さて、7月1日の「切符入り」から始まった祇園祭も今日の「夏越祭」で全ての行事を終えます。前と後に振り分けてた昔の方式を取り入れた今年は果たして吉と出たのか・・。人出を分散したことは確かですが、室町辺りでは一回ですむ渋滞が二回となり、それなりに影響もあったようです。後祭りの宵山の日に、NHKで放映された「祇園祭の謎」は見ごたえがありました。あの立派な見送りに使われるゴブラン織などのタペストリーの由来が解き明かされ、現場中継と共に興味深い番組でした。信楽のミホミュージアムで鯉山の胴掛けを観たときに、疑問に思っていた京都への道筋が判明したのです。江戸時代、鎖国をしていた幕府は長崎の出島だけ異国に門を開け、その見返りにオランダは当時同国だったベルギーのゴブラン織りなどを献上し、受けた将軍は金策に困って援助してもらっていた、当時の豪商である呉服屋などへ借金のお礼としていていたという。京都はその頃、日本一のハレの場であり、その祭りで鉾や山を飾る装飾として用いるという発想には恐れ入りますが、一年に一度だけ大切に扱われたからこそ、現代にまで受け継がれ、名だたる世界のミュージアムや研究家からも羨望の眼差しで尊敬されるものとなったようです。
四条通りにて

新町通りの放下鉾も束ねた藁苞を切りそろえ中

八坂神社内の疫神社

燃える夏

朝から蝉がワシワシと鳴く、夏も盛りとなりました。アカデミーの一学期も26日に終了し、アトリエでは秋の準備が始まっています。京都はどこにも負けない燃えるような暑さが連日つづいたあと、ようやく和らいできましたが、まだ7月が終わるだけなのに、今年はしんどい夏ですね。

鯉山と祇園空

茅の輪をくぐって厄払い

ちょうど夕刻から中継があるとも知らず用事があり街へ出たついでに鯉山を覗いたら、左甚五郎作といわれる木彫の鯉が祀られ、会所の壁面にあのゴブラン織り。人出もまばらでゆっくり見せていただけました。前の祭りの鉾立作業も偶然通りかかり、放下鉾や長刀鉾の組み立てもパチリ!本当は24日の「花傘巡行」を追いかけたかったのですが、今年はレッスンがあり断念。ゆっくりまた見たいと思っています。
さあ夏休み、お盆の一週間を除いて前後一週間ずつ「夏の補習」があります。東京からも午前・午後と来てくださる方たちもいて、のんびりしてもいられません。8月末には久しぶりにスエーデンに出かけ、友人夫妻と湖水地方へも行く予定です。それまでに「西安」の図を描き、秋の作品も仕上げなければならず、暑いけれど楽しみながら過ごしたいと思います。みなさまもどうぞお元気で。また9月の半ばまでには旅のご報告をいたします。
ごきげんよう・・     2014.7.31 asako

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長刀鉾の鉾立て作業