ラ コリーナの草屋根を南から・・

次は「ローズガーデン」、約60種180株のバラたちが植えられているようです。順路に沿って歩いていると、思わぬところにかわいい家があったり、お洒落なテーブルセットが置かれたり、楽しみながら作庭されたことが伝わってきます。花たちの借景には欠かせない舞台装置ですね。バーベキューコーナーやクラフト体験コーナーなど数々の施設もあり、ソフトクリームの小屋に思わず立ち寄りました。
ブドウの温室を抜けると羊の牧場へ向かう坂道。ローザン鉄道ミルキーウェイも走っています。とにかくてっぺんまで登ってみると、アニメ「羊のショーン」のファームガーデン。英国から移築したような田舎家もあり羊がのどかに草を食む光景を見渡して、自粛で縮こまった心と体をほぐしました。山肌には教会もあって結婚式も執り行われる様子。そのわきにはヒルサイドカフェ「Tearoom」と、13.000m2の広大な敷地にはなんでもありです。
あちこち寄り道しているうちに集合時間に間に合いそうもなく、数人で小さな汽車に乗ることになりました。遅刻しそうなのになんとものどかな時間です。東の斜面にはブルドーザーもいくつか見え、まだまだ夢を広げているのですね。夜にはイルミネーションも楽しめるらしく、ライトの造形が陽ざしに輝いていました。結局お目当てのショップで花の苗など求める時間がなくなりスルー。またいつかゆっくり出かけようと思いながら12時出発、彦根へ向かいます。

まずは「バラと宿根草の庭」へ。快晴の空に向かって秋咲きのバラが咲いています。穏やかな日でしたから足元の花々も陽ざしを浴びて心地良さそう。
大きな池から流れる小川を渡ると、木漏れ日が優しいシャガの庭と名付けられた一帯。この季節には咲いていないけれど、シャガの群生が想像できる静かな雰囲気が漂っています。池沿いには枕木を敷き詰めた小道がつづき、もうススキも風に光り揺れています。

秋を探して Ⅲ

さて琵琶湖岸を走り、いよいよラストを飾るのは『ラ コリーナ』。和菓子の「たねや」と洋菓子の「クラブハリエ」の拠点とあって話題です。不思議な空間に出会います。草屋根の上に松の木があったり、近づいて分かるのですが、草屋根のあちこちから水管が出ていて植栽を常時潤しているようです。大きなアールを描く建物は銅屋根の本社屋や店舗・栗百本(栗の木を建材としている)などがあり、取り囲むのは水田。地域・社員総出の農作業が展開されるという「たねや」スピリットが目の前に広がっています。

米原の「ローザンベリー多和田」と共に、荒れた土地を夢のある空間に蘇らせ、また地元の人々の雇用も生み出されたことに感動します。東京クラスのYさんが「関東にはないガーデンですネ」と言われたことも印象に残りました。

でもとにかく行列!ウィークデーなのにこの混雑ですから休日の混みようは半端ないことでしょう。「和三盆のバームクーヘン」が一番人気!どれもここでしか味わえない焼きたてが魅力です。比較的空いていた「カステラカフェ」でティータイムといたします。八幡山の東に生まれた「ラ コリーナ」とはイタリア語で丘の意味。北の遠景に「ヴオーリズ記念病院」が見えるのも得難いものです。

もう100年以上も前にこの近江八幡に宣教師として降り立った米国人のウイリアム ヴォーリズは、英語教師から建築家へと転身をして、貧者のための結核療養所をはじめ、この地では「メンソレターム」の近江兄弟社を立ち上げたり、教会や学校も数多く手がけました。第二次大戦を挟んで、軽井沢のテニスコート・クラブハウスや、東京・山の上ホテルなど1.600余の設計を残したのです。「たねや」さんのお菓子も美味しいですが、時間があればヴォーリズの足跡も訪ねたいですね。

さて、夕刻5時過ぎには山科に帰着。あちこちで美しく紅葉した樹々も見ました。季節は確実に進んでいます。
暑かった10月から急に気温が下がったときは、これから一年が夏と冬の二季になるのかと心配しましたが、移ろいを愛でる機会をたびたび与えられて良かったです。気の合う方たちと楽しく小旅行を楽しむこともできました。24人がそれぞれ自作のニットを着ています。いつもは会えない他のクラスの方と交流を深め、見たことのないニットから学ぶこともあったでしょう。日帰りではありますが、良き気分転換となって、また冬に向かう日々を元気に過ごせればと思います。第六波が来ないようにと祈りましょう。みなさまもお元気で!

 2021・11・9  asako

羊の牧場

10月29日(金)朝9:00山科発のバス旅は、前日に京都入りして一泊された東京クラスの二人を含め、24名の参加者+添乗員による秋のアンジュ・ツアー。今回は滋賀県の湖東にある二つのガーデンを巡ります。まずは東インターから名神高速に入り、紅葉した樹々がちらほら見える沿道に秋探しの期待感も高まります。一時間弱で米原ジャンクション。北陸道わきから多和田の里を目指します。
開園から10周年を迎える『ローザンベリー多和田』は、実際は2003年から元採石場跡という過酷な土地を耕し整備して造り上げた一主婦による夢のガーデンです。
およそ18年の歳月が、元々の植栽と構想を練りながら違和感なく植えらえた樹々や宿根草で彩られる、誰もが憧れるガーデンとなりました。ウィークデーでもあり、まだ観光バスの姿は多くありませんが、広い駐車場から想像するとコロナ禍の影響がなければ、大勢の人であふれる憩いの場であるにちがいありません。

およそ30分で到着ですが、バスは彦根城の石垣の中を通り抜けてくれて、お城の情緒も少し味わえました。味わうと言えばランチはもちろん近江牛のすき焼き御膳!お城の西側に展開するキャッスルロードに面した「千成亭・伽羅」でいただきます。さすがに柔らかくて美味!大満足で食後には付近の散策も楽しみました。

紫色のレースフラワー?

ローザンベリー多和田 南のガーデンへのエントランス

秋草の庭

何気ない一隅が素敵!

ウェルカム フラワー

北側の畑を囲む草屋根の店舗棟 左手奥が「ヴオーリズ記念病院」

夜のライトアップを待つイルミネーション

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褪せた枕木道に落ち葉が舞います