翌朝はホテルのシャトルバスで近くの展望台まで送っていただき、隈研吾設計の「夢テラス」の回廊を周り、360度の景観を眺めます。お部屋から日の出を見ることのできた方もいて、この日も晴れて良かった!9:20ホテルを出発。すぐ近くの茶畑で「茶摘み体験」をさせていただきます。けっこう背高の茶畑に入り15cmくらいで摘み取り、持ち帰って刻んでパスタにも良いそうです。私はしばらく水に挿して初夏の緑を楽しむことにいたします。新茶の香り高いお茶もいただき詰め放題の深蒸し茶もゲットし丘を下ります。向かうのは「三保の松原」、羽衣伝説のある全長7km3万本の松林。打ち寄せる波音を聞きながら、松の木にロープを結び、アシスタントに引っ張ってもらって「編みこみ柄のベスト」をカシャッ。今回もキャリーケースに4点ほど入れてきて、あちこちで撮影しました。カメラが重いし迷いましたが、あとから「持ってくれば良かった」と後悔しないためには必然なことです。

さて旅も終わりに近づきました。清水港でお寿司のランチ。そのあと静岡駅で解散!どこも人出が少なくスムーズな移動もあって余裕のスケジュールでした。「桜家」さん他、ミュージアムやホテル、お茶畑などどこでも精一杯のWELCOME!でした。首を長くして待っていてくれたことに、コロナ禍の現状が痛いほど伝わりました。

広々とした気もちの良いロケーションばかりでしたから、時折マスクをはずして深呼吸もし、心身ともに癒される小旅行となりました。
この蓄えられた爽やかなエネルギーを糧に、まだ当分つづきそうな自粛期間を有意義に過ごしたく思います。午後2時過ぎには皆さんと、またいつかご一緒しましょう!と静岡駅でお別れしたのです。

   asako 2021・5・28

17年前の5月初旬、東京レッスンからの帰りに三島駅で下車して、そのころ伊豆高原に住んでいた友人にピックアップしてもらい、まずはこちらへと案内されたウナギの「桜家」。今回も伏流水の小川沿いにある安政三年創業「桜家」でのランチははずせません。12時、東京からゆっくりと出発されたGさんとY さんが改札口で待っていてくれました。合流して小型バスに乗車。「桜家」はコロナ禍でなければ大行列のはずが、満席だけどランチどきなのに静かです。奥の小部屋に通されたとたん、仲居さんから驚嘆の声になにごとかと驚くと、参加者の着ているサマーニットに賛辞!ほとんどの方が自作を召していて、「まあ!まあ!」が連呼され、これがコミュニティーサービスですね。時間をかけて編んだものに目を留めていただけるのは達成感以外のなにものでもありません。待つことしばし、お店の前まで流れていた良い香りの元が目の前に!柔らかくて美味しい!コロナでじっとしている間じゅう、あこがれていた「うな重」のランチを噛みしめます。京都からもう3・4回新幹線で通っているといるというTさんもいて話がはずみ、時代を感じるしつらいに囲まれて美味しく佳き時間となりました。

さあ17年前も第一目的であった「クレマチスの丘」へ登りましょう。新幹線の車窓から富士山も見えましたし、静岡は晴れてこその絶景です。まずはビュフェエリアの美術館へ。三島市郊外の丘の上、別荘地のような雰囲気の閑静な銀杏並木のつづく住宅街を通り抜け、桜並木で左折し緑のトンネルを分け入ると、そこにベルナール・ビュフェの美術館。一見、黒く力強いタッチの前で怖気づくのですが、日本とのご縁や暮らしの歴史とともに観て回るうちに、いつの間にかファンになってしまう不思議な力を持つアーティストです。アンジュの皆さんをぜひお連れしたかったミュージアムですが、何やらものすごく綺麗で整然としていて、前回との違いに戸惑っていると、7・8年前に改装されたとのこと。菊竹清訓設計であった旧館はゆっくりとしたスロープと吹き抜けのホールもあり、独特の内装でした。でも新装されてよりブュフェの絵が胸に迫ってきます。

若きころの風景画もステキ。類まれな画家としての資質と、歳を経るにしたがい上向きになる暮らしぶりにもホッとします。モデルで歌手でもあったベロニク夫人との出会いが幸せを呼び寄せたのでしょう。日本への愛着が描かせた相撲取りの「睨みあい」は横綱大乃国を描いたものでとても大きく迫力がありました。没後20年、世界一の収蔵を誇る美術館は。梢をを揺らす風音も爽やかな森の中。コロナで疲れた心が癒されました。そのうえ、今回は併設展として、日本のグランマ・モーゼスといわれる丸木スマ展!あの「原爆の図」の丸木位里・俊夫妻のお母さんが70歳からはじめた絵画の選抜展です。亡くなる81歳まで700点を描き上げた偉業は優しさにあふれていて、ここでまた会えるとは感激です。別棟にあるミュージアムグッズでのショッピングも心楽しいものでした。あちこち閉店を余儀なくされていて日頃スーパーやデパ地下以外でのお買い物とは無縁でしたから・・・。

クレマチス・ガーデン(ヴァンジ美術館)
エントランスのクレマチス

独特の文字が外観を彩る

ブュフェの絵の中に描かれている昆虫?の
モニュメント

クレマチス・ガーデンは、イタリアの彫刻家、ヴァンジの作品がなだらかな起伏ある庭園に置かれたり、思いがけない空間から覗いたり、伸び伸びと自然の中で遊んでいます。取り囲む緑は深く生い茂り、もちろんクレマチスやバラが額縁のような効果!真ん中あたりに四角い建物があり、ギャラリーとなっていて現代美術の作家展が開催中。館内を一階分下りガラス張りのドアを出ると、そこがクレマチス・ガーデン。以前より種類も増えてより魅力的なガーデンに成長!どれだけの種類があるのでしょう。ちょうど花盛り、まだ蕾のものも見えるので、しばらくはクレマチス・ガーデンの見ごろがつづくことでしょう。
「クレマチスと天使のセーター」を着ていたSさんが呼び止められています。「なんて素敵!」と東京から来られた観光客の方から写真まで撮られていました。「着てきた甲斐があったわ!」とSさん、本当に良かった!

 アンジュ

初夏の旅

歩きつかれて白い花ばかりのホワイト・ガーデンでティータイム。ハーブティーとクッキーのティーセットでひと休み。どなたのセットにもそれぞれ異なった小瓶に一輪の花が添えられています。ここち良い風が吹き渡り、ガーデンカフェとしても極上の季節とロケーションと思われました。帰り道は石段を上がり、水の流れに沿ってボーダーガーデンと呼ばれる細道で、クレマチスやネギ坊主のような紫のアリウムが見送ってくれるのです。ここでもミュージアムショップに立ち寄り、無念の断念をされた方たちにプレゼントをと、一輪挿しのガラス器などを見繕いました。それではいよいよ今回の目的のひとつである「日本平ホテル」へ約一時間で向かいましょう。静岡は広い!清水市の小高い丘の上に広がる雄大な敷地に建つ、6階建ての横長スタイルは写真でしか見たことがなく、ずっと「いつか泊まりたいホテル」の上位にいました。「富士山ビュー」のお部屋から、眼下に清水市街を眺め、夕暮れのピンクに染まった街の向こうに富士山の勇姿がうっすらと・・・。うっすらでも見えるだけで幸せです。梅雨どきなのですから。

5月25・26日と梅雨の晴れ間の二日間、私たち11名は添乗員H氏とともに「初夏の旅」へと出かけました。春のころから具体的にスケジュールを詰めていて、まさか「緊急事態宣言」が発令され、また延長となることや、梅雨入りの記録的速さまでは想定できないことでした。実際5名の方が諸事情でキャンセルせざるを得ないくなり、皆さん残念がっていて申し訳なく思い、自粛破りのようで肩身の狭い旅立ちとなりました。しかし私自身や他の方も一回目のワクチン接種が終わったり、PCR検査も済まされるなど感染対策も万全の旅です。今回は東京クラスの方の参加も視野に入れ、関東と関西の真ん中にあたる静岡を巡ります。

清水港のヨットたち

さて、ここでMAPを見ていたTさんが「吊り橋がある!」と言います。なるほど次の目的である「クレマチス・ガーデン」へは来た道を戻るのですが、森の中をショートカットのように散策路が横切っています。バス派とウォーク派に分かれてGO!水音は聞こえるけれど谷川のみえない緑の美しい草むらを見下ろしながら揺れる二つの橋を渡り、アップダウンしながら森林浴をし、また静かな住宅地を抜けて銀杏並木に戻り、あっという間にガーデン入口到着。約20分とはいえ久しぶりに自然の中を歩くことができました。

カフェ「ビオトープ」のテイーセット
レモングラスのハーブティーをチョイス

新幹線車窓から
「新富士」あたり

丘の上の「日本平ホテル」から
清水市街と富士山

カフェからガーデンを・・・

・・・・

ウグイスのさえずりも
聞こえる 森のつり橋