広場の先の石段を下り、くねくねと曲がってトロカデロ方面行のバスに乗ります。サンラザールの駅を過ぎ、凱旋門のあるエトワール広場を半周して北へ向かいます。あちこちでオリンピック関連の道路工事が行われ、迂回したり停留所が変更されたりしているようです。私たちも広場の手前のトロカデロ庭園で下車、この庭園も通ってみたかった所です。トロカデロ宮殿のあった場所です。高台ですから川は見えませんが、セーヌ川越しにエッフェル塔が望めます。
昨年でしたかこの広場は国会議員の皆さんが写真を撮られ「エッフェル姉さん」と言われ評判になりました。しかし私も20回以上パリを訪れていても行ったことがなく、ずっとこの映えるロケーションには憧れがありました。エッフェル塔も登ったことがなく、遠くから眺めるだけで満足していました。でもセーヌ川での開会式、エッフェル塔の下で競技と、パリらしい演出は魅力がありますね。トロカデロ広場の近辺も工事中。ここは表彰式会場ですって!エッフェル塔を背景に表彰される勝者にはメモリアルな場所となるでしょう。

ヴィオラの石垣から良く行く小さな公園を通り抜けるのですが、花盛りの季節ですから止まってはカメラでパチリ!名前も分からない初夏の花々は勢いがあって美しい。
小道を抜けていると何やら大きなバンが停まっていて通行人が足止めされています。「撮影ね」としばし坂道を行き交う様子を眺めます。里美さんはスタッフに「写ってもいいから横切っていい?」と尋ねています。イケメンのスタッフは「イヤイヤ彼らはバイトの通行人」と言われ「無料でいいのに」と笑いながら応じていましたが・・。
スペイン・バルセロナの映画のようです。里美さんのアパルトマンから寄り道しないでアベッセというメトロの駅に下りていく途中にある丸い広場での撮影なのですね。少しして通行解除。
ピカソなどとのゆかりのあるホテルの前でロケ隊が雨の中でカメラをのぞき込んだりしています。植えられた木々でほの暗い広場ですが、やはり絵になる場所のようです。

その後地元の人々に愛さえているようなカフェでランチ。クロックムッシュに目玉焼きをのせたクロックマダムが美味しい!!

少し雨が降り始めたけれど、近くにある32番のバスに乗って家路へ。途中で乗って来た学校帰りの男子中学生のグループは、若さにあふれながら、さすがにパリジャンの予備候補生たちでした!!並木の両側にブランドシショップのつづく通りに差し掛かると、「以前は人気のあったサントノレ通りよりこっちのほうが今は高評価」とか。里美さんによるパリ見物は最新情報にあふれてる!
シャンゼリゼ通りを渡ったところでバスを乗り換え、モンマルトル方面へ。メトロもいいけどまるで観光バスのように街の表情を眺められるバスが好きです。事前にメトロとバスの共通カードを買っておいてもらったので乗るのもピッだけですみました。
この日は下りたバス停近くにあるスーパーマーケッに寄り、次の日ノルマンデイーに出かけるので、ランチのサンドウイッチのためのパンを求める里美さん。私もこれから数日分の朝食用の食材などを探します。
モンマルトルで暮らすことは健脚であることが重要。27年毎日のように丘を登り下りしている里美さんには脱帽です。
頑張って石の階段を登り、石畳の坂道を上がって石垣にたどり着き、、アパルトマンのガレージから「ショートカットしましょ」と入り、里美さんの黒いフィアットの前を通ってエレベーターで各階へ。夕食のときにお邪魔する約束をして「あとでまたね」。

これまでは里美さんの家に泊めていただいていたので、いつもくつろがせてもらってはいましたが、ゲストルームは里美さんの負担も軽くなることから、とてもありがたいと思いました。

つづく

2024・7・17  asako
  

 

ここからパッシー地区へ。里美さんは行ったことがないそう。通りがかりの方に道を尋ねながら15分もかからずパッシー通りの中心部へ到着。セーヌ川ぞいの高台にある高級住宅街です。
パッシー通りを歩きながら、「ゲストルームのカーテンはオーダーされたの?」と、麻地でうすいグレーのおしゃれなフルレングスカーテンのことを聞きました。「そうマレ地区にあるインテリアのお店に頼んだの」と言われたとたん、「ああ、あれよ」と通りの向かいを指さされます。CARAVANE(カラバネ=キャラヴァン)のパッシー店ですね。それは行ってみなくては。
ウィンドーには私たちの好きなインド綿のファブリックがいっぱい。クッションやベッドカバーなど、なんともセンスあふれる店内にワクワク。手織りや手刺繍のインテリアグッズに魅せられていると、里美さんが「見て見て、これが欲しかったのよ」と細長いシンプルな鏡の前で手招きしています。ゲストルームの玄関コーナーにピッタリとのこと。そういえば今は小さめの鏡が縦に二つ並んでいます。いつも頭の中にあることだから、見た途端に歯車がかみあうように決断が早いのですね。「ええっ、持って帰るの?」と驚いているのにお構いなく、大きな袋に入れてもらって担いでいました。
ブランドショップも点在し、細道の奥には古色蒼然としたアンテイックショップが、面影をとどめながら朽ちかけています。表通りを歩いていると、ウインドーになんとも洒落たジャケットが見えます。中に入って試着するとピッタリ。「似合うわよ」と里美さんに言われ、パリは予想外にちょっと寒くて、手持ものにはないお助けジャケットをいただきました。やっぱりパッシーは欲しいものに出会えて素敵!

ビオラの階段

名前の分からない青紫の美しい花 近くの公園にて

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交差点の角にある花屋さんから
向かいの建物越しにエッヘル塔の頭が見える

初夏のパリへ Ⅱ

多くの画家が描いたピンクの家
右の坂道を下ると葡萄畑、その先に
レストラン「ラ・パン・アジル」
左手の石垣が里美さんのアパルトマン

トロカデロ宮殿あとのミュージアム

クロックマダムのランチ

5月29日(火)、朝はそれぞれ自室でモーニング!かわいらしい小鳥の歌声を聴きながら里美さんが冷蔵庫に用意していてくれていたヘルシーで美味しい朝食となりました。9時にドアがノックされ街散歩に出発!前日、里美さんは旅のお疲れもあると思うけれど、私はトロカデロ広場とパッシー地区に行って見たいと思っていることを伝えました。すると「私も麻子さんに見せたい花がある」と言われて、「ではお花見をしてから、トロカデロ行きのバスに乗りましょう」ということになりました。一人で少々不安ながらもメトロに乗って決行しようと考えていたので、里美さんが同行してくださるなんて夢みたい!

見せたいというお花はアパルトマンの北壁面を見上げるような所に、里美さんが植えたバラ。その隣りには住居人のイギリス紳士が植えたバラも一緒に咲いていて、「やっぱりイギリスのバラはおしゃれね」って、どちらも遠目にはオールドローズみたいで自然で美しいと思いました。見上げるような石壁の上で垣根に沿って咲くバラ。数年後にはモンマルトルの名物になっているかも知れません。

帰りに下りたバス停近くの花屋さん

今日は祇園祭でも前祭りの巡行日。
変わりやすい梅雨末期の空模様ですが、
祇園さんはパワーを持っていらして、巡行の
間は雨が一滴も降らずに無事終えたようです。

湿度の高い夏です。どうぞお体ご自愛ください。

路地の奥の昔は骨董屋

トロカデロ広場

赤い服を着たアフリカンのモデル撮影と
遠方にウエディングの撮影のひとたち

右手にエッフェル塔を眺める展望台
左手に観覧席が建設中

真ん中の白い三階建てはホテル

パッシー地区にて

夾竹桃もオシャレ!

ところで空港からのタクシーがノルバン通りの最後の急坂を登っている時に、気になっていた紫色の花たちも見たいと里美さんを誘うと、それは薄紫のビオラの群生でした。里美さんも立ち止まって見たことはないようで、しばし二人で可憐な花が創り上げた石垣に見とれたのです。

撮影隊のスタッフと・・・

左が里美さんの植えたバラ
アパルトマンのガーデンは広く、たしかに
外から見上げる方が良く見える・・・

バスは凱旋門を半周 遠くにエッフェル塔

エッフェル塔が吊り下げられそう