話は変わりますが、8月末、県外への旅も自粛せねばならず、夏休みらしい旅が不可能であればと思いがけず観劇に出かけました。府立文化芸術会館で催されたのは、佐々木蔵之介主演の「君子無朋 くんしともなし」。大清帝国の時代に独裁者として13年君臨した雍正帝の物語。舞台鑑賞など何年ぶりでしょう。佐々木酒造の二男坊さんは京都らしさを醸し出す俳優となり、「チーム申(さる)」を率いてもいます。シンプルな舞台装置に男性ばかり五人の登場人物。帝王となったとたん鍵の掛かる木箱に地方の役人へ文書攻めの日々、今でいうクロネコ便が早走りをして、息つくひまなく無理難題を突きつけます。広大な地と民の上に立ち、一瞬の気のゆるみも許されない究極の地位にいて友も要らないと豪語する皇帝。壮絶な人生ではあったけれど、その政治はのちに実を結ぶものが多々あったというお話です。
舞台装置とともに衣装もシンプルでお洒落でした。ちいさな会館で観客も限られていましたが、最後は涙が出るほどてスタンディングオベーション。良いものを観ました。しかしその数日後、蔵之介さんがコロナ陽性となり、千秋楽の昼夜公演が中止。なんとも残念な幕切れでした。そして友のいなかったスガさんの末路も悲惨なもの。雍正帝のように過労死で命を落とすほど激務を体験したことがあったかも疑問です。勘違いの一年ほど国民につらいものはありません。
 
友ありて 目の泳がぬ 人求む (総裁選・今の心境) 

あれこれ考えさせられる夏でした。まだ暑さも残ります。ご自愛ください。 

 asako 2021・9・7

北神苑のススキとオミナエシ

夏のご褒美のような
♡マークが嬉しいラテ!

京都市役所の百日紅、2017年から始まった改修工事が
終わり、高塀が取り払われたところ

秋を探して

城南宮にて

南神苑 掘割のカキツバタと右手の萩

炎暑と思えば大雨も降る中、コロナ禍で強引に始まったオリパラがようやく終わりました。なんともヘンテコな夏であったことは間違いありません。
9月に入り暑さに喘いでいた京都も陽ざしがやわらぎ、少ししのぎやすくなりました。

皆さまお変わりありませんか。8月末からプチ夏休みを過ごしていて、それでも夏糸と冬糸の入れ替えや、秋冬糸を組み合わせて新しい糸玉づくりをしたり、アトリエの模様替えなど結構汗を流していました。そこで最後の一日である6日に、気分転換を兼ねて秋を探しながらあちこち歩いて来たご報告です。

南神苑の百日紅(さるすべり)

京都の南にある「城南宮」へは初めての訪問です。オミナエシやキキョウが咲き始めたというニュースに誘われました。城南宮の宮水は遠く若狭から地下水脈が流れ着き、奈良・二月堂のお水取りにもご縁があると聞いています。手水(ちょうず)で手指を清め、アルコール洗浄でなく清々しいものでした。本殿にお参りし、まずは北神苑を散策します。良く話に聞いていた「しだれ梅」と「しだれ桜」の多いこと!満開の風情を想像すると人出も相当なものと推察されます。春の人出とは無縁の抜けるような青空を見上げ、秋の花が彩る美しい庭園の独り占めはコロナ禍なればこそ?
南神苑(城南離宮)は一段と静寂に包まれ、緑の芝生の築山にトンボが滑空。掘割りのカキツバタと小道をはさんで群れ咲くハギはピンクや白が入り交じり、黄色いモンシロチョウも遊んでいます。一番の目的は「百日紅」、もちろん池の端に咲いていますからパチリ!
晩夏に似合う花だと思っていて、この日は京都市内の百日紅を撮ることも目的の一つです。丁度我が家の手入れに来られた植木屋さんによれば、城南宮の北通りが百日紅の並木になっているとの情報もタイムリー。行きはタクシーでしたが、帰り道に竹田駅まで歩く途中で楽しみです。しかし並木の高さがバラバラで、様々な色のものが確かに咲いているけれど、もう風に吹かれて散り始めています。数年したらきっと立派な並木道となるでしょう。

ランチは東九条にある「THE REIGN HOTEL KYOTO」

デンマーク料理がいただける。
スモーガスボードと呼ばれるオープンサンドイッチが美味!
コペンハーゲンへ行った気分になりました。


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その後、ランチでちょっと寄り道しますが、次は京都御所。御所もあちこちに百日紅の古木が繁っています。堺町御門の近くにある「九条邸跡」で垣根越しにパチリ!そしてラストは川端・団栗(どんぐり)橋のたもとです。南座を下がった一つ目の橋あたりは百日紅が見事。いつもは車の窓越しに眺めていたので、実際近寄って見ると遊歩道にも百日紅が・・・。大雨のとき「みそぎ川」にせり出した料亭床の足元まで冠水していた鴨川も、力の失せた晩夏の陽をあびて、キラキラ光りながらのどかに水音を立てていました。

川端通り沿いの遊歩道にて
見上げると百日紅

京都御所・九条艇跡で

鴨川・団栗橋あたり