6月2日、これこそラストの訪問となるジベルニー近郊のジャクリーヌ・ゴヴァンさんを訪ねます。サン・ラザール駅から郊外電車で1時間ほどですが、乗った途端、パリの手前の駅でアクシデントがあり遅れるとのこと。列車から降りるひともいる中で、「仕方ないね」とのんびりしていたら30分遅れで発車。ジャクリーヌさんの娘のロールに連絡をしたので、ベルノンへの到着が遅れることは伝わりました。
ベルノン駅で下車するジベルニー村は、画家モネのアトリエのあるところです。大勢の観光客が降り立ちます。立派な駅舎ができたけれど、ホームから脇の道へは柵なしで出られるところは田舎のまま。里美さんが「今着いた!」と電話をすると、ロールの車がやって来たところでした。
私と同じ年のジャクリーヌさんは、数年前からP病を患って、少し体が不自由、でもこの度の来訪をサポートしてくれたロールとパリ郊外・MOEUX(ムー)から一緒にきてくれた孫のルーシーと一緒で幸せそうでした。河沿いのレストランでランチにします。その後、田舎道をドライブしていてフリーマーケットに出くわしたりしながら「フォンティーヌ・スー・ジュイ」へ。
何度も泊めていただいた小さな村の、四つ角に建つ元旅籠をリニューアルしたジャクリーヌ邸は変わりません。近頃は便利で「グーグルマップ」で見ることもできますが、やはり空の色や風のそよぎは行って見なければ伝わりません。
懐かしいガーデン。ご主人のフランク氏もいて、今はダブリンで暮らしているエリックもまだ建築科の学生で、リンゴの樹の下でランチをいただいたことも楽しい想い出です。
そのリンゴの樹の大きくなったこと!モモの樹も採るひとがいなくてみんな鳥たちが食べてくれるそう。二階のアトリエも懐かしい。ロールのウエデイングドレスの仮縫い中を見せてもらったこともありました。もう繊細な刺繍をする力も失せてしまったジャクリーヌに慰める言葉もありません。
ロールが焼いてイチゴを飾ったチョコレートケーキをいただき、セーターも撮らせていただいて、またベルノンまで送ってもらって「さようなら、元気でねジャクリーヌ」。

帰りの列車も立ち往生します。いずこの国もトラブルの多いことだと思いながらパリに戻り、モンマルトルの坂道で、オーガニックの食料品店や、「連れて来たかった」という本当に小さな、でもレベルの高い毛糸屋さんにも立ち寄りながらアパルトマンに帰りました
このあと7月から約一か月、次の本の取材ためにアマゾンへ行って、そのあと中国から招かれて北京へ行くという多忙の里美さんに、つき合ってもらった四泊五日。私のパリはやっぱり素敵でした。

 asako  2019・9・27

5月31日(金) 普段から必要以外あまり外出しない里美さんとパリぶらが出来るなんて超嬉しいことです。「ボン・マルシェ」から次の目的地、ランチの「とらや」へ向かうため、ラスパイユ大通りのバス停までに立ち寄ったのは和菓子やさん。一か月前にOPENですから、まだ出来立てのホヤホヤ。ウインドーに置かれた花柄の風呂敷包みに惹かれたわけです。せっかくなので大福のようなものを二つ、ディナーのあとのお楽しみです。
バスはコンコルド橋を渡って広場で下車。番地を見ながら里美さんでも通りがかりのひとに確認。こわれたスマホを持ってた配送のお兄さんが画面を見て「あっちだ!」とにっこり。サントノレ通りをちょっと入ったところに暖簾の下がったお店を発見。落ち着いた店内です。さっそく「ちらし弁当」をオーダー。日本のひとやフランスのひとたちに、観光や在住のチャイナのひとたちもいて、なんだか不思議な空間でした。
さて、高級ブテイックの並ぶサントノレは、まったくご縁の無い所で、フランス在住の私の友人たちも誰ひとりブランドBAGを持っていないのです。そのような共通点も友情が長つづきの理由かもしれません。だから二人で「わあ!ヴィトン!」などと言いながら素通りしてパレ・ロワイヤルへ。ここで持参ベストの写真を撮ります。細長い緑の公園を囲む貴族たちの館は、ブテイックやギャラリー、カフェと様変わりしても、木陰のベンチでのんびり過ごす人々は相変わらずで、憩いの場所は今も健在のようです。

アレンジメントはモザイクの花瓶に活けられ・・

カトリーヌさんのアトリエ
ピンナップされているのは京都から送った封筒。
昨年一月の来訪時からそのままなので、筆ペンの宛先と
切手がよほど気に入られているらしくパチリ。

4日ともデイナーは里美さんのお手製!美味しくてヘルシー!

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初夏のフランス旅 Ⅴ

夕暮れ時のモンマルトルの丘からパリ市内を・・

サクレクール寺院前のテラスにて。

30年以上も前に引き合わせた
私の大切な友人たち。
イブさんもいつまでも優しい!

築100年のアパルトマン一階にあるカトリーヌ邸。
南に面した3部屋を壁なしのリビングに。

6月1日(土)「ランチにいらっしゃい!」というカトリーヌさんの家に招かれたので、テーブルの上の素敵なスイトピーを売っている近くの花屋さんにミニクーパーで立ち寄り、アレンジメントを創ってもらいました。ついでに藍色のサマーカーデを着た里美さんの撮影も店の表でさせていただき「うーん、良い写真」が撮れました。
バンブのノミの市にも近いカトリーヌ邸は、メトロや市電をを乗り継いでも遠くて、今回はパスと思っていたのですが、「そういう訳にもいかない」と里美さんが連絡してくれていたのです。里美さんより4歳上の私を気遣って「車で行こう!」となりました。日本からのお土産がなく、お花にしたおかげで、お洒落な花屋さんも知りました。素敵なカトリーヌ邸でのランチなどは写真でご紹介。
モンマルトルの坂の途中

ラデイッシュの前菜。
クスクスとラビオリに、
ムール貝のランチ!!

元旅籠のジャクリーヌ邸

パレ・ロワイヤルの昼下がり

MUSEという花屋さん

パリ『とらや』の店内と「ちらし丼セット」

『MOCH I』という店名の和菓子やさん

若い男性カップルがオーナー。
オーガニックなカフェ・CLAUS

もうひとつ行きたかったパッサージュへ里美さんが案内してくれます。パリ市内のあちこちに点在するパッサージュは、古き良き時代がそのまま残る見上げるようなガラスの天蓋に覆われた、ほぼ二階建て商店街。シャッターの下りたところもあるけれど、代替わりしながら夢を売る小さなお店の連なるロケーションは、気品があって永遠の憧れスポット。
幾つか通りすがりに入り込んだことはあるけれど、案内してくれたギャルリー・ベロ・ドダは静かで魅力的なパッサージュでした。どこかでお茶にしようと、出たところに見つけたさっぱりとしたお洒落なカフェでひと休み。パリの時間が流れます。
この日はここまで、バスを乗り継いでアパルトマンへ帰り、夕食の準備をする里美さんと話をしながら、フランス窓を開けてソファで編みものをする幸せ!
この夜はディナーのあと「散歩をしようか?」と誘われて庭に出ます。丘の上の最高級のアパルトマンも、時代なのか富裕層の次世代が暮らすようになり、その友人たちが芝生の上でワインを楽しんでいたりします。初めて庭の奥まったところに連れて行ってもらいました。ここから見たことの無いパリの街を見下ろします。
コンシェルジュのいる玄関を出てモンマルトルをひと回り。モジリアニのアトリエやら由緒深い界隈ですが、一度も通ったことのない細道を行くと居心地の良さそうな公園に出て、周辺に住むひとたちがまだ明るい夕暮れどきを楽しんでいます。里美さんがモンパルナスから移られてもう20年というのに、まだまだ知らないパリに感動の宵でした。

10月となり、ようやく変換ミスなどの訂正を
終えました。箱根展も迫り、荷物の発送など
準備をしています。秋になっている箱根の山で、
展示会に来られる皆さまと、「やまぼうし」さんで
お目に掛かれるのが楽しみです。
次回の更新は11月も半ばを過ぎてからと
予告させていただいて失礼いたします。
夏のお疲れがでませぬように。

2019・10・01

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