浜さんの司会でトークショー

春・箱根と京都

翌日はスエーデンから里帰り中の美代子さんと京都巡り。アンジュに来てくださって、ネットで探したという素敵な小ものたちをおみやげにいただき感激です。ご案内の一番は烏丸三条の「千總」さんへ寄り道をしてから「ホテルモントレ」の最上階13Fで温泉へ。街中に見つけた癒しの空間です。ランチも同じフロアにあるラウンジで・・。北山を眺めながらゆっくり過ごします。九州・小倉のご実家を経て2週間滞在の最終日ですから、ほっこりさせてあげたかったのです。その後、左京・東山の法然院へ。ここは40年近く前に訪れたときに感動した光景が忘れられません。ご本尊前の台座が磨き上げられ、そこにむくげの花首が放射状に美しく並べられていました。その後も訪れる季節によって花の種類は替わりますが、今回は椿でした。京都のお寺のどちらでもみることの出来ない法然院が守る雅なしつらえなのですね。
すこし北へ歩き、古布の店「もすりん堂」へまいります。以前、東寺の弘法さんで市に出ていた布を求めたときから訪ねたかったお店です。哲学の道にも近いけれど、喧騒も届かない和風の民家です。欲しかった藍染の古布を見つけてラッキー!美代子さんも興味深そうにお座敷の店内を見回し、帰ったらお誕生日というご主人のエイナさんへ、およそ100年前のものらしい陶器のお人形を探し出しました。桃太郎の一行らしく、キジ・犬・猿のお供つきです。
いよいよ満開で近づくのが恐ろしかった「哲学の道」。中国・韓国・欧米・・世界中からの観光客が琵琶湖からの疎水に並木となる桜を愛でてそぞろ歩き。桜ほど幸せな花はありません。寒い冬から解放される喜びが運んで来てくれるからでしょうか。しかつめ顔の人のいない笑顔の桜道でした。

初日には午後からトークショーがあり、アンジュ・アカデミーの生徒たちや、女子美の友人、やまぼうしさんのお知り合いなど、時折小雨の降る中をご参集いただけてありがたいことでした。浜さんの司会で、ニットデザインの生まれる状況や、私を含めてアンジュのニットを着ていると、必ず声を掛けられる・・というお話や、田部さんはアルカイダやISの姿も皆無の頃に中東などを旅されて、数々の得難い石の収集をされたこと。また銀細工のアフターケアなど誰もが聴きたかった知恵を知る機会となりました。
4泊の連泊が叶わず、箱根ホテルに2泊、一度泊まりたかった「山のホテル」にも2泊して、二つのホテルの良さを味わい、どちらも温泉施設がリニューアルされていて快適でした。
日曜・月曜とギャラリーで遠来のお客さまをお迎えし、火曜日に霧に包まれた幻想的な山を下ります。どこもかしこも中国系の賑やかな団体さんに囲まれ「ここはどこ?」状態。ランチは小田原城に近い「勝寿司」を教えていただいて、「本日の取れたてにぎり」の美味しかったこと!せっかくなのでお城を抜けてお花見をし、駅チカで和菓子の「菜の花」にも立ち寄り、田部さんとお別れして小田原にも停まる「ひかり」で帰洛しました。

もう4回目となる展示会ですから、タペストリーのパネルも事前に用意してくださって手際よく進むころ、初めて出展のデルフィさんも東京から到着。総レース柄のスカートやワンピースとサマーニットのコラボレーションが可能となりました。田部さんのアクセサリーと共に、この夏の装いを提案いたします。いつもながら古材の梁も見事な空間を自由に使わせていただいて、夕刻早くには準備が整いました。浜さんはエプロン姿で奥のキッチンとギャラリーを行ったり来たりしてらして、いつのまにかディナーの支度も・・。いつものことながら恐縮しつつ、お手料理の数々の並ぶお洒落な食卓で舌つづみ。至福な展示会の前夜祭は更けてゆきました。

2016.4.12  asako

珍しい長寿桜

もすりん堂

4月1日(金)サマーニット展のため、箱根「やまぼうし」さんへ向かいます。小田原に停車する「ひかり号」は本数も少なく選択肢がないので、10時40分到着。11時半発箱根ホテルからお迎えのリムジンバスが来るまで、待ち合わせた田部(タナベ)さんと、駅ナカの本屋で立ち読みなどして過ごしました。旧道を行く乗客二人だけの貸切バスは、小田原市街から桜を見物させてくれて、芽吹き始めた樹々の初々しい若草色にも心が弾みます。畑宿など寄木細工の里を経て、約40分で箱根ホテル前。ランチバイキングは、数日前では予約も取れないくらいの賑わいでしたから、湖畔に近いラウンジで静かにランチプレートをいただきました。
お約束した1時半ジャストに「やまぼうし」着!標高の高い箱根町はまだ桜も固いつぼみです。2年半ぶりの浜邸は、いつものように趣のある静謐な空間ですが、今回は可愛いニューフェースに会えるのが楽しみでした。ギャラリーのオーナーである次男さんはこの間結婚され、昨春お嬢さんを授かってパパとなりました。遅まきながらのお祝いを喜んでくれるでしょうか?届いていた荷物を開け展示の準備をしていると、お昼寝から目覚めたYちゃんの登場!なんて可愛いんでしょう。白い家と、天使が犬と散歩をしている絵柄のプレゼントベスト。ご本人はキョトンとしているのに、浜さんはじめ周りの大人たちが大興奮!何年か着られるように少し大きめに作りましたが、早速着せてくださり撮影会となりました。喜んでいただけてほっとしたのです。

哲学の道にて

←この写真は女子美の友人さんの撮影

Y ちゃんへのプレゼントベスト

小田原城の外堀桜

玄関ロビーには「3・11を想う」のタペストリー

ひと休みは岡崎に出現した「蔦屋書店」のカフェレストランへ。旧京都会館がロームシアターとなり、隣接してモダンな空間が生まれました。二条通りに面しているので、欅の新緑を眺めながらのカフェタイム。もう少し気温が上がれば2Fのテラス席は、絶好のロケーションにちがいありません。
美代子さんはウプサラへ戻ったら、ダーラナのサマーハウスでの土起こしに出かけるとのこと。また旅の話となり、いつかノルウェーのベルゲンまで行きましょう・・と、夢が広がりました。
バスで移動して、あちこち夕景の桜を眺めながら四条大橋を渡り、先斗町の路地を抜けて夕食のあと、昨年リニューアルした河原町通りのBALビル地下にある「丸善」で本探し。美代子さんは小倉から「藤沢周平」など10Kgの書籍をすでに送ったそうです。
私の行きたいところにお付き合いいただいた感がありますが、晴天に恵まれ桜と共に過ごせた楽しい一日でした。翌日、美代子さんは春の嵐の中をヘルシンキ経由でストックホルムへ無事帰られたようです。

春から初夏へと季節も歩きます。元気に過ごしましょう。