3月のレッスンで上京した折、帰りの新幹線でいつも手に取る「ひととき」の特集は、『リーチ先生の愛した出雲』。まったくどうして?と思うほど目的に向かってあらゆることがサポート体制を整えてくれているようです。原田マハさんの新刊『リーチ先生』を読みだしたところですし、日本を愛したイギリス人の陶芸家、バーナード・リーチさんと出雲は興味深い!日本各地の陶芸の里を巡り歩いたリーチ先生が、立ち寄った窯元も訪れたいものですが、地図に描かれた「出雲民藝館」に目がとまり、行ってみたい所が」追加されました。
東京・駒場にある「日本民芸館」ほど、若い頃から足しげく通ったミュージアムはありません。柳宗悦という稀有な人物により、明治時代に蒔かれた民芸の種は、大正・昭和をまたぎ、日本各地で細々と日常の器や木工作りに携わる人々をアートの世界に導きました。
同時代に生きた高村光太郎、富本憲吉、益子の濱田庄司が活躍し そして河井寛次郎、と舩木研兒は出雲の出身です。
9人乗りのジャンボタクシーに5人で乗って、快適なドライブは畑道を辿り、満開をすこし過ぎた椿畑のある駐車場へ着きました。長~い板塀の小道を曲がると・・・、まだ長塀が両側に続くその先に立派な屋敷門。パンフレットには築200年を誇る、出雲地方きっての豪農・山本家の主が、民芸運動の趣旨に賛同し、米俵3000俵の入る米蔵を民芸館として提供されたと書いてあります。昭和49年のことです。
ガラガラと引き戸を開けると、天井の高い館内には、陶芸家であった『舩木研兒展』が折よく開催中。壁には藍染が展示され、大きな甕も見事です。中二階から見渡せる、出雲地方の手仕事が一覧出来る至福の空間!
庭先の母屋も平屋でありながら東西に広がりを持ち堂々としていて、現在も生活されているなんて、維持の努力に敬服です。農工具などの展示されている西館わきの草むらにはつくしの大群!その向かいにある縁側を上がると売店。お洒落な陶器やガラスなど、つい求めてしまいましたが、松江にあるセレクトショップの企画と聞き、そのセンスに納得です。
では、「ひととき」に載っていた『出西窯』へと思っていると、ドライバーさんが調べてくれていて、今日はお休みですって。仕方ないですね。もう一つのMさんお勧めの『湯町窯』へ行きましょう。

出雲・松江の旅 Ⅰ

走っていると、ドライバーさんが何か言ってます。「この先に出雲市長の公邸だったところに蔵があってカフェになっていて、2階で和服のリフォームもやってる・・・」.。「そこ行きましょ、行ってください!」ということで、大きなお屋敷をぐるっと回って、とても観光バスでは通れない道を行くと、「蔵カフェ おもいで屋」。お屋敷の北側にあり、入口のある南にはテラスも。ドライバーさんも誘って中へ入ります。大きなお蔵ですから吹き抜け天井、中2階への階段が何やら楽しそう。出雲の匠たちの作品も展示するギャラリーのようであり、デザイナーのアベさん(カフェのオーナーでもある?)がレトロな想い出の着物などから美しく洗練されたドレスにリフォームされるようです。
「しばしお待ちを」と言って、仕事中だったアトリエを片付けてくださったので、わが一行は未知への探検へ。片隅にはミシンが置かれ、蘇った作品がぎっしり。この6月に松江城内にある洋館・興雲閣において「レトロ モード ショー」が開かれるご準備中だったのですね。カフェもおいそがしいのに、ひとつひとつ説明をしてくださり、その垢ぬけたお洒落さに惹きつけられました。思わず牡丹色の縁取りのあるミニワンピースを購入!
ようやくティータイムとなれば、フランスの紅茶屋さん、アンジュ御用達マリアージュのマルコポーロもあって、親近感も湧いてしまいます。ドライバーさんのお陰で、素敵なマダムのいるカフエxにも寄れました。その上、松江へ向かうのに出西窯(奥さまは藍染をされる)の方へ回ってくださるそうです。休日なのでご門前だけでもという思いを、この半日でくみ取っていただけたようです。静かな農村風景の中に溶け込むような窯元へは、リーチ先生も訪れたと考えると感慨深いものがあります。またいつか訪ねましょう。
さて、今宵の宿のある「玉造温泉」方面へ走っていると宍道湖!シジミの獲れる湖は広い!どこかで夕景にも出会いたいものです
湯町窯は取っての付いた「エッグベーーカー」が有名。その取っ手の付け方を先代はリーチ先生から手ほどきを受けたのです。ひとつ購入しましたら、先日通りがかった河原町通りの民芸店の表に、「湯町窯 エッグベーカー」が売られていました・・。なんてこと!
ホテルにチェックインにはまだ早いので、松江市内を周ります。お城の堀端を行けば、小泉八雲の旧宅もありますし、城下町の風情って良いですね。夕刻6時に玉造温泉へ送り届けていただき、温泉を楽しみ、向かいの山に沈みゆく夕日も眺められて幸せな一日でした。  つづく      
2017・4・28 asako 

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今回で旅は終わり、と考えていたのですが、書き始めたらこんなこと。もう時間が無く、次はなるべく早く最終日といたしますので、しばしお待ちください。皆さまどうぞ良い連休を!

広島から中々出発出来ませんでしたが、少し仕事が片付いたので続きへと進みます。
3月28日(火)朝7時15分、チェックアウトをして徒歩でバスセンターへ向かいます。馴染んできた界隈を斜めに歩けば、袋町公園の桜は蕾が膨らみかけていて、濃いピンクの満開はカシューナッツですって!数日前、田部さんと覗いた「マリメッコ」の広島店はまだ眠っています。その近くの2階に小さなレースのお店を見つけましたから、次回訪れたいもの。本通り商店街に近いところで地下に降りると、そこはアストラムラインの本通り駅。
コンコースで確認しておいた「スターバックス」に立ち寄り、各自朝食用のドリンクを調達。昨夜「広島焼き」を食べに行く前に、福屋デパートの地下にある「アンデルセン」でそれぞれ美味しいパンもゲットしておいたので、これで完璧。
ホテルのモーニングは7時からということで、時間も押してくると思い、このようなことにいたしました。8時ジャスト発、出雲市駅行きに乗車していざ出雲へ!
車窓を眺めながらの朝食っていいですね。やはり昨夜求めておいた甘そうな苺も洗っておいたので、デザートに配ります。中国山脈を越えるのですから、標高の高いところではまだ残雪もあり、桜もほころびかけていた広島とは気温が違うのですね。11時前、晴天だった広島とは打って変わって山陰は、やはり予報どおり小雨の出雲へ到着!お迎えのジャンボタクシーの運転手さん、2日間どうぞよろしく!

松の古木もある立派なお庭の向こうに田んぼが広がり、見事さに見とれ振り向けば、床の間には桜の枝が活けられ『花の記憶』という一対の掛け軸のような作品が・・。その前で記念撮影をさせていただきました。
この部屋に移る頃、もうお一人Mさんがご紹介くださった松江の有田さんが合流。「あしぶえ」という劇団を運営されていて、衣装のことなどで八幡垣さんとも旧知の仲。今回、わが一行の訪問の橋渡しをしてくださいました。何度かお便りやメールのやり取りをしていたことや、なんと多分1回目の瓢箪堂さんでの展示会でアンジュのベストを求めてくださっているという奇遇さです。Mさんから「貴女!石井さんのベスト持ってるでしょ!」と言われ、びっくりしたそう。広島出身でMさんとも長いお付き合いのようです。
その後一行は奥のカフェでお茶をいただきます。椿の花を模した上用のお饅頭とお抹茶。お盆に古布を敷いたおもてなしにも心が惹かれます。もちろんアクセサリーやオリジナルのカードなどのお買い物タイムも楽しみました。八幡垣さん、アシストされているお嬢さん、丁寧なご説明をしてくださった学芸員の方々、皆さんありがとうございました。またいつか・・と全員が感激・感動して再訪を心に誓っています。
有田さんはお仕事があるので、明日の再会を約束して一旦お別れ。でも「出雲そば」のお店を教えてくださることも忘れません。頃合いのランチタイムとなり、グルメの5人は美味しいお蕎麦を求めてGO!

<祈り>     出雲キルト美術館提供

舩木研兒作

つくし畑

まずは「出雲キルト美術館」へ行きましょう。今回の旅は、展示会の延長で憧れの出雲地方を巡りたく、その旨を田部さん経由で聞かれた瓢箪堂のMさんが、あちこちお勧め処をアドバイスしてくださって旅程が決まりました。駅から出雲空港方面に田園風景の中を20分ほど走ると、右手に築地松に囲まれた旧家に到着です。
この訪問を受け取ってくださった館主でありキルト作家である八幡垣睦子さんから、旅の前に作品を収めた図録が送られてきたので、美術館のたたずまいと、静かでいて力強い和の趣きある手仕事の世界を楽しみにしていました。
旧家にお邪魔するかのように玄関の間を上がると・・、紫の木蓮の枝が活けられた甕を従え、『こもれび』という作品が出迎えてくれます。どの部屋も明かりを落とした静寂の中で、その場に不可欠の存在のように作品が展示されていることに驚き、異空間でのアートに出会える非日常の喜びを感じました。
中庭には無数の糸を放射状に張ったインスタレーションも意表をつく設えです。広いお屋敷の間取りも飽きさせぬ工夫がなされ、長い廊下を曲がると、西の間に座していらしたのは八幡垣さん。はじめてのお目文字です。ひと際洒脱な『天女の髪飾り』というお作品を背に静かに私たち一行を出迎えてくださいました。アトリエはまた離れたところにあると伺っていたので、お会い出来て嬉しい!発想を得てから布を選び制作まで、この出雲に暮らされているからこその時間も織り込められている、そのようなことが伝わるお話しを伺いながら南の間に移ります。

おもひで屋

出雲キルト美術館

有田さん、八幡垣さんとご一緒に

出雲民芸館

シルクのワンピース

季節ごとに企画展
今季は6月13日まで