有史以来の「豪雪」を聞くと、地球の異常さを痛感します。寒い二月でした。京都も二、三日雪が舞う日もありましたが、庭の寒椿にやってくるメジロが紅い花にぶら下がり、まるでアクロバットのような体勢で蜜を吸うさまは微笑ましくて春の訪れを感じています。先日、東京のレッスンに行くとき、京都駅のコンコースで一枚のポスターが目にとまりました。「京の冬の旅」というJRのものです。何故「あらっ」と思ったかと言うと、小ぶりの石を配した庭に見憶えがあったからです。友人のO先生は「京都検定1級」の資格を持つ元社会科教師。近年はその力を発揮してガイドのアルバイトをしています。今年の冬の非公開寺院を公開する中で妙心寺・東海庵が担当です。「姉妹都市を編む」展示会の開会式で司会を務めてくれることになり、打ち合わせがてら訪ねました。常には公開されていないのですから、もちろん初めてのお庭です。南側には100坪の何もない白砂利だけの「禅の庭」。これも初見の感動がありましたが、O先生がその日受け持っていたのは、中庭の「7坪の庭」。静謐で不思議な空間でした。JRはその「お庭」をポスターにしていたのです。たまたまご縁があって訪れたからこそ、一枚の写真の場所も特定できたわけです。知るってこういうことなのだ、歩かなければ出逢えないものがある、と合点した次第です。

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京都・花園・妙心寺塔頭 東海庵

さて、パリのカトリーヌさんからクロスステッチの本が届きました。昨年の夏、35年つづけてきた素敵なブテイック「ア・ラ・ボンヌ・ルノメ」をクローズして、その後4冊目の著書[INDIGO]を出版し、民俗学者?かと思うほどの仕事ぶりです。手広く構えていたショップを閉じたことで「ストレスの無い日々って素晴らしい!」というのですから羨ましい限り。そんな中、本屋さんで手に取ったお洒落な刺繍の本を見て「アサコに役立ちそう」と思い送ってくれるなんてありがたいことです。グラフィックデザインを学び、フアッションの道を歩いてきた同類の感が二人のあいだには通います。これまでどれだけイマジネーションを喚起するサポートをしてくれたことでしょう。感謝しています。[INDIGO]は重さ2kgちょっとの重量感のある本です。世界中の「藍」を求めて旅をし、数年かけて完成させ、学術的にも貴重な資料として評価されるものです。暑い夏に京都の北にある「美山」へも二回ご案内しましたし、四国や九州の取材旅行を京都からサポートしたり、帰国後もあれこれアンテイックショップで見つけた美しい「ボロ」や小ものを送ったので、うしろの索引協力欄に「kyoto Asako Ishii」と加えてくれています。取材・写真・本文ともに手掛けるグレートなアーティスト。かれこれ30年もお付き合い出来ていることは奇跡としか言いようがありません。下手な英語(もちろん仏語ではなく)にも根を上げず、頭が下がります。この秋にはまた来日の予定とか。楽しみにしているところです。
さてさて、1月に出かけた盛岡でホームスパンのお店に行き紺系のヘリンボーンでコートをオーダーしたのですが、待ちわびていたそれが出来てきました。仮縫いには行けません。でもピッタリ・・!オードリー・ヘップバーンが着ていたコートをイメージしたのです。シンプルでいて手染め・手織りの風合いが優しいコート。紺色のマフラーは先日、代官山のブテイックのsaleでゲット!あとは紺色のスエードのブーツと手袋・・、夢が広がります。これ以上の豪雪が降らぬよう祈りながら3月を迎えましょう。お元気で。

クロスステッチの本

パリのスケッチ集

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O先生

「姉妹都市6/9を編む」展を終えました。
新聞各紙に取り上げられて、たくさんの方が
寒い中を観に来てくださいました。ありがたく
お礼申し上げます。小さな店「アンジュ」の時代を
知っている方も多く、懐かしいことでした。
あと3枚、応援団も結成されたので頑張らなければ・・。
みなさまの温かいご声援が何よりのエネルギーです。
今後ともどうぞよろしく。

2013・2・26 asako


アカデミー代表
大浦さん

隅井先生

柴田館長

石井

開会式にて

淵田先生が演奏されたのは
「モルダウ」と「花は咲く」。

京都・蹴上
国際交流会館