ではお昼時ですからランチもショッピングも一度にかなうマーケット「マルハイネケ・マルクトハレ」へ。19世紀の後半に出来た市場ですが、第二次世界大戦で打撃を受け、50年代に建て直されたもの。近年リニューアルされたようで、明るく清潔で美味しそうな果物・野菜・肉屋(ソーセージ)・魚屋に加え花屋・文具などの雑貨屋もあり、ナッツ屋さんでは見たこともないナツメとクルミやナッツ類のコラボレーション菓子を早速求めてしまいました。
ベルクマン通りに面した通路には各店舗直営のレストランが並び、テイクアウトしてカウンターで食事も出来るし、通りに置かれたテーブルでお食事も可能です。しかし私たちは2階にあるオーガニックなレストランに決定!イケメンの店員さんたちがキビキビと働いて気もちの良いコーナーです。ガイドのY氏は「初めて来たけど、TVで見たときは、もっと暗い感じだった」と素敵な店内に驚いています。ケースに入っているベーグルに挟んだ、いかにもヘルシーな素材のサンドイッチとかメニューに書かれているスープを、「あれ!・これ!」と指させば買えるのに、Y氏は優しくて、これも仕事とばかりに付きっ切りで全員のオーダーをドイツ語で伝えてくれました。それからU氏・Y氏・O先生の男性三人は1階にある、もっとボリュームたっぷりのコーナーへと消えましたけど・・。
周辺の住民やオフィスマン・オフィスガールたちの集うマーケットらしく、もちろん観光客の姿は私たちのみ。解散・集合!を繰り返しながら、お土産を買ったり楽しくランチタイムを過ごしました。

関東地方も梅雨明け、今年は猛暑の予報です。疲れが出ぬよう気をつけましょう。アンジュも夏休み、ヘルシンキ編は8月2週目以降なります。 お元気で。   asako

2016/7/28

さて、いよいよ今回ぜひ行きたいと思っていたところに向かいます。やはり旅のことを考えていたからでしょうか、「家庭画報」4月号の特集がタイムリーな『ベルリンの桜』に目が止まり、思わず求めてページを繰ると、ベルリンの市民があちこちの桜のもとでお花見をしている光景!その一つに「ブルーノ・タウト設計のカラフルな住宅街に映える桜」というページがあり、強く引き寄せられました。著名な建築家であることはもちろん知っていましたし、きっと6月には花が終り緑になっているけれど、もしかしてその一角でニットの撮影が出来ないものかと思案したのです。
そのブリッツ集合住宅はベルリンの南にあり、少し遠いかと危惧していましたが、Y氏は躊躇なくGO!しばらくぶりだと言いながら「ここです!」と誇らしげに案内してくれました。馬蹄形の・・と、聞きなれない言葉に戸惑いながらバスを下りて歩くと、「わあ!何これ」と驚きました。誌面で見た住宅とは異なるものでしたが、3階建ての白壁マンション?が本当に馬蹄形に現れたのです。真ん中が芝生の庭で、すり鉢状になった所に小さな池。周りには木立ち。見たことの無い集合住宅です。アンジュの生徒のひとりで一級建築士のMさんは、定年まで大阪の大手建築会社で設計を担当し、現在も注文建築を手掛けているのですが、そのMさんが「石井先生!連れて来てくれてありがとう!」と言ってくれました。アンジュご一行さん感動の光景です。1933年に完成した住宅がベルリンで残っていることも夢のようですが、各テラスの奥の壁がブルーに塗られていて、プランターには花が咲き、まるで幸せを体現している様子に言葉もありません。そういえば代官山や表参道にあった趣のある集合住宅は、ブルーノ・タウトの影響を受けたものに違いないと確信しました。ブリッツ集合住宅は100年近く前、5千人の労働者のために造られたものです。内部は現在のものとは異なり不便さもあるでしょうが、上手に手を入れ、順番待ちの人気があること間違いなし!バスの停まった近くには不動産屋がありましたから・・。一帯には少し高層のものもあり、壁の色が多様で、グラビアに撮られた家々がありそうな隅々まで歩きたいけれど諦め、ニットの撮影も時間的に無理と判断。しかし一行を興奮させてくれたアートに脱帽です。

初夏のアンジュツアー Ⅵ

ドイツⅡ・ベルリン b

庭の中心には小さな池

ブランデンブルフ門の後はマイプラン! アシスタントのHが見つけてきたお洒落なベルリンのガイドブックから、曜日や場所を特定してチョイスしたお店も巡ります。朝の出発前に添乗員のU氏とガイドのY氏に数か所希望を伝えておきました。すると「ここがアカシヤ通りです。番地からいうとこの辺だけど・・」とY氏が言うけれど、天然素材の生地屋さんは「14時からですよ・・」と念押ししながらY氏の眼差しを追うと、小さなお店の前の階段に座っているのは?ホームレスかしら・・。ドライバーのライナーさんと打ち合わせているうちに、きっと道順から一番にしてしまったのでしょう。場所を確認できたので、オープン時間を納得してくれたから帰りに寄ってくれるそうです。

もう一度アカシヤ通りへ戻るのに、Y氏とライナーさんは二言三言で心を通じ合わせ、市内を囲む環状線をバスは走ります。すると右手に「テンペルホーフ空港」。ナチスの利用していた軍事空港が見えます。今は使用されてなく、無言の空き地がかっての戦争を思い起こさせてしまいます。何も言っていないのに、同じ道を通りたくない気もちを理解してくれたガイドさんにプロ意識を感じました。
さて、さほど広くないアカシヤ通りに戻ると、片側一車線は駐車ライン。このような通りに大型の観光バスを長く停めておけないと思い、小走りに「フィシュー」という生地屋さんに行くと!クローズ!!14時は回っているのにがっくりし、せめてもとウインドーの写真を撮っていると、Y氏が「あっ、電話してくださいって書いてある」とメモを読み上げます。ケイタイを取り出して掛けると「15分で来るそうです」。でも「バスを停めておけないから行きましょう」と帰りかけた途端、「あっ、10分で来るって」・・というわけで待つことになり、まずは隣のチョコレート屋さんへ。

「わあ日本人初めて!!」と愛嬌のある女性オーナーに迎えられ何やら美味しそうな、オリジナリティー溢れるチョコの数々に感激です。店の奥まったところには由緒深そうな金庫があり、尋ねると「チョコが入っている」そうです。冷蔵庫代わり?長四角のジンジャーはホワイトチョコでコーティング。美味しそう・・とつぶやくと、すぐに相槌を打ってくれたのでゲットです。
狭いので買い物を済ませたひとは次のブティックへ。試着をするひと、冷やかすだけのひと・・。決して華やかな通りではないのに、なぜか親しみの沸く地区のよううです。
そうこうしているうちに「来られましたよ!」との声に戻ってみると・・・なんとお昼前に見かけた、一見ホームレスおじいさんが店主!自分の店の階段に腰かけていたのですね。190cmはありそうな大柄な方で、良くみると白いサマースーツに紫いろのスカーフを首元に結んでお洒落。鍵を開けてくれたくれた店内の狭いこと!実際おじいさんと私とガイドさんが入ったら、誰も入る余地なし。紹介文にも書かれていたように、布地は全て吟味したものであること、「ボタンはシャネルだよ!」。無理やり開けてもらったわけでもないけれど、記念に下の方から引っ張り出してもらって買ったのは、白地に紺色の鳥柄。50年代のものとか。アシスタントはボタンを買ったようですし、では記念に写真をとなり、私は隣へ走ってチョコ屋さんも一緒にと誘いました。通りのカフェに居るひとも何ごとかと興味深々。観光バスを乗り付けてちっちゃなブチックへ来た日本人なんて・・、しばらくアカシヤ通りで話題になること間違いなしでしょう。
ライナーさんが大型バスを上手に駐車していてくれたので、見送る二人に手を降りながら、そろそろティータイムですからカフェへと向かいます。

6月から夏休み 
カイザーウィルヘルム教会前で

クーダム通りにあるブランド街の一角に2012年オープンのGROSZ(グロス)。手前がカフェで奥がレストラン、天井が高く高級感が漂います。ケースの中から各自ケーキを選び、コーヒーや紅茶はマイセン?と思えぬ黒地のモダンなものでいただきます。
毎日、軽めのランチとお洒落なティータイムが日課となってきました。時刻は4時。ここで一応解散して、バスでホテルへ戻るひと、このまま歩くひとに分かれます。私とアシスタントはどこかで撮影できるかしら・・とロケハン。というより気になるお店を覗いて回っただけですが、大戦で塔屋が破壊されたままのカイザーウイルヘルム記念教会にも立ち寄りました。結局ベルリンでは撮影せず、歩き疲れてホテルに戻ったのですが、皆さんはホテルからあらためて街へ繰り出し、教会近くのデパートで大量のお買い物が出来たようです。その夜はドイツ料理で乾杯!やはりまた訪れて、まだあちこちに点在する「ブルーノ・タウトの集合住宅」も見たいですし、桜の咲くベルリンも見てみたいものだと思いました。  つづく

クーダム通にある
高級感溢れるカフェ
<グロス>

奥のレストランから
眺める中庭

バスの窓から

ブルーノ・タウトの集合住宅

空から付近一帯の俯瞰写真ポスター

通り側

こんな楽しいツアー初めて!

馬蹄形の住宅

ナツメとナッツ類のコラボ

マイセン磁器でティータイム

ヘルシーサンドとトマトスープ

オーガニックの紅茶屋さん

野の花が可憐な
フラワーショップ

庭側

フィシューのオーナーとガイドのY氏

お騒がせの記念写真

すこし高層の住宅棟

チョコレート屋の
陽気なオーナー

白壁の3階建て

、<フイシュー>のウインドー