モンジュイック城から地中海を望む

ステンドグラスの光がグラデーション

天井を見上げる

塔の上にはフルーツが

ミュージアムの一部には稼働中のアトリエもガラス越しに見ることができます。
いち早く日本へ「サクラダフアミリア」の存在を知らしめた彫刻家・外尾さんが活躍していたのですが、
もう定年とのこと。お姿が見られず残念でした。
右の写真の茶色い建物は、教会を建設する人々の子どもたちが通っていた小学校です。
建設当時、一帯は田園で何もないところから始まったので、病院や学校なども必要だったのですね。

つづく

2023・2・14 asako

途中で終わってすみません。ちょっとPCの具合が良くなく、後日またバルセロナや近郊の素晴らしい
光景をご紹介いたします。今日の京都は晴れていてもときおりミゾレが降っています。寒暖の差が
激しい日々。どうぞご自愛ください。

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2023 バルセロナ Ⅰ

メトロ「サクラダファミリア」駅を上がると・・・

夕暮れの波止場レストラン

ホテルの入口

モンジュイックの丘からバルセロナ市内、
左奥に「サクラダファミリア」

アトリエには試作のオブジェが飾られ
仕事中の職員の姿も・・・。、


京都でも大雪の降った数日後、関空から夜のフライトでドバイ経由スペインのバルセロナへ旅をしてきました。昨年12月、コロナの第7波がピークに達するころ、そろそろ海外へと心が疼きます。2023年11月には「京都文化博物館」において、アンジュとしては大きな展示会を予定していますし、その際販売する2024年カレンダーも準備をしていて、ここ数年コロナ禍で国内での作品撮影がつづいており、何枚かは異国の風景の中で撮ったものを採用したく思っていました。
昨年末、「先生、どこかへ行かれますか?」と生徒のTさんに尋ねられ、今検討中だけど、1月末ごろ出かけたいと思っていることを伝えて「ご一緒しましょうか」と、お誘いしました。Tさんはこれまでのアンジュ海外ツアーでも、第二添乗員のように適格にグループの半分をまとめてくださり、その旅力は優れたものがあります。私も高齢となり、いささか見知らぬ地での一人旅に自信が持てなく、ありがたい同伴者です。
やっぱりヨーロッパがいいかしら、と考えながら「バルセロナ」が目標となりました。二人とも未踏の地であり、クリスチャンのTさんにとっては、サグラダファミリアの「マリアの塔」が完成したことが気になっていたようです。私自身もガウディの建築にずっと興味を抱いていたので決定!航空機とホテルの手配はいつも旅の企画でお世話になる、大阪のワールド・イベント・リンク社にお任せ!

1月30日pm11:30関空をテイクオフしたエミレーツ航空EK317便は、多少のゆとりある座席。三人席でも真ん中はどこも空席、四人席も通路側のみ。長旅ですから通路側を指定したTさんと私は通路をはさんで隣同志。二度目のエミレーツ航空、前回はウイーン経由プラハに向かう旅で懐かしい。ドバイまで7585km。冬の強力な偏西風に向かって約11時間の飛行です。

ホテル二階の屋外テラス。手前は三階の
スイートルーム?のテラス

1月31日、朝7:30 1F(日本では2階)の共同リビングスペースへ。スタッフのいるレストランなどなく、ロビーに置かれた飲み物マシンと、このホテルで人気のあるというクロワッサンをいただきます。といっても昨夜「7:30にクロワッサンが出る」とロビーで聞いたはずなのにいくら待っても提供されず、思わず吹き抜けのロビーから「クロワッサンはまだ?」と声をかけてしまいました。しかし大きくて焼きたてのクロワッサンは美味!「PAUL」のクロワッサンに似ていて、中にチョコクリーム入りとプレーンの二種。私はどちらもいただきます。気軽なビジネスマン風のおじさま方はひとりでふらりとやって来て、コーヒーとクロワッサンでおしゃれなひと時をすごしています。
リビングの外には大きなテラスがありますが、やはり冬の間は眺めるばかり。それにしてもリビングにつづいて図書室のような客間があり、6人掛けの白いテーブルも使えるし、これからのホテルスタイルでしょうか。
9時すぎにホテルを出発。いよいよ「サグラダファミリア」へ。地下鉄L2線で昨日と逆へ三つ目、駅名も「サグラダファミリア」で下車すると、階段を上がったとたん、目の前にそびえる教会に圧倒されます。まずは手前のガウディ公園。TVでも良く見せられた光景を探します。たしかテラスから「サグラダファミリア」が正面に見えるホテルがあるはず、と思うのに、なんとも普通のアパルトマン。おまけにどの窓からも洗濯物が干されています。あらまあ!
気を取り直して教会を眺めればなんとも美しいその姿。撮影スポットはにぎわい、私たちは韓国からの団体さんに囲まれてしまいます。そのおひとりに写真を撮っていただいてカムサハムニダ!
10時には少し早いけれど受付に行ってみます。Tさんがネット予約をしてくれたプリントを見せるとスルー。閑散期の特典でしょうか。

機内食が出されたとき、窓際に座っている可愛い女性に声をかけると、「イスラム教のことを調べにエジプトのカイロに10日間の旅」とのこと。仙台出身で現在は京都在住、立命館大学院一年生と知ります。東日本大震災のとき小学5年生だったと伺い、私も東北三県の九条の会へ、集めたカンパを届けに行ったことなど話すと、「ありがとうございます」と思いがけないご挨拶に感動しました。

ドバイ着31日am5:50。トランジットの後、よその座席の不具合など修理に時間がかかり9:10テイクオフしたEK185便はバルセロナに向かいます。機内では画面の航路図を見ている時が一番好きです。今回ドバイから北へ上がり、バクダット、その後西へ向きを替えトルコ・ギリシャ・イタリアを横切って約7時間。途中トルコのアンカラの上空で機内散歩のついでに小窓から北を見て、この空の先のウクライナで繰り広げられているロシアとの戦いが一日も早く終結することを祈りました。
バルセロナ13:07ランディング。スペインはマドリッドとセビリアには行ったことがあるけれど、初めてのバルセロナにワクワク!イミグレーションでのひと幕もそんな心の内を盛り上げてくれました。
二人でパスポートを出したとたん、係りの美しい女性が「ツインズ(双子)?」と言うのを聞いて思わず笑いが弾けます。そういえば二人ともシルバーヘア、背格好も同じですから間違えられたのですね。Tさんは「NO、TEACHER!」と訂正されましたが、私はずっとお若いTさんに申し訳ない思いでした。
空港からシャトルバスに乗って市内へ。中心部カタルーニャ広場のひとつ手前で下車。ホテルまでは一区画ちょっとです。旅行会社は「治安の良いところで、趣のあるホテル」という希望に充分応えてくれたようです。元貴族の館をリメークして、天井の高い西向きの部屋は大きなフランス窓で明るく、錬鉄の手すりもついていて、とてもお洒落でした。

随所に工夫の見られる小学校。
ミュージアムとなっています。

「生誕の門」から入場。中へ入ると何度も映像で見てきた世界が広がっています。天井を見上げて「わあ!」と感嘆。森をイメージした空間に抱かれるようです。ステンドグラスの様々な色が流れこみ、歳月をかけた建築に降り注ぎます。
信者席に座ってゴールドに染められた皮で造られた傘に、吊り下げられたキリスト像に見とれていると、どこからか迷いこんだハトが、まるで森と思って飛び交っています。
1882年に着工されて以来、140年をかけて受け継がれてきた世界でも類をみない創造物は、ガウデイの没後100年となる2026年に向けて工事が進行中。完成した「マリアの塔」にはエレベーターで65mまで登れます。閑散期ですから行列もなく、アッという間に展望台。すぐそばに建設された塔、建築中の塔、そしてバルセロナの街やモンジュイックの丘も望めます。下りは細い石造りの螺旋階段を下ります。途中ひと休みしながらなんとか下りきることができました。「受難の門」から出て地階のミュージアムへ。
荷物をほどき、ひと休みしてからモンジュイックの丘まで散歩。メトロも近く交通も便利そう。とりあえず48時間(二日間)チケットを購入してL2路線でパセッチ・ダ・グラシアから3つ先の終点パラレルまで乗車。ジャケットの内側ポケットに「地球の歩き方」を入れているTさんが、地図を見ながら登山電車を探してくれるのですが、通りすがりの人たちに聞いてもなかなか見つからないと思っていたら、現在メンテナンスのため休業中。バスで登るそうです。これがてっぺんのお城跡までダイレクトには行けず、運転手さんに教えてもらって乗り換え。それでもTさんの語学力のお蔭で丘の頂上に到着!掘割や海から攻めてくる敵軍に立ち向かった?砲台などもあります。なんといってもバルセロナ市内を一望できて、明日見学する「サグラダフアミリアが見えるではありませんか、やっと憧れの街にいると思うと感激です。
さてバスで途中まで下り、港までロープウェーに乗ろうと行ってみると、なんと30分前の5:30に終了!モンジュイックの丘巡りに欠かせない乗り物にフラれっぱなし。気を取り直して初日のディナーのためにタクシーで港町のバルセロネータまで丘を下りました。夕日が沈みゆき、波止場の明かりがまたたき始めます。遊歩道にパラソルが並びツワモノたちは屋外で盛り上がっていますが、私たちは半屋外のようなテラス席をチョイス。テーブル近くに暖房用のガス灯?が置かれて暖かい。ワインとパエリアでバルセロナに乾杯して、長い一日が終わりました。