3月16日、この日は午後マドリッドに旅立つので、朝食を終えるとホテルのフロントへ荷物を預けて市内を巡ります。まずは朝市の開かれる港のマーケット広場へ。冬期のためか出店はまばらです。手編みの帽子や厚手のセーター、木工品などがちらほらするだけ。港は岸壁近くが氷っていて氷点下の朝だと分かります。

ヘルシンキからマドリッド
   そしてセビリアへ

20時すぎマドリッド着。現地のガイドさんが出迎えてくれてホテルへ。機内でサンドイッチの軽食が出ただけで空腹となり、22時をまわった夜の街へ繰り出すエネルギーもなく、I さんがわたしの部屋にもルームサービスで紅茶を頼んでくれたので、ヘルシンキで求めたアプリコットパンが役に立ってくれました。翌朝、日本の各地からそれぞれのルートで飛んできた「ジャパンデー」の参加者の一部と合流。いよいよツアー開始です。まずは市内観光。予備知識もなくやってきたので興味深い街並みです。ドンキ・ホーテとサンチョパンサの像が立つスペイン広場とプラド美術館を見学。ガイドさんがいると無駄のないコースで必須ポイントのアートに出会えます。
大きな大きなバイキングラインが入港。かってシリアラインとともにストックホルムまで何回か乗船したことのあるバルト海クルーズをする豪華客船です。ツルっとすべりそうな坂道を登って、広場の東側にあるギリシャ正教会のウスペンスキー寺院からヘルシンキの街を見渡します。元老院広場にも向かい白亜に緑の丸屋根が美しい大聖堂も見学。おしゃれなショップものぞき、トラムに乗って「かもめ食堂」へ。港沿いにぐるりと南から西へまわり、映画とは同じでないけれどモデルとなった食堂でランチ。地元のひとも多く、もちろん日本からのツーリストもいて大賑わい。食後はふたたびトラムで街なかに戻り、「ストックマン」というデパートで一時解散。ショッピングというよりフインランドの高級店の今どきを見学。さあ最後はTvで見た食料雑貨店。アプリコット入りのパンが目当てでゲット。これが後で役に立つとは・・。「ヘルシンキは満点!」と留守宅へメールをしたI さん。家人は「何が満点?」と返信されたそう。行きたいところはすべて行けたと満足してもらえたのです。ガイドさんに見送られてマドリッドへ。
午後「AVE]という新幹線でセビリアへ。マドリッド郊外から始まる南欧の風景!白い壁の家、果てしないオリーブ畑。2時間半の車窓に通り過ぎた雨はセビリアで上がり、爽やかな初夏の風情。もう夏の気候を想像していたのでほっとします。夕刻、ホテルの周辺を散策。セビリア万博当時のパビリオンが遺され、なんとも温かいタイル絵に縁取られた館の幾つかにに見とれてしまいます。スペイン広場は圧巻で、直径200mの半円にベージュ色のレンガが積み上げられ、繊細なタイル絵がここにも・・。噴水の向こうに夕陽が沈み、観光馬車がパカパカと通りすぎ、異国の美しい情景に時を忘れそう。夜には「ジャパンデー」のセレモニー。歴史的建造物のホールでフラメンコも観賞、ひときわ背の高い好青年がいると思ったら、柏レイソルからセビージャに移籍したサッカーの指宿選手とか。今J23の得点王としてロンドンへの期待を持たれているそう。そうとも知らず、思わず写真に入ってもらいました。また、私が飾るべきタペストリーの壁面は10mと広々しているのに、ハレパネの到着が翌朝ということで白地のまま。マドリッドからこられたスペイン大使に「これこれこのようなものをここに飾ります」とお話すると、「それは見なくては」と初日の朝に予定になかった再訪をしてくださいました。隋員の方によると、大使はめったに予定を変更されないとか。しかし、限られた参列者だけのセレモニーもいいけれど、一般の市民が大勢押し掛ける様子や、この日に展示をした他の作品も含めて、見ていただいたことは意義あるものであったと思っています。「京都」と「源氏物語」のタペストリーには、とても感慨深く時間をかけて見てくださり、「ぜひ今回の旅の印象から『スペイン』を作ってまたきてください」と言われました。来年は伊達藩の支倉常長一行がスペイン・セビリア近くにたどり着いてから400年の記念行事があり、今回はプレイベントだったのです。たった二日いただけで、その魅力に取りつかれたのですから、ぜひいつかタペストリーに描きたいと考えていたところ。テーマを与えてもらって宿題ができました。これまで「京都との姉妹都市」を編んできましたが、これからは「世界を編む」と広がるのですね。ますます元気で過ごさねば。
セビリアの旧市街も迷路のような楽しいところ。トラムに乗って夜の街に出かけたのに、歩いているうちにいつのまにかアルカサール宮殿の外に居て、もうホテルは目と鼻の先。小じんまりとした親しみやすい街でした。19日朝ここでツアーの方々とは別れてふたたび私が添乗員となり、マドリッドの新空港からヘルシンキで乗り換え20日に関空着。一週間で北と南の二都市+マドリッドを旅して戻って来ました。

☆ 5月半ば更新のお約束が月末になってしまいました。お許しください。あれこれ慌ただしい日々でした。
   しかし金環日食もあり、さっそく詠んだのに、22日に掲載されたのは前の週に投句したもの。それでも
   嬉しい! 「友の名を 見つけて拍手 今朝のこと」 関東に住む元広告代理店の著名デザイナーさんと
   お互いエールを送り合っています。4月・5月と連勝! さて6月は?朝日の川柳欄で見かけたら共に喜んで
   いただけますように。

ヘルシンキの花屋さんで
丈の低いチューリップ

元老院広場前の「エンジェル」
と言う名のカフェ

「かもめ食堂」のランチ

旧市街の昼下がり

マドリッドのスペイン広場
ドンキ・ホーテの像

プラド美術館前のリッツホテル

セビリアの夕景

セビリアのスペイン広場

大人気のお習字

セビリア博のタイル絵
アンダルシア州の24都市を描いたもののひとつ

披露宴に向かうひとたち

アルカサール宮殿内

「源氏物語」のタペストリーの前で

冬の終わり旅 U

セビリア市内を流れるグアダラキビル川
この河口に支倉一行は辿り着いたという

旧市街にあった豪邸の庭

顔にペイントしてもらった女の子

中央に日本人の末裔ハポンさん

カジノ・デ・ラ・エクスポジシォン

美しい窓の装飾

糸杉をデザインしたタイル

 asako

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