あたらしい年もそろそろ半月。おそまきながら、おめでとうございます。のんびりと冬休みを過ごし、読書三昧の日々でした。暮れに鶴見俊輔先生の書評が新聞に載り、読んでみたくてあちこち探しましたがどこでも「取り寄せです」と言われるので、楽天から取り寄せたのは池澤夏樹著「カデナ」。434ページのハードカバーなんてご縁がなくて、きちんと座って背筋をのばしての読書は珍しいことです。しかし面白く、懐かしい私の青春とも重なり、あっというまに読み終えました。嘉手納とか、辺野古とか、ここ数日は伊江島説もでてきて、伊江島だって人が住んでいるのに、翻弄される沖縄にも一度行かなくてはと思っています。その前に読んだのは「グランド・ハネムーン」。高松宮ご夫妻の417日間にわたる、今は昔のおとぎばなしのような世界一周大旅行記。歴史の教科書も、このようなお話が添付されていれば興味深く理解も深まったことでしょう。高松宮妃は徳川慶喜のお孫さんなんて、知らなかったのは私だけ?第一次と第二次世界大戦のはざまに巡った国々の歴史と様子も興味深く、年の瀬の用事を済ませたあと、大丸のふた筋裏手にある静かなカフェで読み終えることが出来ました。某紙に4回連載した12月のエッセイは担当の記者さんから、「茨木のり子(詩人)に似て素敵でした」との感想をいただけました。ツアーは6月にプラハとウィーンに決まりそうです。また詳細は後日。真冬の庭にまだ鳴かないウグイスが飛んで来ました。メジロは集団でにぎやかに椿の蜜を目当てにやって来ます。今年もおだやかな日々でありますように。

幾何学柄の小ケース

年賀状に印刷したミニタペストリー

2010・陽春

一月の窓辺

夢の街のハローウィン・ペプラムカーディガン

仕事もしました。一月のレッスンに予定している「幾何柄の小ケース」のサンプルを作り、丸や三角などの図柄を自分で描く、という作業に取り掛かる準備もしました。8日に東京クラスで早速レッスンしましたが、私のサンプルとは異なる、もっと素敵なものを考えて!と励ましたら本当にみなさんアイデイア豊富。ワクワクしてきます。毛糸も絵の具のように分けて、とってもオリジナルな作品になりそう、アカデミーらしくなってきました。さて、軽井沢や、京都の展示会で飾っていた「夢の街のハローウィン」、キットが出来上がりました。ペプラムに街並みの風景を編み込み、ブロックの色調もグレイッシュ。明るく楽しげおしゃれでしょ?。細かいパーツごとのキットや、糸を貼るための図柄も進化して美しくなった、とアシスタントとそれぞれの仕事を称えあっています。この秋は箱根で展示会、そして京都は再び御池のコンコースギャラリーを予定しているので、色々イメージを膨らませている段階ですが、これもワクワクものです。アジロ編みのバッグも円形の立体的なものを作りたく、ただ今製図を描き、実際に編みながら試行錯誤中。きっと可愛いBAGになると思います。
寒いけれど、木々の冬芽がかすかにふくらみかけているのを確認。雪の便りの向こうに春の気配を感じたいこのごろ。聖護院の山伏さんたちが寒行でお祓いに来てくれるのも間近。醍醐三宝院の「五大力さん」など、あと幾つか冬行事をこなせば春です。強ばった体をほぐしながら春に向かって頑張りましょう。お元気で。                          

・戻る