ブェルベデーレ宮殿
ジオラマ
ヤドリギ
関空→ドバイ→ウイーン
翌朝、ウイーンの空気を読み始めた三人は「歩けるやん」と、フンベルト・ヴアッサーのアートを観にウオーキング。ミッテ駅の東にある住宅街に突然あの独特な造形物が出現します。1980年代、当時のウイーンっ子達から賛否両論を巻き起こした異才を放つ市営住宅。直線を嫌うアーチストはアプローチも波打ち窓枠も桟の真っすぐを消し去るかのように優しく彩られています。テラスに植えられた植栽も年月を経て伸び盛り、葉を落とした今は初夏からの芽吹きと夏の繁るさまを想像するしかないけれど、住んでみたいと思わせる風情です。すぐ近くにはヴアッサーの美術館(クンストハウス)もあり、幼いころのデッサンや絵画・建築のジオラマなどが展示され、中庭のカフェレストランの屋根は草に覆われ樹も育っています。東はドナウの支流に面していて、船着き場のモニュメントもヴアッサー。大阪・舞洲にあるごみ焼却場も彼の作。形容しがたいエネルギーの持ち主であり、自然を取り込む優しさにいつのまにか虜になってしまいます。数年前、軽井沢のメルシャン美術館で展示会をした折、メインの展示がヴアッサーであり、そのときから訪れて観たかった所で夢が叶ったのです。 つづく
ドバイ空港で初日の出
チロル地方の子ども服
ウイーンのクリスマス・デコレーション
フンベルト・ヴアッサー
クンストハウス
2010・12・31
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st シュテファン寺院
市営住宅
地下鉄ひとつ目で降りてコンサートホール近くのホテルにチェックイン。お正月で「ニューイヤーコンサート」騒ぎもあろうかと、このホテルだけはHISに取ってもらったけれど、あとは全てasako
travel.com(ジョークですよ)が、インターネットで手配済。3時すぎです。暗くなる前に散歩。19世紀末の装飾に縁取られた駅舎(カールスプラッツ駅)を目指したのに、90度左へ歩いてしまい「ベルベデーレ宮殿」。目的地ではなかったけれど、ついでに外から鑑賞。木々にいっぱいヤドリギ。夕暮れの空も美しく広大な庭園を従えた宮殿にハプスブルグ家の偉容を感じます。
ここから地図女のつもりの私に見切りをつけたのか、以後ふたりはコンパスと地図を付き合わせてくれて、あっちだこっちだと案内をしてくれました。オペラ座の前には時代衣装を着たガイドたちが冷え込む街頭でチケット売り。なんだ特等席でなければ当日でも買えるんだ。でもコンサートにはご縁がないカジュアルないでたちに断念。まだクリスマスの飾り付けがきらめくシュテファン寺院までの歩行者天国、ケルトナー通りを歩きます。品の良いチロルの香りのただよう洋装店を見つけたけれど、元旦でお休み。また帰る日に戻ってきてのお楽しみ。シュテファン寺院は大勢の人波。初詣でしょうか。中へ入ると丁度5時のミサ。白い僧衣の男性コーラス。見上げるほどの天井に反響して聴き惚れてしまいます。
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2011・1・1
冬の旅 T