バルセロナ Ⅱ

大感動の「サグラダファミリア」をあとにして向かうのは蚤の市!というかフリーマーケット「メルカット デル エンカンツ」。
Tさんは早速、地図をジャケットの内ポケットから取り出して方向を定めます。今回、私はいちいちメガネを探しておもむろに地図を見ることなく、申し訳ないほど楽ちんです。南へ向かっていると何やらモザイクの美しい建造物。闘牛場のひとつ「モヌメンタル闘牛場」。歩くたびに見とれてしまうものに出会える街ってそうありません。バルセロナはスゴイ!
次に東へ曲がってしばらく歩くと「エンカンツ庭園」らしきものが見えてきて、その東側に大きくて人の出入りのある場所発見。まちがいなく入口から混沌としているマーケットです。入口右手を占めているのはボタンなどの手芸屋さん。貝ボタンが殆どですが、裏づかいをする私には欲しいものばかり。
60個とか30個とか選んで大量のボタンをプラスチックの籠に入れても、おじさんはひとつも動ぜず、めんどくさそうに数えていました。Tさんも宝探しのように掘り出しものを見つけています。
大満足で場内を歩きますが、二人ともそれぞれ随分昔のヨーロッパの蚤の市を渡り歩いてきたので、今どきのアンチークには興味が持てず、早々に最寄りのメトロへと急ぎました。

美しいロビー

ここも事前に聞いていたのは、昼間の見学コースでしか見られないところがあるとのこと。一階のカフェレストランは古めかしいけれど雰囲気があり賑わっています。ガイドなしのコースにしたので、日本語版のパンフレットを頼りに二人で気楽に見学と思ったら、何という素晴らしさ!!
19世紀から20世紀にかけてスペインのカタルーニャ地方でさかんに建築されたモデルニスモ様式(フランスのアールヌーヴォーとスペインならではのイスラムが融合した美の極致とされている)の音楽堂で、建築家モンタネールの最高傑作とされ、教授時代の学生の中にガウディもいたのです。床・壁・柱・天井どこを見ても花や幾何柄が色とりどりのタイルでモザイク模様となっています。
ホールの中央で見上げると繊細なステンドグラスのシャンデリア。このように美しい空間を見たことがあったでしょうか。この夜はコンサートで再訪するのですが、アドバイスを聞いていて良かったのです。二階の通りに面したバルコニーは夜にはクローズ。その柱の花たちは昼間の陽光で見なくてはなりません。
多くの職人さんたちの細かい作業の積み重ねが、モンタネールのイメージを損なうことなく具現化されています。
ため息をつきながら「夜またね」といったんホテルへ戻ることにします。カタルーニャ広場が近いのだから歩いて帰ろうとしていると、広場に面して大きなデパート。デパ地下はいかがかと下りてみると、まあ立派なこと!きっとセレブなデパートなのでしょう。歩いているとお寿司のコーナーがあります。今夜はテイクアウトにしましょう。アボガドとサーモンの細巻を頼んだら、お箸までつけてくれました。夕刻、ホテルの共同リビングへ持参して、熱いお湯にはほうじ茶のティーパック、フルーツのデザートで、毎食グルメをひと休みしたのです。

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舞台奥にはハモンドオルガン

二階席、窓辺のステンドグラス

花屋さんのミモザ

エドアルド通り

カタルーニャ音楽堂

素敵なトリオと

「石の花園」と呼ばれる
音楽堂
 ロビーの天井

バルコニーの美しい花柱

カタルーニャ広場のひとつ手前で下車して、細い路地を歩き手芸店を目指します。いつもお世話になっている寺町二条のボタン店「エクラン」のお嬢さんが教えてくれたお店です。数年前店主のお父さん、お母さんと三人で訪れたことがあるので、今回のバルセロナ情報ゲットの源です。シャッターが閉まっているところもありますが、きれいな色合いの帽子を並べたお店など、この細いエドアルド通りは手仕事通りだったのですね。
見つけました「Santa Ana」、間口は狭いけれど京都のように奥行が長~いお店です。今どきは日本でも見かけなくなった手芸専門店のようで、刺繍・編みもの・洋裁・パッチワークなどが整然とディスプレイされていて、一番奥にボタンの棚がありました。目移りしそうなほどの重量感に圧倒されます。一番欲しいグレー系のものに限って選びました。お客さんも店員さんも高齢の方が目立ちますが、品格があり羨ましいようなお店です。
さあお昼も大分まわってお腹もすいてきました.。
細い通りの突き当りを左に折れると花屋さんの店先にミモザ!春が早い!そしてその先の左手になんとも良さげなレストラン。ランチはここで決まり!お洒落なお店と思っていたら、どうやら上にある四つ星ホテルのレストランだったようです。その後、近くにある「カタルーニャ音楽堂」へ行ってみることにします。

     エンカンツ フリーマーケット

吹き抜けの会場には、ゴールドのミラー板が空中に
オブジェのように浮かんでいて、会場内の光景が
逆さに映っています。

2月21日(火)朝、京都はまた雪。陽ざしが出てもときおり雪の舞うつめたい一日でした。
庭の寒椿にメジロがやってきて、クリスマスローズも咲き始めました。寒いけれど
春の足音が聞こえてくるようです。お元気で。

右はパンケーキのように柔らかいタコス。
左は海老と卵と・・・。

手芸店 サンタ アナ

旧モヌメンタル闘牛場

つづく 2023・2・23

フラメンコのダンスシーン 二階席から

事前にTさんからの提案で、音楽堂でのコンサートプログラムを教えていただき、滞在中に可能なものの中からこの夜の「バルセロナギタートリオとダンス」をチョイス。滞在一日目の夜9時開演って、日本のコンサートの感覚とはズレているのが心配でしたが、夜に再訪してみると、昼間とは違う雰囲気につつまれ、すこしユーモラスなキャラクターのスパニッシュギタートリオと4回衣装替えしたドレスも素晴らしいフラメンコダンサー二人にも魅了されました。
またこの夜、パ-カッションを担当していた方の最終公演ということで、ファンも多く来ていて盛り上がり、ラストの演奏のあと、スタッフらしき人に肩を抱かれて一階の通路に下り立ち、なにが始まるのかと思っていると、舞台にスクリーンが下りてきて、彼のこれまでの公演風景と、その夜の会場や館内の客席が写しだされて感激!いつのまに編集されたのかと不思議なほど現代的な演出で、それからアンコールに応えてまたひときわ盛り上がりました。
ロビーで挨拶されるようでしたから、ギタートリオの写真を撮ろうとしていたら、「日本から来ました!」と若い女性三人組が駆け寄って行くではありませんか。そして年長のリーダーの方(英語でのお話も分かりやすかったけど)が「ニホンゴスコシデキマス」と言うのを聞いて三人組は「キャー!」と歓声。負けてはいられません。私たちも交代で写真を撮ってもらいました。「フロム キョウト」と言うと「「キョウト キレイネ」と返ってきて感激。素敵な音楽堂での素晴らしいコンサートとなりました。

ショパンなど作曲家たちのネームもモザイクで