正面門から住宅街の坂道を下って、広い通りでバス停を見つけ、グラシア通り方面に向かうバスに乗車。バスを下りてグラシア通りを歩き、ガウディの有名な集合住宅「カサ・ミラ」へ。エレベーターで9階にあがると、これまた実業家のミラ邸。ミュージアムとなっています。採光を取り入れるための中庭があり、円形に造られたマンションです。子ども部屋・家事室・寝室・リビング・ダイニング、カーブしながらワンフロアの半分を占めるすべての部屋が素晴らしい！屋根裏は洗濯場と物干し場、マンション各家のお手伝いさんたちのおしゃべりが聞こえてきそうですが、丸みを帯びた天井と梁の数が計算された屋根裏部屋、巨匠の創った空間で家事仕事の時間が流れていたのですね。
屋上に出てみます。きょうも快晴青い空。通風孔がユニークにニョキニョキ。煙突ひとつどこかにひねりを入れずにはいられないガウディさん。バルセロナを楽しい街にされた立役者！もう拍手するしかありません。さて遅めのランチをとホテルのあるランブラ通りの方へ歩いていると、サラリーマン風のひとたちが出入りしているレストラン。何か良さげでガラスケースの中のお惣菜をチョイスしてテーブルまでセルフサービス。ラザニア風と、まるでグリーンピースにしか見えない、グリーンのソースで味つけされた大きなマカロニをいただき美味しかったです。ホテルへ戻ってちょいシェスタで身体を休めました。

看板を見ながらついでのことにと、西の果ての丘の上まで歩きました。大小三つの塚があり十字架が祀られています。バルセロナの街も見下ろせて眺望もあり、この景色は富裕層にだけ得られた特権でもあったことと思います。では住民のための広場であったところまで山道を下ります。陽ざしがあるので歩いていると汗ばむほどです。広場に到着！円形の広場をぐるりと取り囲むベンチを兼ねた低い囲いは、ゆるやかな曲線を描きモザイク柄がほどこされています。広場からも街を眺められ、「サグラダファミリア」も正面に見えています。ここも団体客の多くは韓国の方たち。皆さん元気いっぱい。ちょっと淋しい日本です。
階段を下りるとカエルとかトカゲとか言われる噴水があり、その前で韓流スターのようにポーズを決めて写真を撮る人々を眺めながら、私たちも順番を待ちました。広場の下が見事です。86本の柱と天井に描かれた模様に見とれます。ガウディ建築のひとつの特徴として柱の美があることに気づかされます。暑いのでカフェでひと休みしてから正門の両脇に建つ、なんともユーモラスで可愛い二つの小屋をのぞくと、どちらもミュージアムとショップでした。二階には小部屋もあり、守衛さんも管理人さんも仕事をしながら暮らしていたのでしょう。しかしなんともおとぎの国の家のような二軒でした。

夕刻、サン・ジョセップ市場を見学して、ランブラ通りの南にあるレストランが並ぶあたりで名物のタパスをデイナーとしたく選りどり見どりの中から「TAPA　TAPA」へ。レストラン選びに「ハズレがないわね」と乾杯！！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく

2月3日、バルセロナ三日目の朝もクロワッサンの朝食を終えて9時過ぎにホテルを出発！この日は「グエル公園」に向かいます。モンジュイックの丘とサグラダファミリアをはさんだ丘の上、メトロとバスを乗り継いで公園の東端に到着。
実業家のグエル氏が丘の斜面に分譲住宅を建設するためガウディに依頼しましたが、思ったほど希望者が集まらず、現在も残っているのは二軒と広場と入口の元守衛小屋と管理人小屋のみ。
東門は丘の中腹にあたるところでしたから、まずは現存する一軒のお屋敷（あと一軒はガウディミュージアム）にうかがいます。クネクネと山道をまるでトレッキングのように歩いていると高音のインコたちの鳴き声も聞こえます。グリーンのインコは樹々の間を飛び交いますが、いったんどこかの枝に止まるとまるで保護色、声は聞こえても姿が見えません。
ようやく着いたお屋敷は当時でも守衛門から馬車でだいぶ登って来なければならなかったでしょう。別荘感覚であれば暮らせたかも知れません。

春三月となりました。お変わりありませんか。この間、東京クラスのレッスンに上京したり少しせわしなくしていて、バルセロナのつづきにかかれませんでした。いっきにラストまで済ませたかったのですが、スペースの容量が足らず次回にいたします。
ウグイスが鳴いて陽ざしのある日中はあたたかです。季節の変わり目、どうぞご自愛ください。

asako 　2023・3・7