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ケルン市長さんと

壁を伝う緑のさりげなさ・・

6日(月)、この日は午後から市庁舎でレセプション。それまで自由行動です。朝ゆっくりしてからいつもホテルの5階ロビーから眺めていた広々とした裏庭に出てニットの撮影。黄葉した木々となだらかな芝生の斜面でカシャッ。秋らしい作品をケルンで撮ることができました。その後、Tさんと二人で散策しながら集合時間まで街歩き。以前ひとりで来たときに歩いた記憶を辿ります。途中で静かな教会へ寄ったりしながら、大聖堂の周りとは雰囲気の違う落ち着いたエリアをウインドーショッピング。雑貨屋さんでクリスマスグッズを買ったり、屋台の花屋さんでヤドリギに見とれたり、ルクセンブルグ(工場がある)でも見かけた愛らしい食器の「ビレルロイ ボッホ」のお店に寄ったり、チョコレートでも有名なケルンらしい、お洒落なお店で買い物など、観光客らしい時間です。
ランチ集合のあと、市庁舎へ行って、控室で着替えをし、市庁舎ホールでの「ケルン市による歓迎レセプション」。現在二期目という女性市長さんや京都市議会議長によるご挨拶のあと、日本舞踊や若きアーテイスト四人による演奏、そして交流合唱団の歌と、吹き抜けのホールが友好の場となりました。私もヘンリエッタ・レーカー市長さんにご挨拶。タペストリーのクリアファイルを手渡すと、「観たい!」と言われましたが、、すぐにマイン会長さんなどが、「展示はもう終わった。良かった!」などと口々に言ってくださるので、市長さんは「残念、来年三月に京都に行くのでお会いしましょう」と言われました。
姉妹都市のタペストリーを制作してきたことで、アートが市民交流に役立つことを実感し、平和だからこそ行き交うこともできる事実を重く受け止めました。ウクライナやガザの人々には、今は望めぬ時間であることも哀しいことです。
5日(日)オランダのマーストリヒトへ日帰り旅の日。ケルンはドイツの中西部にあって西側の諸国と交流も盛んです。空は曇り、いつ雨が降ってもおかしくない空模様。2時間ほどでオランダ着。マーストリヒト川の脇に停車したバスから下りて川沿いの道を旧市街へ歩きます。マーストリヒト条約という言葉を聞いたことがありますね。この街で条約が結ばれたのです。それくらいの知識でしたが、秋の展示会と初エッセイの出版を取材してくださった京都新聞のG記者さんに旅の話をしていると、「わあマーストリヒト!行きたいと思っているんです」とのこと。WHY?と思っていると、「世界一美しい本屋さんがある」って初耳。それでとても楽しみにしていました。まずはセント・セルファースト教会へ。石畳の旧市街を歩いているとなんだか楽隊が近づいてきます。退役軍人たちのパレード?教会のある広場まわりにはクリスマスの装飾が華やかなカフェやレストラン。冬空の下の日曜日らしい光景でした。
教会を見学後、広場近くにあるショッピングストリートへ。ガイドさんが案内してくれたのは本屋!なんと元教会だったのです。美しいはずですね。突き当たりのステンドグラス前にはカフェがあり、それは本屋さんとしては唯一のものでしょう。私は編みものの本を探し、クリスマスオーナメントもゲット!カウンターに並んでいたら「ラッピングしますか?」と日本語で話しかけられ、思わぬことで嬉しいですね。サンタ柄の包装紙に小さなベルを付けてくださいました。
ランチ後、旧市街の細道をくねくねと曲がりながらバスの停まっている所までウオーキング。城壁の外側は芝生の広場。砲台も並んでいます。落ち葉を拾いながらの散策も良いものでした。
午後はドイツに戻り、ケルンに帰りがてらアーヘンという古都に寄り、北部ヨーロッパ最古の聖堂と言われる大聖堂を見学します。ケルン大聖堂より位の高い「皇帝の聖堂」と呼ばれ、荘厳な雰囲気でした。聖堂のまわりにはクリスマスマーケットの準備が整っていて、11月半ばから賑わうことでしょう。古めかしい小道を歩き、アーヘンで有名というパンとケーキのお店でティータイム。ホットココアが美味しく、クリスマス間近の街を眺めながら、街の人々といっしょに日曜の夕暮れどきを過ごしたのです。

11月4日(土)、この日はケルン市内の外れにある展示会場でタペストリーの展示をします。ツアー参加者の皆さんはボンへの小旅行。途中全員で元質屋だったという由緒?ある建物へ。私は持参した貼れパネを組み立て、タペストリーを貼り終え設置をすませて隣のホールに行くと、オープニングのセレモニー。
2022年度のミスワールド・ドイツ代表(ケルン出身)もいらして、ひと際スラッとした容姿が目を引きます。わが京都国際交流合唱団も団長のT氏が踊るような指揮をして、会場を湧かせながら歌われました。その後みなさんはボンに向けて出発。私と添乗員のU氏は残り、タペストリーを見守りがてら他の参加者たちの着物やアニメ作品などの展示を観たりして、来場者との交流をしました。ケルン独日協会 会長のカール・ハインツ マイトさんも来られ、流ちょうな日本語で「素晴らしい!」と言ってくださり、ミスドイツも立ち寄られられたので一緒に記念写真を撮りました。
U氏とランチに出かけた展示会場のある街は城壁があり、落ち着いた街並みでした。フルコース的なランチがつづいたこともあり、カフェであたたかい飲み物と美味しいパンのシンプルランチで寛ぐことができました。午後にはU氏と交代で街の散策に出かけ、秋も深まる街並みを写真に収めるなど、自由な時間が嬉しかったです。
夕刻、タペストリーを撤収し、ベートーヴェンの生家を見学などして戻って来たみなさんのバスに拾ってもらい、ケルン大聖堂近くのパブへ。驚いたことに地下二階くらいなのにローマ時代の古代遺跡かと思うような古めかしい作りながら、どのテーブルもいっぱい。上の階も満席、隣近所のパブも同様でしたから、元気でモリモリ食欲旺盛のドイツ国民のたくましさに目を回し、これは毎晩同じ感想でした。それに比べて元気のない日本のことが気になったものです。

2023 晩秋 Ⅱ

美しい陶器のビレルロイ ホッポ

日本からドイツに留学している 
学生たちによるコンサート

7日デュセルドルフからドバイを経て8日17:05 関空着。翌9日から「京都文化博物館」での展示会準備に入り、休みなしで16日に搬入17日初日。腰が曲がりそうになりながら三日間の会期を終えました。久しぶりにお会いする方々、新聞を見て来られた方々、三日間で600名のご来場は嬉しいものでした。エッセイの「マルシェ」の章に書かせていただいた45年前にフランス語を短期間教えてくださったO先生がロビーで展示会のご案内ポスターを見て5階まで上がって来てくださいました。そういえばご案内のDMをお送りしていませんでした。今回はバタバタの極致で、行き届かず失礼した方には申し訳なく思っています。数年前にやりとりがあったとはいえ、45年がどこかへ行ってしまうほど、O先生との再会は嬉しいものでした。私の雰囲気が当時と全然変わっていないこと、そしてタペストリーなどの作品を丁寧に観て花丸をくださったことも言葉にならぬ感動でした。また最終日、気品ある和服姿の老婦人が近づいて来られ、「先生でらっしゃいますか、私はこれまで工芸・絵画あらゆる作品展を観てきましたが、これまでで一番素敵です」と言ってくださったとき、それまでの疲れがどこかへ飛んで行ってしまいました。
作品を作り搬入搬出、お当番を手伝ってくれたアカデミーの生徒たちの力を得て成し遂げられた展示会。もう二度と大きな展示会は無理に違いないと思うほど、力尽きそうな日々でしたが、そのお言葉に救われました。搬出の始まる前、会場を見渡して20余点のタペストリーと、102点のニット作品全てのデザインを手がけたと思うと、デザイン生活では氷山の一角ではありますが、感慨深いものがありました。

会場までいらしてくださった皆さま、行き届かぬこと多々あったことと思いますが、お許しください。ニットのタペストリーというアートを初めて見られて驚く方々、ニット作品の色調が上品、、行って良かった等々、どれも嬉しい感想ばかりで、これからの力となりました。ありがとうございます。遅くなりましたが、お礼を申し上げて今年のブログをクローズさせていただきます。

今年も暮れてゆきます。皆さまどうぞ良いお年をお迎えください。 
   
2023・12・28 asako

ケルンの花屋さんにも
ヤドリギの季節

世界で一番美しいと言われる本屋さん

ケルン市郊外の街にて

ケルン独日協会会長のマインツ氏と
ステンドグラスのタペストリー

アーヘンの旧市街にて

アーヘンの大聖堂

旧市街の城壁広場

カフェテリアはステンドグラス前

オランダ・マーストリヒトにて

姉妹都市締結60周年記念セレモニー

京都国際交流合唱団