さあ白馬です。白馬へはどれほど来たことか・・・。20代の初めには、東京から週末の夜行列車に乗って来ました。モーニングは「白馬東急ホテル」で。道路わきを流れる雪解け水と一緒に山を下り、白馬駅から穂高駅へ。駅前の碌山美術館で誰も居ない教会のようなミュージアムをひとりで鑑賞し、脇の小舎で館守のおじいさんがハモンドオルガンを弾いて歌ってくださった「信濃の国」が忘れられません。別れぎわにご自分が削ったという笛もいただいたのです。

白馬のペンション「アリコベール」へは40~50代に通い、白壁の一部のような暖炉のそばで薪のはぜる音を聞くのが好きでした。大阪の鉄工所をクローズして終の棲家としてペンションを始められた老夫婦の温かい人柄が、幸せを呼ぶと創りつづけられた麦わら細工とともに想い出されます。フランスの手芸家、ジャクリーヌ・ゴヴァンさんをご案内したこともあります。
今回、白馬はスルーですが、なかなか栂池高原にたどり着きませんね。いよいよ看板が見えてきました。ナビの誘導で一本北の道に迷いこんだらしく、白馬・乗鞍高原に来てしまいました。でもアメフトの合宿風景に出会えました。大きな四駆で細い山道をグネグネと横移動しましたら、16時ジャスト栂池高原に着きました。星降る高原ということですが、今夜は満天の星が見られるでしょうか。  つづく  

asako 2022・8・14


京都は一週間37℃の日がつづく炎暑です。秋に暑さ疲れが出ぬよう、身体を休めながら過ごしています。
もうお盆、16日は送り火ですね。夜半には虫の声も聞こえるので、季節は後戻りせず進んでほしいものです。
この夏も各地で豪雨に見舞われ、水の恐ろしさに呆然としますが、被害に会われた方、りんごを一つも収穫しないで流されてしまった農家さんへ、生活の保障費用を国葬予算からまわされることを切に願います。
前々回の6・11号に下賀茂神社・糺の森での「納涼古本まつり」について書きましたが、今年は16日まで開催されるとのこと。緑陰ののどかな古本探しも8月の京都です。では皆さま、くれぐれも無理されずにお元気で。



先を急ぎましょう。走りながら道路わきにカラフルなお花畑のあるこじんまりした道の駅を見つけてストップ。この旅最初の撮影タイム。山がやっぱりアルプスです。「透かし柄のMIXストライプカーディガン」をパチリ!ここまで来なければ撮れない写真であってほしいものです。
さあ大町も近いので国道148号線に出ましょう。大町は黒部への分岐点。ここにも晩秋のころやって来た想い出があります。友人たちとカラマツ林の中の木造りのしゃれた二階建ての宿に泊まり、小さなカラマツの実が風に飛ばされて、一階の屋根をころげる様子をあきずに眺めていた光景が心に残るだけ。宿の名前も思い出せない昔のことです。
仁科三湖が見えてきました。まずは木崎湖。白馬への道中で印象にのこる湖たちに再会。次のちっさい中綱湖でストップ!まあきれい!静か!だれも居ない!道を下って湖岸に近寄ります。持参したクッション二つを草ムラに置いてみます。まあなんて素敵!東山魁夷画伯の描かれたような風景を借景にして、感動で言葉もありません。水面のキラキラした遠景、正面にはお行儀の良い杉木立、夏の静寂を絵にしたらこうなるのでしょう。次は青木湖。ここは大きくて湖畔に家もあり、レイク・アクティビティも盛んな様子。三っつの湖の個性がきわだつことを実感しました。

では別荘やペンションの散在する森の道を抜けましょう。昔ここにはよく通った『あづみのの食卓』という食のギャラリーと銘打ったカフェレストラン・料理教室がありました。林の中の道を分け入るとお洒落な外観が待っていてくれて、もう故人となられた料理家の久松育子さんが出迎えてくださいました。リタイアされたご主人と東京から移住して、テラス席の東側に広がる菜園で野菜やハーブを育て、なんともヘルシーで、畑と森と空しか見えない非日常のときを与えていただいたものです。
レストランもさることながら、ご自宅の居室も北側にあり、またレストランの二階には北欧の雑貨やアンティークなどのショップもあり、立ち寄らずにはいられません。高原での夢の暮らし方を見せていただく時間でした。手づくりのお菓子もおみやげにして、伺った日はどれほど至福であったことか。地方新聞にエッセイを連載されたり、多才な方で健康にはいちばん気をつかわれていたと思うのに、訃報が届いたのが14年前の秋。訃報を知らせてくれた知人の野の花作家・杜達史さんと弔問に伺うことにしました。
大糸線・穂高駅でピックアップしていただき、杜さんがその朝摘んだ野の花を花束にして遺影に捧げました。思いがけない寂しさにつつまれているご主人から、ショップの品々を処分しているので見てくださいといざなわれます。お食事の際に見かけた器の山からシンプルなガラスのお皿を数枚と藤細工のトレーのような籠などいただき、想い出の数々がいまも私の暮らしの中で役立ってくれています。

安曇野の夏

2022 夏旅 Ⅰ

信州・中綱湖

静寂の中綱湖

8月1日からアンジュも夏休み、何処かへ行きたい、ニット作品を撮る旅にしたい。海外は問題外のコロナ禍ですから国内で避暑をかねてと考えていたら、信州が浮かんできました。久しぶりの安曇野に心が踊ります。
撮影旅をアシストしてくれるのは、アンジュのレッスンクラスの中でも若手のMさん。細身ながらトヨタのハリアーという四駆を軽々走らせてくれます。今回は二泊三日の旅となり、同じ道を帰りたくない私は白馬・栂池に泊まって、その後糸魚川から日本海に出て翌日は魚津泊、富山に立ち寄り北陸道で戻るという「ぐるっと一周旅」としました。
8月5日(金)AM7時すぎ、お迎えの車にあれこれニット作品を積み込みます。ちょっと雲行きがあやしく、名神東インターから入って、草津を過ぎたあたりでパラパラ。関ケ原・小牧あたりまで降りましたが、この日はそう遠くない湖東の長浜あたりで豪雨でしたから、申し訳ないけれど酷い雨に合わずににすみました。

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道の駅わきのお花畑

白馬・乗鞍高原で
アメフトの夏合宿風景

安曇野蕎麦・あさかわ

中央道に入れば快晴!超長い「恵那山トンネル」を抜ける信州への馴染み深い高速道路です。塩尻から長野道に入り12時には松本着。14年ぶりくらいでしょうか。さっそく昔から馴染みの和菓子屋さん『開運堂』を探すのに迷います。ナビに「目的地到着です」と言われてキョロキョロ。以前あった歩道上につづいていたアーケードが取り去られ、『開運堂』さん自体もリニューアルして立派になっていて分かるはずがありません。カフェも併設されたそう、またいつかゆっくりしたいところですが、目当ての「老松」を求めてから、懐かしい蔵づくりのある中通り(とても美しい外観となっていた)を抜けながら、ランチのお蕎麦をめざして安曇野へ。
「あさかわ」という緑に囲まれたお蕎麦屋さんは一番アルプスよりの山麓道路から、さらにちょっと山側に入ったところにあり、パーキングは満車!予約をしておいたので、そう待たずに緑のガーデンが見える席に着くことができました。1時半でしたが、途中のパーキングエリアで揚げたてのアンドーナツを半分ずつ(一つしかなかった)食べていたので丁度良い空腹感。ワサビの花芽と、とろろの安曇野蕎麦をいただきました。細麵で刻んだワサビも絡めてあり美味しい!!終わりがけに店主さんがモロキュウをおまけのように置いていかれました。みずみずしいキュウリとお味噌が丁度いい!