ムタピリスは一重・五弁
2023 初夏
5月も半ば、初夏となりました。新緑に誘われて、たびたび植物園を訪れています。
5月6日(土)、連休も終盤となり、京都へ押し寄せて来られた人々をかきわけて、無事にたどり着くかと思いましたが、地下鉄を利用すれば混み合わずに「北山」着。北門からお邪魔します。さっそく入口右手のウェルカムステージと、ひそかに名づけている季節ごとに入れ替わり植栽される一角へ。裏手にまわるとまあるく、ほんのりピンクのお洒落な花に目がとまります。「マグノリア」は花芯が濃いオレンジで気品のある姿。初めて間近で見た気がします。
丈高い針葉樹の森を西へ進み、この日お目当ての「オガタマ」へと急ぎます。わが家で咲き始めたオガタマがフルーツ系の甘い香りを放っているところから、植物園で群生しているオガタマの香りはいかがかと思ったのです。大芝生広場の北側、カフェなどのある裏側と以前聞いたことがあります。期待で足早になりながら目的地に着いてみても花の香りがしません。細い幹のオガタマが4本ありますが、まだ2・3輪が開きはじめたところでしょうか。札には「トウオガタマ(別名 唐種オガタマ)江戸時代に中国より伝来、神社によく植えられている」と書かれています。やはり植物園は京都でも北に位置しているので、開花が山科より遅いのかもしれません。ふとみると隣にに何やら見たことのある白い花、「ナンジャモンジャ」は「ヒトツバタゴ」とも呼ばれて、花が咲かなければ見過ごしてしまうほどの目立たぬ木がちょうど満開。新緑の若い緑にまるで雪が降ったように咲いています。これはラッキー!何しろ植物園のあと、「ナンジャモンジャ」を見に洛西まで行く予定ですから、植物園でも見ることができたのは花どきと教えてくれて幸いなことです。
カキツバタ・アヤメ・ショウブなどの見分け方なども・・・。
先を急ぐ日でしたので、「オガタマ」の香りを確認したら、南門から出て「北大路」へ向かうつもりでしたが、入口にいらしたボランテイアさんから、「バラ園がきれいですよ」と声をかけていただいたので、やはり行かねばなりません。芝生の広場を回りこみ、クスノキの並木道を横切ってバラ園へ。わあァ真っ盛り、これほどジャストシーズンのバラ園は久しぶりかも知れない。320種1400株が見ごろというのも壮観です。丈の低い大輪のものは、花を間近に見て香りもかぐことができます。
カップ咲きで重たそうなほど花びらをぎっしりつけた「イングリッシュヘリテージ」、深紅と紫を混ぜたような「ザ・プリンス」、すこし背丈のある中ぐらいの黄色いバラは「ジェーン・フォンダ」。大きなバラも良いけれど、ピンクや白の蔓バラもパーゴラを伝い咲いて、バラ園には欠かせぬ存在です。すこし高みから比叡山を借景に、バラ園の全貌も撮ってみました。
この日、入口でいただいた「なからぎ通信・5月5日号(毎週金曜日発行)」には、14日(日)に「名誉園長さんと気まぐれ散歩」があるとスケジュール欄にあります。これはぜひ参加したい!
さて、地下鉄と阪急電車を乗り継いで「桂」駅着。西口のバス乗り場から洛西ニュータウン行きで「境谷大橋」下車。洛西が開発された1972年に、「ナンジャモンジャ」の木が80本植栽され大きく育ち、初夏になると爽やかな白い花が風に揺れて美しい。
30年ほど前に韓国・釜山郊外、慶州の古墳公園で見かけたのが初めてでした。近い国なのに、どうして日本では見かけないのだろうかと不思議でしたが、その後、洛西で咲き、吉田山の真如堂にも20mの大木があると知りました。一昨年、園芸店で見つけてわがガーデンにも植えましたし、これから日本でもポピュラーな木となるに違いありません。花は細長く四裂しているので、よけいに花が群れているように見えるのです。
バスターミナルを囲むように商業施設・ラクセーヌと高島屋・洛西店。その東に小畑川が流れていて、川沿いの遊歩道もナンジャモンジャの並木道となっています。ニュータウンの奥まった一角も、バスで迂回していると街路樹として成長しているのが分かります。6日にはニュータウンで「ナンジャモンジャの夕べ」が催されるそうですから、地域のひとびとにに親しまれているのがわかりますね。6日は、私にとっても「ナンジャモンジャ」の日でした。
植物園にて
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トウオガタマ
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5月6日 バラ園から比叡山
ナンジャモンジャ=ヒトツバタゴ
アンジュ5月ののアプローチ
マチルダ
バラ園にて
茶色い傘が松谷名誉園長
フリージア
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大芝生を横切る「気まぐれ散歩」ツアー
14日のバラ園と西洋庭園と比叡山
蔓バラ トゲが多くて剪定に要注意
マグノリア
洛西ニュータウンにて
紫はザ プリンス
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淡いピンクのカルミアと手前はブラシの木