もう11月も終わりです。いつまでも旅のつづきを書いてばかりもいられないので、すこし飛ばしてどうしても書きたかったオランダの情景へと移りましょう。それでもすこしだけフィレンツェのことを。最後の日は午後のフライトだったので午前中にまだまだ歩きました。市場を覗きお土産のオリーブオイルを求め、イタリアで探したいと思っていた紺色のBAGが高級ブテイックで見当たらず、なんと市場を出たところにある露天のお兄さんから頼みもしないのに値引きしてもらってゲット!薄いブルーの「オメダイ」も悲しい歴史を思い起こさせる「捨て子救貧院」を訪ね、そしてミュージアムでは「72時間パス」の威力で長蛇の行列をスルーし、ミケランジェロの「ダビデ像」を感嘆しながら見上げることが出来ました。また来たときにと3泊4日の滞在を心に残して、いざアムステルダムへまいります。

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スキポール空港から電車で30分足らず、もう夜8時も近いのに白夜の残照が通りゆく車窓の風景を紅く染めています。中央駅のまん前にあるi b s(イビスというチェーン)ホテルへチェックインして夜の街に繰り出し、お洒落なお魚料理のレストランでディナー。翌朝、待望の散策です。まずはトラムに乗って「アンネのミュージアム」。わたしはガラスばりの立派な外観になるずっと前、ちいさな家のままのとき(30年近く前)に家族で訪れたことがあるのでパス。隣の教会で1時間後に待ち合わせをして9(ナイン)ストラッセというこの一年で急速にお洒落度を増したという運河沿いの9本の細い道に並ぶブティックを見て回ります。やはり雑貨店やアンティークショップで足が止まり念願のペーパーナプキン立てを見つけました。O夫妻と合流したあとトラムに乗って「ゴッホミュージアム」へ。ここも再訪だけどリニューアルされて美しく飾られた薄幸のゴッホのアート力に魅せられました。明るいカフェテリアでランチのあと、近くの国立美術館で巨大なレンブラントの「夜警」にも出会います。トラムで二駅ほどには「ハイネケン」の大きな工場があり、その斜め前にお目当てのティールーム。男性のパティシィエが創作するというデコレーションケーキは必見。奔放な創造力に脱帽です。もちろんお茶でひと休み。
翌日は朝からツアーバスに乗って昔の風景が残る「マルケン」・「フォーレンダム」へ。前にも行ったけれどO夫妻にぜひとも見せたいオランダです。以前は路線バスでしたが、今回はインターナショナルな構成の乗客向けにアナウンスが充実していて、色々知識が広がりました。ランチは各自でとのことで、わたしたちは美味しそうなバケットが積み上げられたお店でエビやイカや貝のフライ料理をM i xしてもらい水辺のベンチでカモメたちの舞う様子を眺めながらいただきました。裏通りの運河でクッションの撮影もしたのです。風車の並ぶ光景は水面より低い土地に住む、オランダ国民が水との戦いに勝利した証でもあり、その数が激減しているのは最新の技術が整備されてきたからでしょう。アムス市内からそう遠くない村里への半日旅行でした。
夕刻からは運河を巡ります。ひっきりなしに出発する遊覧船は網の目のように張りめぐらせた運河の橋をくぐりながら、延々とつづく美しい館が立ち並ぶ水際の通りを眺め、行き交うボートに手を振りながら進みます。驚いたことに、小さなものから10数人乗りの大型のものまで個人占有のボートがまるで道路の交通ラッシュのようです。ファミリーや仕事仲間らしい若者たち、かとおもうと静かな老夫婦のボートもいて、それぞれが晩夏の夕暮れどきを楽しんでいます。男性ばかりの元気なボートではみんながスタンディングで片手に缶ビール。日本ではテレビの前で野球でも観戦しているころでしょうか。暮らしの過ごし方について異国の情景から考えさせられましたが、豊かさを感じたひとときでした。もちろんシンゲンの花市場でチューリップの球根も買いましたし、レッスン時のティータイム用にチョコも買い込みました。思い残すことなく翌日電車で空港へ向かおうとしたら、何やらアクシデントで二つ目の駅で下車してバスで行って・・、とチケット売り場で言われました。馴染みのない新興タウンのようなところで降りて、はてバスは階段を下りるのだと重いバゲージを見ていると、長身でブロンドのイケメン学生(多分アルバイトと思う)が「マダム、空港ですか?」と言ってさっさとバゲージを持ち運んでくれたのには感激!こんな洒落た対応をわが国のJRではしてもらえるかしらと疑問です。
旅は非日常の風景はもちろんのこと、くつろいでいて吸収力全開の心に、さまざまな感情をノックしてくれるものでした。また元気で魅せられる旅に出かけられることを心より願っています。 


11月19日には京都国際ホテルにて「ファッションショーとお食事会」を催しましたので、次回はその様子をレポートいたします。どうぞよろしく。
寒くなってきました。お風邪などに気をつけてお過ごしください。
2013・11・28 asako

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アムステルダムはわたしが初めてヨーロッパへ旅したときの最初の帰港地。それから何度となく訪れているのですが、ここしばらくはご縁がなく久しぶり。でも今回トランジットに時間がありハーグまで行ったこともあり、なんともフレンドリーな街ではあります。

市場の八百屋で花のついたズッキーニ

捨て子救貧院

古いホテルのドアで
「猫のBag」

布でくるんで置かれていた
赤ちゃんを描いたオメダイ

ドゥオーモ前にある洗礼堂の「天国の扉

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アムステルダムの9ストラッセ

レンブラント「夜警」

ビールを飲みながら水上ドライブ

運河沿いの街並み

風車を望みながら、
男性コーラスが美しい
ハーモニーを奏でていた

フォーレンダムの運河にて

ボートハウス

橋の欄干にもハンギングフラワー

「デ・タルト・フォン・マイン・タンテ」の
デコレーッションケーキたち

アムスをイメージしたBagをサドルにかけて

アムステルダム

魅せられた旅 V