目に優しいものです。

左岸の雑貨店からベッキオ橋を眺める

ウフィッツィ美術館

ポンテベッキオ

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≪S≫

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ドゥオーモ周辺

屋上のカフェテリア

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元修道院であった図書館

8時開演「姉妹都市50周年提携記念コンサート」は京都市交響楽団によるものです。10ユーロの席は最上階に近くて、A席とはくらべものになりませんけれど、雰囲気は充分に味わえました。幕間にロビーに下りると、タペストリーのまわりが賑わっていて、高齢のおばあさま方から「ベリッシモ!」を連発されて嬉しいことでした。クロアチアのザグレブと、ウクライナのキエフでも展示をしましたが、どこでも姉妹都市の市民の方々とふれあう時間が何ものにも変えられず、そのために制作をしているようなものかも知れません。もう10時半、ツアーのみなさんにはここで戻って休まれるよう見送りました。幕間には京都市長さんも観に来てくださり、午前中の式典でご挨拶以来の再会です。
結局終演は11時40分、これがヨーロピアンスタイルなのですね。もう夕食に出かけられるレストランも無く、クロワッサンひとつでは持ちもせず、少々あわててロビーをさまようと、片隅にカフェテリアがクローズ中。思わず「ハングリー」とつぶやくと、何がいい?とロールパンのようなものに、ハムやレタスにチーズを挟んで作ってくれた上、ピーナッツやクッキーなど余り物も紙皿に載せてくれて、冷たいドリンク類も4人分揃いました。タペストリー撤去後に、オペラハウスの前庭に広がる芝生に座って乾杯!およそ1m角で6枚のパネルを頭上に掲げて持ち帰ってくださったO先生には感謝の言葉もありません。タペストリー「フィレンツェ」制作をサポートいただいたFさん、展示の実現を果たしてくれたUさん、一緒に同行して助けてくれたアシスタント、ツアーに参加されたみなさんにも、深く深くお礼のひと夜となりました。  つづく

ジェラート屋はこの広場の右手

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市立オブラーテ図書館から・・