今年も暮れてゆきます。三月の大震災はすべての人びとに今後の生き方を問うできごとでした。想像をはるかに超越した津波の猛威は何があって日本の沿岸に押し寄せてきたのでしょう。たった今まで笑顔で話し、仕事をし、遊んでいた幼児や生徒、ﾍﾞｯﾄﾞで療養していた無防備な人たちを呑みこみ、無残な姿としてしまった自然の脅威の前で、わたしはただ手を合わせることしかできませんでした。後手後手にまわった爆発した原発の処理、安全神話に完全に麻痺させられていた原子力村。その罪は深く、ことの重大さにそむくよう御用学者を多用したマスコミの報道にも問題がありました。それ以来各所で開かれる脱原発集会や永平寺での反原発を考える集いにも参加し、ずっと原発に携わりながらも異論を唱えていた学者諸氏の講演を聴き、関係本を読むにつれ、あまりにも能天気にすごしてきたことを反省しています。とにかく真実に近いところに居る方の意見に耳を傾けようと思い、新聞やＴＶで見聞きすることの意味を吟味する毎日です。

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さて、あまりのいそがしさに、とうとうキエフの旅はさわりも書けず年末となりました。初めて訪れたウクライナの首都は、さすがロシア建国の地とあって、京都と姉妹都市を結んでいる意味を存分とはいえぬ滞在でしたが実感いたしました。昨年、写真などの資料を見て完成させたタペストリーに描いた光景がデジャベのように現れたのには感動したものです。11月にはキエフ市長のポポフさんをはじめ、たびたびのレセプションで出会ったスタッフの面々とも京都で再会することができ、交流とは回を重ねて出逢うことだと強く思いました。また、ザグレブを含めて制作をした街で展示をする機会に恵まれたことに、アーチストとして今年は飛躍の年であったと感慨深く思っています。

三年間つづけた御池駅のギャラリーは来春三月でクローズ。とても良いロケーションで無くなるのは残念ですが、三回も開催できて幸いでした。そこで次はと思案し、以前にも催したことのある神宮道のギャラリーの予約がとれました。10月末からの一週間です。先のことのように思えますが、目的を定めて来年はゆっくりと歩いてゆきたいと考えています。充電の一年となるよう心がけたく、どうぞよろしくご支援ください。ところで、ザグレブ・キエフの旅をサポートしてくれた（株）日通旅行さんから「先生！スペインでフアッションショーしましょ」と誘われて企画がひとつ生まれました。フィンエアーで行くというので、ヘルシンキに滞在できるのならばと承諾しました。

スペイン・アンダルシア　ジヤパンデー　
国際交流企画　
『石井麻子先生と行くセビリア・北欧の旅8日間　』　

これはスペインと日本の友好を深めるための企画であり、日本といえばお茶、お花、舞楽など日本古来の文化芸術が主流ですが、現代では多様化していて高齢化した時代に元気はつらつと暮らしを楽しむことも文化のひとつではないかと思っていたところです。アンジュの仲間のみなさんが、いつも前向きで楽しそうにレッスンに通われ、自分やまわりの方々にレベルの高い作品を創り、自らも着てられることは誇り高く素晴らしい文化です。先日のフアッションショーも熱気にあふれ楽しいものでした。災害に見舞われた国からそのような姿を異国のみなさんに見ていただくことも意義のあるものではないかと考えました。雑誌「いきいき」を通じてたくさんの方が各地で催す展示会に来てくださいます。みなさんとってもお元気、そしてお洒落です。もし遠方からでもご参加のお気もちがあれば、ぜひご一緒いたしましょう。そして持参いたしますアンジュのニットを着て楽しいひとときをご一緒に過ごせたらと思います。ヘルシンキでは郊外にある「フィスカルス」という工芸村を訪ねます。数年前に訪れ再訪したいと夢みていた美しい村です。小川の流れる森の中に工芸家のアトリエやギャラリー、ショップが点在するだけの静かなところ。まだ雪が残っているかもしれません。そしてマドリッドから列車で向かうセビリアは未踏の地で好奇心でいっぱい。南欧はもう春でしょうか。2012年の幕開けの旅へぜひどうぞ。お申込み、お問い合わせは日本通運のデスクへ（年末・年始休業）お願いいたします.。

日本通運（株）　京都旅行センター
フリーダイヤル　0120−55−097
担当　梅本　服部　松本
ＴＥＬ　075−213−5510
FAX 　075−213−2533

山科・西野山　12/25

山科・東別院　12/16

岩倉・実相院　12/5

キエフ　オペレッタ劇場にて　　寺田バレーの高尾先生と

お元気で良いお年を。　asako
　　　　　2011・12・27