さて、すこしハングリーとなり、上七軒に向かい合ったご門から境内に入って名物のお餅を二ついただき、しばし休憩。以前は南からお邪魔して、多分骨董市もこのあたりまで歩いたと思うのですが、今回北側から来たことで、天神さん骨董市の全貌をみることができました。今出川通りの近くにあるポルトガルのお菓子が人気のレストランも大繁盛!いつか市のない日に来てみましょう。
今出川通りを渡って更に南へ向かい、ランチの予約をしてある「糸源」へ。ご近所さんたちの気軽な食堂です。鯖寿司など京都風のランチをチョイス、さっそくお土産交換会。里美さんは可愛い花柄の絵皿と、モネの蓮の花の描かれたトレー、それに私がリクエストしたリプトン紅茶の「MOROCCO]、それにこの夏パリの出版社が作ってくれたという里美さんの自分史的小冊子。嬉しいものばかり!小冊子はこの夏、郷里の大垣市でスケッチ展が開催されて、私も猛暑の中を出かけました。そこで絵本の取材に出かけた折にスケッチしたものが選抜されて展示されていたのです。また会場には里美さんの想い出コーナーもあり、今年99歳のお母さまの書かれた、20代の初めに遠くに出かけてしまった娘を思うお便りもありグッと来ました。そこに刊行されたばかりの小冊子(フランス語版)が置かれていたのです。「観てきたわよ」とパリに電話してその話をすると、「今度京都へ行くときに持っていく」という嬉しい約束をされ、実行してくださいました。私からはもうアンティックになってしまったサマーボレロ。透かし柄で黒系ストライプ、七分袖のお気に入りでしたが、きっと里美さんも気に入ってくれると思ってプレゼント。「わあ素敵!」と言ってさっそくモノトーンのシンプルワンピースの上に羽織ってくれました。「来るとき電車の中が寒かったから助かる!」。
久しぶりの再会のひとときを過ごし、このあとバスに乗って御所へ。同志社の向かいにある今出川御門から入って、桂の宮邸から東へ歩き、猿が辻を見ながら南へバッタヶ原の中を迎賓館前へと抜けます。ひと気のない御所のはずです。この日は休館日。それで静かなのですね。清和院御門も近い木立は土御門邸跡、藤原道長の邸宅です。里美さんもお里で大河ドラマを観ているとのことで、親しみが湧いたようです。
御所を斜めに抜けて来た目的は「梨の木神社の萩」、そろそろ見頃かと立ち寄ると、数日前「萩祭り」が行われたという報道があったのに、まだ二分咲き程度。でも美味しいという湧き水をいただいたり、御所脇の静かなロケーションの中でベンチに座ってひと休みできました。
寺町通りを南へ下がります。丸太町通りを渡ると、気になるお店がチラホラしてきます。その一つのカフェでティータイム。焼きたてというマフインとお茶に癒され、二階に上がって上質のホームウエアを観たり、里美さんも手触りりとナチュラルなカラーでまとめられた店内に興味津々。一保堂茶舗の向かいにあるインド綿のお店も覗きながら、ボタンのお店「エクラン」へ。ちょうどウインドーニットの入れ替えがしたくて、一日リュックに担いできたのです。5月末にパリへ行ったとき、里美さんのゲストルームで小鳥の声を聴きながら編みかけていた幾何柄のベストを、マイカレンダーの9月に用いたサマーカーディガンと交代。編みかけしか見ていない里美さんには、仕上がりを見てもらうことができました。
市役所脇から御池通りに出てまだ南下。鳩居堂や古書店、ギャラリーなど寺町通りらしい雰囲気が味わえる界隈です。いささか二人とも疲れて来ました。京都駅から米原行の新快速に合わせて帰れるよう、河原町三条のバス停で「またね」と言ってお見送り。「どこでも(私以外)誰かとこんなに歩くことは無い」と里美さん。そう言えばパリでも一緒に歩いてアパルトマンに帰ると、いつも「(歳のわりに?)良く歩ける!」と感心してくれましたっけ。
先客万来
梨の木神社の萩
麻の近江上布の柄について
店主からレクチャーを受ける
京都では53日猛暑日がつづいて「もう耐えられない、無理かも知れない」と思い始めたころ、急に秋になりました。ありがたいことです。そんなときパリから帰国されていた里美さんが京都にやって来てくれました。今回は日帰りでしたが、「9月25日は天神さんがあるからいかが?」と言ったら「行く行く!」と即決定。のみの市の好きな私たちです。
ざっと一日のスケジュールをシュミレーションしてMAP も描きましたから、京都駅前でバスを待つ間に説明。205番の西周りに乗車。金閣寺周りの路線で混雑を心配しましたが、二人掛けに座れてホッと安堵。金閣寺の二つ手前「衣笠校」前下車。信号を渡ったところにあるブーランジュリー「ブリアン」でパンを買っておきます。大好きなパン屋さんですから里美さんにもおススメ。ちょっと荷物になるけれど、このあたりに来たら必ず寄るパン屋さんは外せません。
平野神社の南側を東に向かい、途中神社の南門からお邪魔して斜めに通り抜けながらショートカットさせていただきます。桜の時期は大混雑の神社ながら、この日はまばらな観光客でした。東門を出ると北野神社の裏手に向かうのですが、すでに骨董市のテントが見えます。こちらから訪れたことがなく、静かな住宅街で平日なのにひとだかりに圧倒されました。里美さんも早くも興奮ぎみ。「わあ、ほしいものがあったらどうしよう!」と言いながらしっかりと各テントの隅々まで確認。目利きの里美さん、この日は何を見つけ出すのでしょう。
東北の角を曲がり、神社の東に沿って南に下がります。絣や縞柄の古布の店、ガラスや陶器・磁器の店、雑貨や絵画と何でもあり。境内に並ぶ東寺の骨董市より、道路沿いにあるからでしょうか開放感に溢れ、ちょっとオシャレな感じもします。一軒のテントに立ち止まり、「あれどお?」と指さした先には白磁にブルーで花が盛るように彫られているテイーポット!オシャレですね、さすがです。パリのアパルトマンにピッタリ。そばにあった白磁の薄手で可愛い蕎麦ちょこも三点ゲット!清水焼の工房がクローズされるときに集められたものとか。何とは目的もなかったのに、欲しものに出会えるのが嬉しいのです。11月にパリへ帰られるときに、衣類にくるまれて空旅をするティーポットさんです。
パリからのおみやげ
白壁は桂宮邸
いよいよ盛岡での展示会が迫って来ました。レッスンの合間に準備に明け暮れ
ようやく大荷物を発送しました。もう寒いという盛岡で、どのような出会いが
まっているかしら、と出かけるのを楽しみにしているところです。
10月も暑い日がありました。わが家のモクセイはかってないほどの満開でむせるような香!
猛暑もモクセイには糧になったのでしょう。寒さに向かいます。どうぞお元気で。
asako 2024・10・20
・・・・・・・・
スコーンに添えられているジャムの一つはほおずき
カトリーヌさんからのお土産は麻地にカットレースが
美しいインテリアグッズ
重いほどの本はパリの老舗の写真集
祇園・縄手筋にある「ちんぎれ屋」
カトリーヌさんがパリで教えてもらってきた
四条河原町近くのROINSで。お店の方は
ネイテイブのようなフランス語
白磁のポット
天神さんの骨董市で