2022 新春

皆さま佳き新春をお迎えのことと思います。この年明け、ついに第六波が漂着しました。今年も感染者数に一喜一憂するのでしょうか。再び自粛要請が発令される事態は避けたいものですが、日米地位協定の曖昧さから沖縄・那覇や広島・岩国など基地のある都市の憂いは計り知れないものがありますね。重症者数が増さぬよう祈るばかりです。

これまで年末年始の冬休みは、海外への旅に出かける良い機会でした。パリから飛んできた絵本作家の里美さんとスエーデンで出会い、ウプサラにある友人の美代子さんの家に泊めていただき、その後ご主人のエイナさんがドライバーとなって雪のダーラナ地方をひと巡りしたこともあります。帰途、19世紀に活躍したスエーデンの誇る画家「カール・ラーション」の家を訪れたことは忘れられない想い出です。

小さな湖畔にたたずむレンガ色と白に塗られた家は財団運営のミュージアムとなっていますが、冬期はクローズと思って家の周りをを散策し、最後にもう一度と、ガラス窓からのぞいていると「あら気が付かなかったわ、どうぞお入りください」とひ孫のカーリンさん。ご主人やお友達と楽器を持ちより演奏していたとのこと。画集や絵本に登場する室内を「自由に見てください」と言われて、また演奏をはじめられたので、私たちは生演奏の素敵なバックグランドミュージックつきで見学させていただけたのです。
庭に出れば湖に浮かぶ小島の雪景色。白いロケーションが早めの夕暮れにピンク色に染まりゆく光景に見とれ、何年たってもいつまでも忘れることのできないひとときでした。
2015年末には『ラブリーニット100デザイン』の出版前にサマーニットの撮影がしたくて、冬休みを利用しオーストラリアのメルボルンに行きました。大手の建築会社で一級建築士を勤め上げられたMさんとの二人旅です。同い年で年末やお正月に縛られない生活環境という気楽さも旅に不可欠。おまけのようなタイ・バンコックでの乗り継ぎも興味深く、初めての国にチョイよりも楽しいものです。
メルボルンは世界で住みたい街NO1に何度も選ばれるだけあって、異国ながら居心地のよい街でした。季節が真逆なので持参したサマーニットは、花や緑に囲まれて涼し気にカメラに収まってくれました。(南半球へ 2017・1・12日号に掲載)。

これらの旅はバックナンバーでご覧いただけるのですが、スエーデンの旅は1995年1月でしたから、まだブログを開始していないので写真でご紹介いたします。しかしマイクロソフト社は勝手にデバイス更新などをしてくれるので、写真や文字が重なって見えにくい部分が過去のものには多く見られます。時間があればひとつずつ手を入れたく気づいたところから手直ししていますので、当分見苦しさをお許しください。では今年も気まぐれブログに気長にお付き合いいただけますように。どうぞよろしく。

2022・1・11 asako

  タペストリー 『プラハ』
   ラブリーニット100デザインより

またある年は大晦日の夜に出るエミレーツ航空の南回りでドバイ経由ウィーンに出かけたこともあります。時差もありますが、トランジットの間に夜明けが近づいてきて、初日の出を空港のラウンジで拝んだのです。
旅はチェコのプラハが目的でしたが、友人とアシスタントの三人組はあちこちでずっこけながら何とも楽しい旅となりました。ウイーンではニューイヤーコンサートのチケット売りに付きまとわれ、当日券が入手可能と知るけれど、三人で予定外のイベントに似合う服装がかなわずパス!それでもトラム(市電)に乗って奇才と言われた建築家のフンベルト・バッサーのユニークなアパルトマンなどを巡り、古都リンツではドナウ川を渡り、とにかく終点まで行こう!とトラムに乗れば、いつの間にか標高を上げ、ふもとは晴れていたのに雪が舞い、終着駅は吹雪いていました。駅舎隣接の教会で雪やどりのひとときも想い出です。
プラハは「京都市との姉妹都市」ですから、タペストリーのイメージを掴む旅でしたが2012年に完成した作品は、2016年6月に記念行事の行われるプラハを生徒さんたちと再訪し、作品は会場のロビーに飾られました。
(2011・1・10冬の旅)に掲載)
さて昨今、年賀状の終了を告知される方が増えました。インターネットの普及が一因ではありますが、何もかも永遠につづける慣習ではないという思いが形となってきました。私もそろそろと思い、アカデミーの生徒たちやお世話になった方々、友人知人たちには必須ですが年々枚数を減らしています。このブログにアクセスしてくださる方々には、もう10日も過ぎてからですけれど、この場でご挨拶をさせていただきます。今年もどうぞよろしく。

    一月のアトリエ
 『雪のSL』の額絵とハウスたち
 白いオーガンジーを敷き詰めて
 雪のイメージです
  

画家 カール・ラーションの家と庭先の湖
スエーデン・ファールンにて

 アートダイジェスト社刊
   2017年10月刊行
       ¥2.200
     A5版変形 151P
撮影とエッセイも手がけました。
旅本のようなニットブックです。
100のデザインをお楽しみください

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