笠の飾りがキュート

さて御所に近づくと、交通整理の警官も大集結、巡行開始の12時も近い。数十年前、パリのカトリーヌさんとエリザベスさんを案内して沿道で観ていた記憶があるだけで、今回は御所の中で観たいものです。秋晴れのお祭り日和り。観覧席も半ば埋め尽くされ、その後ろから立ち見ながら無料で観覧も出来ます。いよいよ行列がやって来ます。まずは明治時代。馬に引かれた黒塗りの馬車には文化庁の都倉長官。祇園祭では裃姿でしたね。
江戸時代の参勤交代がつづきます。奴さんたちは、長い毛やりを振りかざしたり、重そうな荷物箱を担いだり、体育会系の学生アルバイト?さん達もときには拍手を受けて張り切っています。
来年の大河ドラマは「光る君」とか、光源氏が主役のようです。祇園の芸妓さんが扮した紫式部は平安時代の一番手で登場でしたから、さすがに歓声が上がっています。
時代を遡る行列は大宮御所脇で待機する一団が出番を待っています。馬上の将軍たちは慣れない舞台に緊張と晴れがましさが交錯する表情を浮かべています。鎌倉時代まではおつき合いできずに、お祭りの喧噪から遠のき、乾御門までの散策を楽しみました。京都御苑は気軽に立ち寄れる私のオアシスです。

お祭りに参加するひと達が行き交う御苑

秋が来た

秋の只中にいるのが信じられないほど、今年の夏は苛酷でした。京都では9月30日の夜半に激しい雨が降り、10月1日になったとたん、辺りが秋めいていました。秋が来ることすら考えられなかったのですから、嬉しい様変わりでした。6日にレッスンで東京に出かけましたら、天辺に雪を乗せた富士山が見えました。
いつも季節感を味わう車窓ですが、もう稲穂は黄金色。遅ればせの彼岸花に縁どられたあぜ道が、今年らしい10月初旬の光景でした。

エクランさんでのウインドーニット

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牛車

大きな松の木陰から・・

出を待つ若武者たち

寺町・夷川あたりの街路樹の根元に白い藤袴。花が静かに咲きはじめています。昨年の秋も深まる頃、寺町通りの両側に1mほどの高さのある藤袴の鉢植えが並んでいました。「藤袴祭」とポスターに書かれていて、白いフジバカマも初見ですが清楚で美しかったです。丸太町通りに近い下御霊神社などでは植木市も開かれていて、いつも静かな寺町が賑わっていました。

参勤交代

10月に入ってから、初めてのエッセイ本の校正が回を重ねています。やればやるほど湧き出てくる誤字や変換ミス、思い違いの箇所に赤ペンを入れ、それでもズンズンと完成に近づく足音は聞こえて来ました。そんな中、22日は忙中閑あり。日曜日とあって「時代祭」見学に出かけます。丁度寺町二条にあるボタンのお店「エクラン」さんにも用事があります。
エッセイにも書かせていただきましたが、ニットデザイナーとして、欠かすことの出来ぬボタン。エクランさんなしでは立ち行かない、必要不可欠なお店です。寺町通りに面したウインドーに、もう10年となるでしょうか、アンジュのニット作品を飾っていただいています。二か月に三点ほどを入れ替え、毎回楽しみにしてくださる方もいらっしゃるようです。大分涼しくなったので、秋らしい「変わりストライプのカーディガン」と、秋一番に飾らせていただいた「犬たちのベスト」を交換。それから必要なボタンの数々を選ばせていただきながら、ミュージアムのような棚を見ていて、オシャレなボタンも4色購入。出来上がった作品に合わせるときもあり、また蓄えていたボタンに似合うデザインを思いつくこともあります。「またしばらく飾らせてください」と、いつも心よりのお礼を申し上げながら、御所に向かって歩きます。

今年は猛暑のおかげか、イチジクの収穫が
まだつづいています。京都府城陽市から
朝採れが近くのスーパーに、お手頃な価格で
入荷。大好きな味覚に恵まれて幸せ!
ご近所でいただいたホトトギスと、わが家の
ケイトウで秋をカシャッ。


朝晩は寒いほどの日もあります。ご自愛ください。
近づく展示会の準備に明け暮れています。
お知らせ欄をクリックされて、紅葉も始まりかけの
京都へどうぞお出かけください。


2023・10・27  asako

紫式部

京都御所の歴史を見つめてきた大樹

椎の実

白馬と武者