さて、この日は里美さんと一泊旅行に出かけます。11時にノックされサンラザール駅へ向かうため丘を下ります。この日は初めての道を下り、LAMALCK(ラマルク)駅へ。12番線のISSY(イッシー)行きに乗車。パリでメトロに乗り始めたころ、迷路のような地下道で、番号は合っていても終点駅を確認しなければ反対方向のホームに導かれるというミスを何度も経験したものです。ピガールなどを経て五つ目のサンラザール駅着。この駅に付属するホテルに初めてのツアーの際、泊まったことがありますし、以来モネの家のあるベルノンまで、ジャクリーヌさんの家に行くときなど何度も来たことがある馴染みの駅です。
12:30発のトロンヴィル行きが発車。あらかじめ里美さんがゲットしていてくれたのは二階席。モダンで美しい車体です。パリ郊外に出ると緑の草原が車窓に流れ、フランスが豊かな農業国であることを実感するときでもあります。ランチは里美さん手づくりのサンドウィッチ!前日スーパーで求めた雑穀入り薄切り食パンにハム・野菜・チーズが挟まれていて美味!!お料理上手な友人がいて幸せ!
14:30終点に到着。ノルマンデイー地方はジャクリーヌさんとドライブでオンフルールへ行ったことがあります。途中でバイユーの絵織物という大昔の僧侶たちが刺繍をし、楕円形に展示された長―い絵巻物を観ました。でもトロンビルは初めてです。ドーヴィルの方が有名ですが、駅もトロンヴィル・ドーヴィルと連記されているほどの隣町同志。右手の川を渡り、河口に向かってトロンヴィルの旧市街を目指します。
海辺の街もまだヴァカンスには早く、観光客で溢れているわけではありません。地図を手に細い石畳の道を歩きます。避暑地らしい土産物店やカフェやレストランがつづき、お店が無くなってもまだ先のよう。すると里美さんが「あった!」なんとも小さな文字で「TORONVIL」と書いてある看板を見つけたようです。赤みがかった砂岩のレンガを積み上げた古びた建物です。階段を数段上がってお邪魔します。ノッポの好青年と大きくおとなしい犬がシッポをふりふりお出迎え。里美さんがメールでやり取りしていてくれたので、スムーズにチェックイン。おばあさんから譲ってもらった家をリニューアルして、昨年オープンされたそう。清潔でシンプルな部屋でくつろぎ、さあ目的の一つ、ニット作品の撮影に出かけましょう。
ネットで私も確認していた朝食ルームが素敵なのでちょっと見せていただいていると、二面は通りに面した窓のある部屋で、もう一面がブルーの壁面。そして麦わら帽子やバスケットがたくさんがデイスプレイされているのです。なんとも印象的で素敵な壁面に魅せられ、さっそくオーナーの青年に撮影許可をいただきます。部屋のあちこちに可愛く額に入れたミニバスケットなどは、おばあさまのものとか。お会いしてみたい方ですね。
持参したブルー系の幾何柄カーディガンは、まるでここに来るために連れてこられたみたいにバッチリでした。陽が射しはじめた外に出てロケハンしていると、ホテルからほんの数歩の所で「ここいいんじゃない?」と里美さん。確かにモノトーンのセーターを待っていてくれたかのような黒い鎧戸の家。お留守のようなので蝶番にロープを結び、、ニットに通して片方をを里美さんにもってもらい「カシャッ」。今回の旅では一眼レフカメラだけでも重いので二点のみ持ってきたニットですから、もうこれで充分、アシストしてくれる里美さんの直観力で早々と撮影終了!

パリオリンピックが開催しました。ライブではなく翌朝8時からの特集番組で途中まで観て、小雨にもかかわらず随所にパリらしい感性が散りばめられ、見とれてしまいました。仕事の時間となり開会式は観ることができませんでしたが、あのトロカデロ広場が異次元の変貌をとげ、晴れがましい会場となったことを、あとから映像で確認することが出来ました。
セーヌ川を各国がどのように行進するのかも興味があり、小型ボートに乗ったり、大きな遊覧船に数カ国が同乗しているのも良かったです。さて熱戦が繰り広がれていますが、私のパリ旅もそろそろ終わらせなければ・・・。

5月30日(木)7:00起床。朝食後に洗濯・掃除などして、ベランダから庭のポプラの木を見上げます。三階にいるのにまだ梢が高くて先端が見えません。いったい樹齢は何年かしら?ポプラは枝先のひと葉ひと葉が勝手に風に舞う様子に見飽きることがありません。そういえば普通の木は枝ごとに揺れています。ポプラは自由主義なのかと思ったり、なんだかおしゃべりし合っているようで、仲良しファミリーであるのかも知れません。ゲストルームに滞在中に、小鳥のさえずりをBGMとして、なんど見ても飽きない得難い光景となりました。
また遠くに見える瀟洒な建物はパリ市のもので、毎年抽選に当たったフランス以外の方も含めてアーチストのアトリエとなっているそう。上階の二階分が吹き抜けになっていて、大きな窓に白いカーテンが左右に引かれてオシャレにかかり、夜遅くまで明かりが消えることはありませんでした。オープンアトリエも開かれ、自由に展示などを観ることができるそうです。文化度の高い街であると、あらためて感じ入る光景でもありました。

旅から帰った夜にいただいたパスタ
まわりの緑がアスパラの新芽(ソバージュ)

ヴァンヴのマルシェでカトリーさんと出会う

ブランドショップも村の家に・・

カトリーヌ邸

京都は連日38℃・39℃という殺人的な酷暑です。もう夏は充分と思いますが、線状降水帯の発生した各地では農業に携わる方々の落胆ぶりに国の援助が、早急に求められます。オリンピックの金メダルも嬉しいけれど、災害地のことも忘れずに残りの夏を過ごしましょう。くれぐれもお体に気をつけて、お元気で秋を迎えられますように。

修復中のノートルダム大聖堂

シテ島の花屋さん。 里美さんは見上げている
深緑のジョウロをご購入

トロンヴィルのビーチ 波が高いけれど、
カイトサーフィンを楽しむ人も・・・

ノルマンデイーらしい駅舎 トロンヴィル・ドーヴィル駅

サンラザール駅構内の「駅ピアノ」

ランチのサンドウイッチは
サクランボつき

・・・・・・・・・・

スワンの看板はサビニャック

初夏のパリへ Ⅲ

五つ星 ホテル・ドーヴィル

6月1日(土)はヴァンブの蚤の市でカトリーヌさんと出会って、ランチをカトリーヌ邸でいただき、いつも優しいイヴさんとも再会!お二人はオリンピックの期間中、イギリスへヴァカンスですって。私が「競技はともかくパリのロケーションをTVで観るのが楽しみ」と言うと、目を丸くして驚いていました。パリの人にとって、オリンピックはやっかいな期間のようです。
6月2日(日)は夕方サンジェルマン・デ・プレへ出かける予定。
ランチのあと昼寝をしたり編みものしたりして、夕刻からサクレクール寺院側の道を下り、さすがにパリを知り尽くした里美さんの案内で、このたびは網の目のようなモンマルトルの丘の半分?は歩いたでしょうか。来た駅近くのメトロでシテ島まで一直線。花市場で花や雑貨を見て、ノートルダム大聖堂の十字架が取り付けられたというので、観に行きます。その後サンジェルマン・デ・プレ教会の近くで3月に京都に来られたジョルジュさんとミリアムさんに会って、とても優雅なホテルでアペリテイフタイムを過ごさせていただき、「LIPP]というレストランでディナーをご馳走になりました。
本当は一泊旅行以外はゲストルームでゆっくり編みものなどして時々里美さんのお部屋でおしゃべりして過ごすつもりでしたが、旧友などとパリの街角で出会い、そこまでの行く道帰る道も佳き時間となりました。
今回はまるで暮らしているかのようにモンマルトルの丘を登り下りして、これまで以上にパリと親しくなれた気がします。また里美さんのゲストルームは、確実に私にとってパリのオアシスとなりました。

3日(月)帰国の日。坂道をピガールまで下りてMONOPURIX(モノプリというオシャレなスーパーに一人で買い物に行き、坂の途中のパン屋さんで焼きたてパンもお土産にしました。帰り道は登りなので40番のバスに乗り、アパルトマンの真ん前まで乗車でとっても楽。午後、予約してくれていたタクシーに乗って、「里美さんまたね、楽しい想い出をいっぱいありがとう!」とさよならをしてシャルル・ド・ゴール空港へ。ドーハ経由で4日10:00着。初夏のパリ旅を終えました。

2024・7・29 asako
カメラとニットをホテルに置いて、その後は身軽にトロンヴィルの夕方散歩となりました。5分も歩くとビーチに出ます。ビーチに沿ってホテルが並び、古き良き時代にパリから貴族の皆さんが避暑に向かった高級リゾート地の面影が垣間見えます。サビニャックという画家の出身地でもあり、人気であったポスターの数々があちこちに看板となってリゾート気分を盛り上げています。川沿いに歩いてカフェでひと休み。そば粉のクレープが有名ですから私はアプリコットにしました。美味しかったです。カジノがあり魚市場もあって海辺らしい情景ですが小さな町です。シーズンには早くてまだ開いていないお店もありますがウインドーを覗き歩き、とあるレストランをチョイスして、ムール貝などで少し早いディナーにしました。白夜でいつまでも明るかったです。
翌朝、ドーヴィルを歩くために駅へ戻り荷物を預けようと思ったら、今どきコインロッカーもなく、駅員さんから教えてもらったモバイル屋さんで一時預かりをしてもらいました。この日は金曜日、ドーヴィルの街では市が立つ日らしく広場が賑わっています。八百やさんでアスパラの新芽を買った里美さん。「今夜はパスタだから丁度いい」って、楽しみです。麻地のチェック柄でエプロンも購入。エプロン大好き人間ですから決断が早い!
さてホテルのラウンジにおいてあったドーヴィルのガイドブックで見ていた雑貨屋さんを探します。オーナー青年から聞いていた住所を目指していると、ノルマンデイーらしい木骨組のどっしりしたホテルに遭遇。なんとも高級感漂うホテルです。周りにもブランドショップがさり気なく村の一員のように、絵のような街並みに溶け込んでいます。ああ見つけました。村外れのような一角に古風な木造の家、軒に豆電球の飾ってある、あそこでしょう。期待どおりに欲しいモノだらけのお店でした。里美さんは深いグリーンのネット編みのBAG。私は見たことのない卵型の緑色のキャンドルと手づくりの鳩の飾りもの。二人とも満足してランチにします。高級ホテルの向かいの良さげなレストラン。ここが花丸。静かでオシャレで美味しくて、「良かったね」と言い合い、開催時は華やぎそうだけど、緑に囲まれた田舎の競馬場を眺めたり、かわいいチョコレートやさんに寄ったりしながら16:30発の列車でパリに戻りました。

かわいい雑貨屋さん

トロンヴィルの住宅街

ホテルの朝食ルーム

トロンヴィル行特急列車は
二階建て

西向きのベランダから見上げるポプラ
ずっと向こうに見えるのは、パリ市の建物
アーチストのアトリエ